管理業務主任者 過去問
令和4年度(2022年)
問5
問題文
Aが死亡した場合における相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、不適切なものはいくつあるか。
ア Aの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。
イ Aの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。
ウ Aの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。
エ Aの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
ア Aの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。
イ Aの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。
ウ Aの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。
エ Aの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
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問題
管理業務主任者試験 令和4年度(2022年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
Aが死亡した場合における相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、不適切なものはいくつあるか。
ア Aの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。
イ Aの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。
ウ Aの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。
エ Aの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
ア Aの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。
イ Aの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。
ウ Aの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。
エ Aの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
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この過去問の解説 (2件)
01
相続に関する問題は積極的に家系図を書きましょう。
なお、肢ア〜エについてそれぞれ解説します。
ア Aの子Bが相続放棄をした場合は、Bの子でAの直系卑属であるCが、Bに代わって相続人となる。
不適切。相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなします(民法939条)。
Aの子Bが初めから相続人ではなかったとするのであれば、Bの子Cも相続人とはなりません。
イ Aの子Dに相続欠格事由が存在する場合は、Dの子でAの直系卑属であるEが、Dに代わって相続人となる。
適切。被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は相続欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となります(民法887条2項)。
ウ Aの遺言によりAの子Fが廃除されていた場合は、Fの子でAの直系卑属であるGが、Fに代わって相続人となる。
適切。被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は相続欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となります(民法887条2項)。
エ Aの子HがAより前に死亡し、さらにHの子でAの直系卑属であるIもAより前に死亡していた場合は、Iの子でAの直系卑属であるJが相続人となる。
適切。被相続人Aの子Hが、相続の開始以前に死亡したとき、又は相続欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子Iがこれを代襲して相続人となります(民法887条2項)。
前項の規定は、代襲者Iが、相続の開始以前に死亡し、又は相続欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用します(民法887条3項)。
したがって、最終的には代襲者Iの子Jがこれを代襲して相続人となります。
【民法887条2項】
被相続人の子が、
(1)相続の開始以前に死亡したとき
又は※1
(2)①相続欠格事由に該当し、
若しくは※1
②廃除によって、
その相続権を失ったときは、
その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない※2。
※1 | 大 | 小
OR |又は |若しくは
AND |並びに |及び
※2全肢において「直系卑属」に関する記述があるのは、この例外規定に当てはまらないことを示すためです。
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02
本問は、代襲相続について基本的な知識を問うものです。
個数問題なので、不正確な知識だと正解できませんが、内容は基本的なものなので正解しておきたい問題です。
代襲相続とは、例えば推定相続人(*)である子(又は兄弟姉妹)が被相続人と同時又は先に死亡して相続開始の時に相続人とならなかった場合に、当該相続人とならなかった者の子が当該相続人とならなかった者に代わって被相続人の相続人となることを言います。
代襲相続が起こるのは、推定相続人が(被相続人の直系卑属である)子である場合と兄弟姉妹である場合だけです。
(*)「推定相続人」とは、被相続人がまだ存命中の相続開始前にはまだ相続人になるかどうかわからないが、現状のままで相続が開始すれば相続人になるはずだという程度の意味です。
民法第887条第2項「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」
民法第889条「次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹
2 第887条第2項の規定は、前項第2号の場合について準用する。」
兄弟姉妹には代襲相続の規定が準用されますが、直系尊属には準用されません。
仮に直系卑属がいない被相続人よりも両親が先に死亡していて祖父母が存命の場合に祖父母が相続人となるのは、第889条第1項第1号が根拠であり、代襲相続ではありません。
また、兄弟姉妹については第887条第2項が準用されますが、第887条第3項は準用されないので、再代襲(簡単に言えば、被相続人の子と孫の両方が先に死亡していて存命の直系卑属がひ孫だった場合に、そのひ孫が代襲相続すること)はありません。
つまり、甥姪までは代襲相続しますが、甥姪の子(男女区別せずに姪孫(てっそん)と言います)が再代襲することはありません。
民法第887条第3項「前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。」
第889条第2項は、この規定を準用していません。
代襲相続は、
①相続開始「以前」に死亡した場合。
②相続欠格の規定に該当した場合。
③廃除の場合。
に生じます。
簡単に言えば、相続開始「以前」の事情により推定相続人が相続人とならない場合に生じます。相続欠格と廃除の事由は、相続開始「以前」の事実です。
つまり、相続開始「以前」の事実及びそれに基づく法的効果が代襲原因になるということです。
相続開始「後」の事実は、代襲原因になりません。つまり、相続放棄は代襲原因になりません。
この理論的な根拠は明快とは言いがたいところがあるので、「以前」「後」という形式で憶えておけば十分でしょう。
アは不適切です。
相続放棄は代襲原因ではありません。相続開始「後」に被相続人Aの子Bが相続放棄をすれば、子Bは初めから相続人でなかったことになりますが、代襲相続は、相続開始「以前」に生じた原因に基づくもので、相続開始「後」の相続放棄は、代襲原因になりません。
民法第887条第2項「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」
民法第891条「次に掲げる者は、相続人となることができない。
(各号略)
」
相続開始「以前」の死亡はもちろん、相続欠格と廃除も相続開始「以前」の事実によるものです。
一方、相続放棄は相続開始「以前」にはできません。常に相続開始「後」になります。
民法第915条第1項本文「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」
民法第938条「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
相続放棄は、家庭裁判所への申述を要する要式行為(一定の法定の形式を履まないと効力を生じない行為)です。その申述ができる期間は「相続の開始があったことを知った時から三箇月」です。
つまり、相続開始前には相続放棄の申述はできませんから、相続開始前の相続放棄は手続的に不可能です。
よって、相続の放棄は必ず相続開始「後」になります。
以上、相続放棄した子Bの子CはAの直系卑属であったとしても、子Bを代襲して被相続人Aの相続人とはなりません。
なお、直系卑属でない者が常に代襲相続人とならないことは、上記第887条第2項ただし書に書いてあります。
イは適切です。
相続欠格は、法が属人的な相続権の剥奪を規定したものと考えることができますが、相続欠格の場合にも代襲相続が生じます。
民法第887条第2項「被相続人の子が、(……)第891条の規定に該当し(……)、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」
民法第891条「次に掲げる者は、相続人となることができない。
(各号略)
」
第891条が相続欠格の規定であり、同条により推定相続人である子が相続権を失った場合、相続権を失った者の子で、被相続人の直系卑属である者が代襲相続人となります。
代襲相続人である孫が同様に相続人とならない場合には、再代襲が生じ更にその子(ひ孫)が代襲相続人になります。
ウは適切です。
廃除は、被相続人の意思による相続権の剥奪を規定したものと考えることができますが、この場合も代襲原因になります。
民法第887条第2項「被相続人の子が、(……)廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。」
廃除により相続権を失った者の子で、被相続人の直系卑属である者が代襲相続人となります。
代襲相続人である孫が同様に相続人とならない場合には、再代襲が生じ更にその子(ひ孫)が代襲相続人になります。
エは適切です。
代襲相続人である直系卑属が相続開始以前にすでに死亡していた場合、再代襲が生じます。つまり、被相続人の子と孫が相続開始以前に死亡していた場合、当該子と孫について相続は開始せず、被相続人の直系卑属であるひ孫について再代襲が生じます。
民法第887条「被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき(……)は、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し(……)た場合について準用する。」
以上、不適切なものはアの1つです。
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