管理栄養士 過去問
第39回
問49 (午前の部 問49)

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問題

管理栄養士試験 第39回 問49(午前の部 問49) (訂正依頼・報告はこちら)

特定保健用食品の関与成分による三次機能と作用機序の組合せである。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • キシリトールの低う蝕作用 ―――― 再石灰化の促進
  • 難消化性オリゴ糖の整腸作用 ―――― プロバイオティクスとしての作用
  • 中鎖脂肪酸の体脂肪低蓄積性 ―――― 脂肪組織でのβ酸化関連酵素の活性化
  • キトサンの血中コレステロール低下作用 ―――― 胆汁酸の再吸収抑制
  • γ─アミノ酪酸(GABA)の降圧作用 ―――― アンジオテンシン変換酵素の阻害

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この過去問の解説 (2件)

01

特定保健用食品の三次機能とは、食品が持つ「体調調節機能」を指します。

例えば、「便秘の改善」「コレステロール低下作用」「血糖値上昇の抑制作用」等の表示が該当します。

選択肢1. キシリトールの低う蝕作用 ―――― 再石灰化の促進

不正解です。

キシリトールには、”再石灰化の促進”の作用はなく、ミュースタンス菌の増殖を抑制することで、歯の溶解を抑制する働きがあります。

選択肢2. 難消化性オリゴ糖の整腸作用 ―――― プロバイオティクスとしての作用

不正解です。

難消化性オリゴ糖の整腸作用は、プレバイオティクスとしての作用があります。

プロバイオティクス→腸内細菌

プレバイオティクス→腸内細菌のエサ

シンバイオティクス→プレ・プロ両方を合わせた働きをするもの

選択肢3. 中鎖脂肪酸の体脂肪低蓄積性 ―――― 脂肪組織でのβ酸化関連酵素の活性化

不正解です。

中鎖脂肪酸はエネルギー源として消費されやすいことが特徴です。

β酸化関連酵素の活性化は、糖分や脂肪酸の供給量等によって調整されています。

選択肢4. キトサンの血中コレステロール低下作用 ―――― 胆汁酸の再吸収抑制

正解です。

キトサンは、胆汁酸の再吸収を抑制することで血中コレステロールを低下させる作用を持ちます。

選択肢5. γ─アミノ酪酸(GABA)の降圧作用 ―――― アンジオテンシン変換酵素の阻害

不正解です。

GABAは神経伝達物質の興奮を抑制することによって、血圧を下げる働きをします。

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02

特定保健用食品に関する問題です。

生理学の分野と合わせて学習すると良いでしょう。

解説中の許可表示については、以下を参照しています。

 

消費者庁 特定保健用食品について(2025年7月4日現在)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/
 

選択肢1. キシリトールの低う蝕作用 ―――― 再石灰化の促進

不正解です。

 

低う蝕作用とは、虫歯になりにくくする作用のことです。
むし歯は、細菌が糖質をもとに酸を作り出し、歯を溶かすことで生じます。
キシリトールは糖アルコ―ルの一種で、発酵性がなく酸を算出しないため、

低う蝕作用を持ちます。
再石灰化とは、酸によって溶け出した歯の表面を修復することです。

唾液が酸や糖質を洗い流し、pHをもとに戻すことで生じます。
キシリトール自体に、再石灰化の働きはありませんが、上記の理由により「歯の石灰化を増強する」「歯が再石灰化しやすい環境にする」といった表示がされます。

選択肢2. 難消化性オリゴ糖の整腸作用 ―――― プロバイオティクスとしての作用

不正解です。
 

難消化性オリゴ糖の整腸作用は、プレバイオティクスとしての作用です。
ヒトにとって有用な微生物をプロバイオティクスといい、

プロバイオティクスが働きやすい環境を整える物質をプレバイオティクスと言います。
 

選択肢3. 中鎖脂肪酸の体脂肪低蓄積性 ―――― 脂肪組織でのβ酸化関連酵素の活性化

不正解です。

 

中鎖脂肪酸はリンパ管を経由せず、血管を通りエネルギー源として使用されるため、体脂肪低蓄積性があります。

選択肢4. キトサンの血中コレステロール低下作用 ―――― 胆汁酸の再吸収抑制

正解です。

 

胆汁酸はコレステロールを基に合成され、回腸で再吸収されます。

キトサンは胆汁酸の再吸収を抑制し、胆汁酸の充足のためにコレステロールが利用されることで、血中コレステロールを低下させる作用があります。

「LDL(悪玉)コレステロールが気になる方」といった表示がされます。

 

選択肢5. γ─アミノ酪酸(GABA)の降圧作用 ―――― アンジオテンシン変換酵素の阻害

不正解です。


γ─アミノ酪酸(GABA)の降圧作用は、交感神経系の神経伝達物質である、ノルアドレナリンの分泌抑制によるものです。
血圧は、自律神経系とレニン・アンジオテンシン系の2つで調整されており、アンジオテンシン変換酵素は、後者の系統で使用されるものです。アンジオテンシン変換酵素の阻害作用のある関与成分に、サーデンペプチドがあります。「血圧が気になりはじめた方」「血圧が高めの方に適した」といった表示がされます。

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