管理栄養士 過去問
第39回
問21 (午前の部 問21)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問21(午前の部 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

酸塩基平衡に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 過換気症候群では、呼吸性アシドーシスになる。
  • COPDでは、呼吸性アルカローシスになる。
  • 大量の嘔吐では、代謝性アシドーシスになる。
  • 原発性アルドステロン症では、代謝性アシドーシスになる。
  • 腎不全では、代謝性アシドーシスになる。

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この過去問の解説 (1件)

01

通常体内でのpH(酸性かアルカリ性かを表す)は7.35~7.45に維持されており、維持する調整機構のことを恒常性(ホメオスタシス)といいます。

pHは0~14までで表され、0に近いほど酸性、14に近いほどアルカリ性を示します。

体内での変動はもっと小幅で、通常は上記に書いたように7.35~7.45、何かしらの代謝異常を起こしたとしても約6.8~7.8の幅で変動します。ただしこの小幅の変動が、昏睡や痙攣に繋がるとても重要な調整機構です。

 

酸塩基平衡の異常は、以下4つに分類することができます。

<アシドーシス> pH7.35以下の酸性状態となる

代謝性アシドーシス:塩基排出過剰となった場合など

呼吸性アシドーシス:二酸化炭素の排出不足

<アルカローシス> pH7.45以上のアルカリ性状態となる

代謝性アルカローシス:酸排出過剰となった場合など

呼吸性アルカローシス:二酸化炭素の排出過剰

 

具体的にどういった疾患や状態が、アシドーシス・アルカローシスを招くのかを理解しておくと良いでしょう。

 

選択肢1. 過換気症候群では、呼吸性アシドーシスになる。

不正解です。

過換気症候群では二酸化炭素の排出過剰となり、呼吸性アルカローシスとなります。

 

 

選択肢2. COPDでは、呼吸性アルカローシスになる。

不正解です。

COPDでは二酸化炭素の排出不足となり、呼吸性アシドーシスとなります。

 

選択肢3. 大量の嘔吐では、代謝性アシドーシスになる。

不正解です。

大量の嘔吐では胃液が排出されることにより酸排出過剰となり、代謝性アルカローシスとなります。

 

 

選択肢4. 原発性アルドステロン症では、代謝性アシドーシスになる。

不正解です。

原発性アルドステロン症とは、副腎皮質からのアルドステロンの過剰分泌によって、カリウムや水素の排泄過剰となります。これによって代謝性アルカローシスをきたします。

 

選択肢5. 腎不全では、代謝性アシドーシスになる。

正解です。

原発性アルドステロン症とは反対に、腎不全ではカリウム排出が減少・調節機構の不全により、高K血症となります。これにより代謝性アシドーシスをきたします。

まとめ

具体的疾患例:

<アシドーシス> pH7.35以下の酸性状態

代謝性アシドーシス:腎不全、乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス(DM等)、下痢、ショック状態等

呼吸性アシドーシス:COPD、呼吸筋麻痺(脊損等)、麻酔

<アルカローシス> pH7.45以上のアルカリ性状態

代謝性アルカローシス:嘔吐、利尿剤使用、低K血症

呼吸性アルカローシス:過換気症候群、敗血症、低酸素血症、肺炎、人工呼吸器管理等

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