管理業務主任者の過去問 平成30年度(2018年) 問2
この過去問の解説 (3件)
通知の送達では解除になりません。
相手方Bが履行に着手する前であれば、AがBに対して預った手付金の倍額を償還することで解除となります。(手付倍返しによる解除)
2:適切です。
設問文言のとおりです。
3:不適切です。
当事者の一方が履行に着手する前であれば、解除権の行使は可能です。
売主Aからは手付倍返しによる解除
買主Bからは手付放棄による解除
4:不適切です。
売主Aの債務不履行による売買契約の解除は、買主Bからの手付金返還請求、損害賠償請求いずれも可能です。
解約手付に関する問題です。
民法では,手付(民法557条)は,基本的に当事者が特に意思表示をしなければ,解約手付とされています。
その際,①相手方が履行に着手した場合には,解除できない(自分が履行に着手しただけの場合は,解除できます),②売主が解除する場合には,倍額を現実に提供すること(通知しただけでは足りず,現実の提供が必要。最判平成6年3月22日)が要件となっています。
誤りです。
「手付金の倍額を償還することにより本件契約を解除する旨の通知を送達すれば」の部分が誤りです。
冒頭の解説の②の要件のとおり,現実の提供が必要です。
正しいです。
解約手付による解除では損害賠償を請求できません(民法557条2項,545条4項)。
そもそも,解約とは,原状回復することであり,原状回復するだけのために損害賠償というのは,相手方にとって不利益を被ることになりますので,公平の観点からも認められません。
誤りです。
冒頭解説①に記載したとおり,自分が履行に着手しただけの場合には,解約手付によって解除できます。
本肢で言いますと,Bは,代金の支払の準備という履行に着手している状態ですが,Aが引き渡しの準備をしていないので,相手方が履行に着手した状態ではありません。
そのように考えると,Bは,解約手付による解除権の行使が認められます。
誤りです。
民法545条4項では「解除権の行使は,損害賠償の請求を妨げない。」旨規定されています。
実質的にも,債務不履行があるのなら,それについての損害賠償が認められなければ,相手方は債務不履行をしたにもかかわらず,逃げ得が認められることになり,不公平です。
なお,2020年改正前の民法では「債務不履行による解除は損害賠償の請求を妨げない。」(改正前民法545条3項)と明記されていて,出題当時もその条文知識を問われていましたが,改正に伴い,条文が変更されました。
手付は,頻出事項ですので,冒頭に記載したような点については,少なくともおさえておきましょう。
この問題は、マンションの売買契約に関連する解約手付の法的な側面を理解することを目的としています。
具体的には、手付金の扱い、契約解除の条件、解除権の行使、および債務不履行による解除後の損害賠償請求の可否に関する内容が問われています。
誤り
解説:解除権の行使には、手付金の倍額を償還する必要があります。
通知の送達だけでは不十分です。
正しい
解説:売主が履行に着手していない場合、買主は手付金を放棄して契約を解除できます。
この場合、売主は損害賠償を請求できません。
誤り
解説:契約の履行に着手していない当事者は、解約手付によって契約を解除できます。
履行に着手している一方の当事者だけでは、解除権の行使は認められません。
誤り
解説:売買契約が売主の債務不履行によって解除された場合、買主は手付金の返還と損害賠償を請求できます。
解約手付に関する理解は、売買契約において重要な側面です。
手付金は契約の保証として機能し、その扱い方は民法によって詳細に規定されています。
契約の解除条件、手付金の倍額返還の要件、および債務不履行に伴う損害賠償の可否など、これらの要素を正確に理解することが重要です。
また、契約当事者の権利と義務に関する正確な知識が、適切な選択肢を選ぶ鍵となります。
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