管理業務主任者の過去問
平成30年度(2018年)
問1
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問題
管理業務主任者試験 平成30年度(2018年) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 委任とは、当事者の一方が相手方のために法律行為をすることを約し、相手方がこれに対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約である。
- 受任者が、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者は、現に利益を受けている限度において受任者に対して費用の償還義務を負う。
- 委任契約が解除された場合に、解除の効力は将来に向かってのみ生じる。
- 受任者が、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費した場合でも、委任者に損害が生じていないときは、受任者は、利息を支払う義務を負わない。
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この過去問の解説 (3件)
01
委任契約は原則、無償契約です。
特約により有償契約として締結できます。
2:不適切です。
受任者が費用を立替したことに伴う委任者からの費用償還に、設問のような限度はありません。
3:適切です。
設問文言のとおりです。
※解除の効力
委任契約、賃貸借契約→将来に向かって
売買契約→契約時に遡及
4:不適切です。
委任者に損害が生じる、生じないに関係なく、受任者は利息を支払う義務があります。
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02
民法の委任の問題です。委任は,有償契約と無償契約があり,いずれも善管注意義務を負います(民法643条)。
そのほか,成立要件,報酬の有無及び請求,解除,終了事由,対抗事由など一通り確認しておきましょう。
注:この問題は,平成30年の問題ですが,令和2年4月1日施行の改正後の民法の条文で解説をしております。
誤りです。
民法643条では,「委任は,当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し,相手方がこれを承諾することによって,その効力を生ずる。」と規定されています。
つまり,法律行為の委託と相手方の承諾の2つの要件しか委任の成立要件とされていません。
実務では,委任というと報酬を伴う有償契約がほとんどですが,民法で問われる委任は,無償委任が原則であり,有償契約は,特約がないと成立しない(民法648条1項)のです。
実務と法律知識を混同すると誤答になりやすいので,あくまでも条文や判例ではどうかという点で考えて回答したほうがいいです。
誤りです。
民法650条1項では「受任者は,委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは,委任者に対し,その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。」と規定しています。
つまり,受任者は費用及び利息の償還請求権はありますが,その償還請求権の範囲について,本肢のような「現に利益を受けている限度において」という限定はありませんので,本肢は誤りです。
正しいです。
委任の解除の効力については,民法650条で規定しており,同条は,620条を準用しています。
620条は,賃貸借の解除の効力についての条文ですが,同条は「将来に向かってのみその効力を生ずる。」と規定しています。
したがって,本肢は正しいです。
誤りです。
民法647条前段では「受任者は,委任者に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは,その消費した日以後の利息を支払わなければならない。」と規定しています。
つまり,受任者は,引き渡すべき金額を自己のために消費した場合には,その消費した日から後の利息を支払う義務があります。
したがって,「利息を支払う義務を負わない。」という部分が誤りです。
委任については,一度条文に目を通しておきましょう。
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03
この問題は、民法における委任契約の性質と条件についての理解を問うものです。
委任契約は、一方が他方に法律行為を行うことを委託し、委託された者がこれを承諾する契約です。
問題では、報酬の支払いの必要性、費用の償還義務、契約解除の効力、および金銭の消費に関する受任者の義務など、委任契約に関連するさまざまな側面が問われています。
誤り
解説:委任契約は、報酬の支払いを必須とするものではありません。
原則として無償であり、報酬の支払いは特約が必要です。
誤り
解説:受任者が委任事務のために必要な費用を支出した場合、委任者は利益の有無にかかわらず、その費用および利息の償還義務を負います。
正しい
解説:委任契約の解除は将来に向かってのみ効力を発揮します。
契約の解除は、過去に遡って無効にはなりません。
誤り
解説:受任者が委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費した場合、損害の有無にかかわらず、消費した日から利息を支払う義務があります。
委任契約は、他者のために法律行為を行うことを目的とし、報酬の支払いは必須ではない無償契約です。
受任者は、委任事務の処理に関連する費用について償還を請求できます。
契約解除は将来に向かってのみ効力を持ち、過去の行為には影響しません。
受任者が委任者に引き渡すべき金額を消費した場合、損害の有無に関係なく利息の支払い義務が発生します。
委任契約に関する基本原則と特例を理解することが重要です。
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