管理業務主任者の過去問 平成30年度(2018年) 問3
この過去問の解説 (3件)
予定された賠償額を請求することができます。
上記の証明、立証は不要です。
2:適切です。
実損額が予定賠償額より大きくなっても増額分の請求はできません。
3:不適切です。
通常生ずべき損害の場合は、予見に関係なく損害賠償請求が可能です。
4:適切です。
金銭債務の場合は、支払不履行が不可抗力の理由であっても損害の賠償責任は生じます。
債務不履行に伴う損害賠償の請求の範囲については,条文に目を通しておくか,テキストを確認しておけば済む問題なので,基本的事項のおさらいをしておきましょう。
正しいです。
民法420条1項では「当事者は,債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。」旨規定し,損害賠償額の予定が認められています。
その際,債権者は,債務不履行の事実を証明すれば,予定された賠償額を請求できます(大判大正11年7月26日)。
正しいです。
裁判所は,実際の損害が予定した賠償額よりも過大であったり,過小であったりしたときでも,予定した賠償額を増減することができません(契約自由の原則)。
ただし,債権者に過失があるときは,過失相殺(民法418条)により予定した賠償額を減額することができます(最判平成6年4月21日)。
2020年民法改正前でも,不当に高額な賠償額の予定については、信義則等を理由に、一部または全部が無効とされ、減額されたものがありました。
そもそも,不当に高額な賠償額なのに,裁判所が介入できないのは不当ですし,不当に高額な賠償額であれば,そもそも信義則に照らして契約が無効になる余地があります。
そのような背景があり,2020年民法改正に伴い,後述の民法420条1項後段の規定が削除されました。
出題当時は,「損害賠償額の予定がされている場合,裁判所は,その額を増減することができない」(改正前民法420条1項後段)旨規定されていましたので,その条文知識を受験者が知っているか出題者が試していたものと思われます。
誤りです。
民法416条1項では「債務の不履行に対する損害賠償の請求は,これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。」旨規定し,同条2項では「特別の事情によって生じた損害であっても,当事者がその事情を予見すべきであったときは,請求することができる請求することができる。」旨規定しています。
つまり,通常損害では,予見可能性の有無は問われていません。
予見可能性については,特別損害のときだけ必要ですので,本肢は誤りです。
正しいです。
民法420条3項は「第1項の損害賠償については,債務者は,不可抗力をもって抗弁することができない。」旨金銭債務については,不可抗力を認めていません。
したがって,期日に金銭の支払をできなければ,債務者は,遅滞の責任を負います。
金銭債務については,法定利率によって定めるのが原則ですが,約定利率が法定利率を超えるときは,約定利率による(民法419条1項)点も合わせておさえましょう。
この問題は、債務不履行に伴う損害賠償責任に関する理解を問うものです。
具体的には、損害賠償額の予定、債務不履行による通常損害の賠償請求、金銭債務の不履行に関する責任などが対象となっています。
正しい
解説:損害賠償額が予定されている場合、債権者は損害の発生や損害額を証明する必要なく、予定された賠償額を請求できます。
これは契約当事者間の合意に基づくものです。
正しい
解説:損害賠償額が予定されている場合、債権者は実際の損害額が予定賠償額を上回っていても、賠償額の増額を請求することはできません。
これは、予定賠償額が当事者間の合意に基づくものであるためです。
誤り
解説:通常生ずべき損害については、債務者の予見の有無に関わらず損害賠償請求が可能です。
特別損害の場合のみ、債務者の予見可能性が重要となります。
正しい
解説:金銭債務に関しては、債務者は不可抗力であっても期日に金銭の支払を行わない場合、その不履行により生じた損害の賠償責任を免れません。
これは、金銭債務の特性としての法的規定です。
債務不履行に伴う損害賠償の問題は、契約の合意内容、予定された賠償額の法的扱い、通常損害と特別損害の違い、そして金銭債務の特殊性に関する理解を問います。
特に、損害賠償の予定がある場合、その額についての当事者間の合意が重要であり、予定額を超える実際の損害については、原則として請求できないことを理解する必要があります。
また、金銭債務に関しては、その特性から不可抗力でも損害賠償の責任が発生する点に注意が必要です。
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