管理栄養士 過去問
第39回
問32 (午前の部 問32)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問32(午前の部 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

甲状腺・副甲状腺の疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • バセドウ病では、血中LDLコレステロール値が上昇する。
  • バセドウ病では、血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
  • 橋本病では、基礎代謝が亢進する。
  • 副甲状腺機能亢進症では、腎臓におけるカルシウム再吸収が抑制される。
  • 副甲状腺機能低下症では、テタニーが起こる。

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この過去問の解説 (2件)

01

甲状腺・副甲状腺は、喉仏の下に表裏の状態で存在しています。

甲状腺の機能:甲状腺ホルモンを分泌し、エネルギー代謝・体温・心拍数の調整等を行います。

副甲状腺の機能:血中Ca濃度を調整する、副甲状腺ホルモンを分泌します。

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病):エネルギー消費増大→体重減少、心拍数上昇(動悸)、発汗、眼球突出 等

甲状腺機能低下症(橋本病):エネルギー消費減少→体重増加、心拍数低下、無気力、疲労感 他

 

副甲状腺機能亢進症:血中Ca濃度上昇

副甲状腺機能低下症:血中Ca濃度低下

 

選択肢1. バセドウ病では、血中LDLコレステロール値が上昇する。

不正解です。

バセドウ病では基礎代謝が亢進し、消費が増大するため、血中LDLコレステロール値は低下します。

選択肢2. バセドウ病では、血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。

不正解です。

バセドウ病では、血中甲状腺刺激ホルモン値は低下します。

選択肢3. 橋本病では、基礎代謝が亢進する。

不正解です。

橋本病では、基礎代謝は低下します。

選択肢4. 副甲状腺機能亢進症では、腎臓におけるカルシウム再吸収が抑制される。

不正解です。

副甲状腺機能亢進症では、血中Ca濃度が上昇するため、正常化のために腎臓におけるカルシウム再吸収は亢進されます。

選択肢5. 副甲状腺機能低下症では、テタニーが起こる。

正解です。

副甲状腺機能低下症では、テタニーが起こります。

テタニーとは、血中Ca濃度の低下を原因として筋肉の不随意運動が起こり、硬直や痙攣が起こることです。

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02

代謝のしくみやホルモンの働きについて理解したのち、各疾患を覚えましょう。

 

甲状腺ホルモンは、代謝を促進します。ネガティブフィードバックによって、甲状腺ホルモンの濃度を一定に保ちます。

甲状腺機能亢進症:バセドウ病

甲状腺機能低下症:クレチン病(小児)、橋本病(成人)

 

副甲状腺ホルモン(パラソルモン、PTH)は、血中のカルシウム濃度を上昇させます。

①腎臓でカルシウム再吸収促進、②骨吸収の促進、③腎臓におけるビタミンD活性化の促進によって血中のカルシウム濃度を上昇させます。

 

選択肢1. バセドウ病では、血中LDLコレステロール値が上昇する。

不正解です。

バセドウ病では、血中LDLコレステロール値は減少します。

LDLは血液中のコレステロールを組織へ運ぶ役割を持つため、代謝が亢進されるとLDLコレステロール値は減少します。

選択肢2. バセドウ病では、血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。

不正解です。

バセドウ病では、血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が低下します。

バセドウ病ではTSH受容体抗体が生成され、甲状腺にあるTSH受容体に結合します。ネガティブフィードバックによってTSH値が低下しても甲状腺ホルモンの分泌が亢進された状態になります。

 

 

選択肢3. 橋本病では、基礎代謝が亢進する。

不正解です。

橋本病では、基礎代謝が低下します。

選択肢4. 副甲状腺機能亢進症では、腎臓におけるカルシウム再吸収が抑制される。

不正解です。

副甲状腺機能亢進症では、腎臓におけるカルシウム再吸収が促進されます。

副甲状腺機能亢進症では、血中のカルシウム濃度を上昇させるパラソルモンの過剰分泌が起こります。

血中のカルシウム濃度を上昇させる方法の一つに、腎臓におけるカルシウム再吸収の促進があります。

選択肢5. 副甲状腺機能低下症では、テタニーが起こる。

正解です。

副甲状腺機能低下症では、テタニー(筋肉のけいれん)が起こります。

テタニーは、低カルシウム血症で発生します。

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