管理栄養士 過去問
第39回
問101 (午後の部 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

管理栄養士試験 第39回 問101(午後の部 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

減量が必要な女性に対し、動機づけ面接を用いたカウンセリングを行った。アンビバレンスを示す女性の発言として、最も適当なのはどれか。1つ選べ。
  • 飲み会に誘われると嬉しいですし、付き合いもあるので断るのは難しいです。
  • 家族に協力してもらいながら食事制限に取り組んで、体重を減らしたいと思います。
  • 食事制限はストレスがたまるので、暴飲暴食してしまうかもしれないです。
  • お菓子の量を減らした方が良いと思いますが、お菓子が好きなので我慢するのは難しいです。
  • お菓子作りは一番の趣味なので、やめられないです。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

アンビバレンスとは、「両価性」「両面感情」などと言われ、一つの事象に対して相反する感情が同時に混在する状態を指します。

アンビバレンスは、トランスセオレティカルモデル(行動変容ステージモデル)における関心期(6か月以内に行動変容する意思がある)」の患者に多く見られます

栄養指導においては患者の行動変容ステージを把握し、段階に合わせたサポートをすることが求められます。

選択肢1. 飲み会に誘われると嬉しいですし、付き合いもあるので断るのは難しいです。

この発言は、6か月以内に行動変容をする意思がない(無関心期)に当たると推測されます。よって不正解です。

選択肢2. 家族に協力してもらいながら食事制限に取り組んで、体重を減らしたいと思います。

この発言では行動変容に対する前向きな感情のみを語っており、相反する感情の発言はないため、不正解です。

選択肢3. 食事制限はストレスがたまるので、暴飲暴食してしまうかもしれないです。

この発言では行動変容に対する後ろ向きな感情のみを語っており、相反する感情の発言はないため、不正解です。

選択肢4. お菓子の量を減らした方が良いと思いますが、お菓子が好きなので我慢するのは難しいです。

この発言は、「お菓子の量を減らした方が良い」という必要性を理解している感情と、「好きなものを我慢するのは難しい」という行動変容に対する拒否的な感情が混在しています。よってアンビバレンスを示していると言えるため、正解です。

選択肢5. お菓子作りは一番の趣味なので、やめられないです。

この発言は、6か月以内に行動変容をする意思がない(無関心期)に当たると推測されます。よって不正解です。

まとめ

トランスセオレティカルモデルにおいて、関心期にある患者は意思が揺らぎやすい状態であり、よってアンビバレンスを示しやすい状態にあると言えます。

参考になった数3

02

アンビバレンスとは、2つの対立した感情が同時に存在する状態を言います。

人は変わりたいという気持ちと、無意識下で現状を維持したいという気持ちを持っており、心は常に揺れ動いています。

そのため、行動変容ステージモデルの関心期でアンビバレンスは多く見られます。

関心期では、人は自身の行動や習慣について考え、改善する必要性や可能性について考えるようになります。

しかし、生活習慣を変えることのメリットとデメリットを天秤にかけている状態でもあり、相反する考えが生じやすい時期になります。

選択肢1. 飲み会に誘われると嬉しいですし、付き合いもあるので断るのは難しいです。

不正解。

好ましくない行動について止められない理由を述べているため、行動変容ステージの無関心期に当たると考えられます。

選択肢2. 家族に協力してもらいながら食事制限に取り組んで、体重を減らしたいと思います。

不正解。

具体的な行動について考え始めており、前向きな感情のみ見られます。

相反する感情を抱いていないため、アンビバレンスを示していません。

選択肢3. 食事制限はストレスがたまるので、暴飲暴食してしまうかもしれないです。

不正解。

行動変容に対する不安についてのみ話しています。

相反する感情を抱いていないため、アンビバレンスを示していません。

選択肢4. お菓子の量を減らした方が良いと思いますが、お菓子が好きなので我慢するのは難しいです。

正解。

減量のための具体的な行動を考え始めており、関心期に入っています。

「お菓子の量を減らした方が良い」という考えと、「お菓子が好きなので我慢するのは難しい」という行動変容への忌避が同時にあるため、アンビバレンスを示していると言えます。

選択肢5. お菓子作りは一番の趣味なので、やめられないです。

不正解。

行動変容を目指す気持ちが見られないため、無関心期に当たると考えられます。

まとめ

対象者の行動変容を促すためには、行動変容ステージモデルのどの段階に当たるかを考えましょう

アンビバレンス(感情の対立)は関心期に多く見られるため、栄養指導の際には対象者の不安に寄り添い、共に解決方法を考えることが大切になります。

参考になった数1