管理栄養士 過去問
第39回
問22 (午前の部 問22)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問22(午前の部 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

加齢・疾患に伴う変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • テロメアは、細胞分裂を繰り返すと長くなる。
  • 肉芽組織は、線維芽細胞に富んでいる。
  • 良性腫瘍は、悪性腫瘍に比べて細胞の分化度が低い。
  • 上皮性の悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれる。
  • 脳死では、自発呼吸がみられる。

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この過去問の解説 (3件)

01

組織構造と、分化についての設問です。各用語の理解を深めておく必要があります。

選択肢1. テロメアは、細胞分裂を繰り返すと長くなる。

不正解です。

細胞分裂の際にDNAがコピーされますが、テロメアの一部は複製されず短くなり、やがて細胞分裂が停止します。

選択肢2. 肉芽組織は、線維芽細胞に富んでいる。

正解です。

肉芽組織は創傷治癒過程で作られる結合組織であり、主に毛細血管と繊維芽細胞から構成されます。

選択肢3. 良性腫瘍は、悪性腫瘍に比べて細胞の分化度が低い。

不正解です。

「分化度」とは、細胞がどのくらい正常な細胞の状態を維持しているかを表しています。

良性腫瘍は正常な細胞形態とある程度同質ですが、悪性腫瘍は分化度が低く、正常細胞とは異なる性質を持ちます。

 

分化速度は、悪性腫瘍のほうが早くなります。

選択肢4. 上皮性の悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれる。

不正解です。

上皮以外から発生する悪性腫瘍を、肉腫といいます。

選択肢5. 脳死では、自発呼吸がみられる。

不正解です。

脳死では自発呼吸は見られません。

脳死判定には、昏睡・瞳孔散大と固定・脳幹反射消失・平坦脳波・自発呼吸の消失が挙げられます。

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02

加齢・疾患に関する問題です。

選択肢1. テロメアは、細胞分裂を繰り返すと長くなる。

不正解です。

テロメアは、細胞分裂を繰り返すと短くなります。

テロメアは、染色体の末端にあるDNA断片のことです。細胞分裂を繰り返すごとに短くなり、一定の長さになると細胞分裂ができなくなります。

→細胞の老化といいます。

選択肢2. 肉芽組織は、線維芽細胞に富んでいる。

正解です。

肉芽腫は組織の損傷や欠損により形成され、線維芽細胞や毛細血管などに富んでいます。

選択肢3. 良性腫瘍は、悪性腫瘍に比べて細胞の分化度が低い。

不正解です。

良性腫瘍は悪性腫瘍にくらべ、細胞の分化度は高いです。

良性腫瘍は分化度が高いため、正常な細胞に近く、

悪性腫瘍は分化度が低いため、正常な細胞とは異なった性質になります。

選択肢4. 上皮性の悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれる。

不正解です。

上皮性の悪性腫瘍は、と呼ばれます。

非上皮性の悪性腫瘍は肉腫と呼ばれます。

選択肢5. 脳死では、自発呼吸がみられる。

不正解です。

脳死では、自発呼吸は見られません

脳死とは、心臓は機能しているが、全脳機能が停止している状態のため、自発呼吸はできません。

 

心臓死:全脳機能と心臓機能も停止している状態。

植物状態:重度の脳障害により昏睡状態になっている状態。脳機能と心臓機能もあるが、意思疎通はできません。

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03

細胞分裂のしくみや組織についての理解が求められる問題です。

また、脳死判定の問題は頻出ですので植物状態との違いを理解しましょう。

選択肢1. テロメアは、細胞分裂を繰り返すと長くなる。

不正解です。

テロメアは、細胞分裂を繰り返すと短くなります。

テロメアは、染色体の末端に存在する特殊なDNA配列のことで、タンパク質合成が正常に行われるように保護する役割があるとされています。

選択肢2. 肉芽組織は、線維芽細胞に富んでいる。

正解です。

肉芽組織は、線維芽細胞と血管などで構成される組織のことで、組織が修復されている際にできます。

選択肢3. 良性腫瘍は、悪性腫瘍に比べて細胞の分化度が低い。

不正解です。

良性腫瘍は、悪性腫瘍に比べて細胞の分化度が高いです。

遺伝子の変異によって細胞が無秩序に増殖し、かたまりになったものを腫瘍と言います。

腫瘍には良性と悪性の2種類があります。

分化度とは、細胞が正常の形態をどれくらい維持しているかを示したもので、高いほど正常に近いということです。

 

選択肢4. 上皮性の悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれる。

不正解です。

上皮性の悪性腫瘍は癌腫と呼ばれます。

上皮組織由来の者を肉腫と言います。

選択肢5. 脳死では、自発呼吸がみられる。

不正解です。

脳死では、自発呼吸は見られません。

 

<脳死の基準>

①深いこん睡にあること

②瞳孔が固定し一定以上開いていること

③刺激に対する脳幹の反射がないこと

④脳波が平たんであること

⑤自発呼吸ができないこと

 

以上の検査を6時間以上経過後に再度行い、確認が取れたら脳死と判断されます。

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