管理業務主任者 過去問
令和4年度(2022年)
問7
問題文
標準管理委託契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
管理業務主任者試験 令和4年度(2022年) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
標準管理委託契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 標準管理委託契約書は、管理組合が管理事務をマンション管理業者に委託する場合を想定しており、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。
- マンション管理業者の管理対象部分は敷地及び共用部分等であるが、専有部分の設備であっても、管理組合が管理を行うとされている場合において、管理組合から依頼があるときには、契約内容にこれを含めることも可能である。
- 管理事務室は、管理組合がマンション管理業者に管理事務を行わせるため、有償で使用させるものとしている。
- 組合員が滞納した管理費等の督促については、弁護士法第72条の規定を踏まえ、債権回収はあくまで管理組合が行うものであることに留意し、マンション管理業者の協力について、事前に協議が整っている場合は、協力内容、費用の負担等に関し、具体的に規定するものとする。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
本問は、標準管理委託契約の内容について基本的知識を網羅的に問うものです。
内容的にはそれほど難しくないので確実に正解しておきたい問題です。
国土交通省のウェブサイトに標準管理委託契約書及び同コメント(標準管理委託契約書の解説です)が掲載されています。一読と言わず精読することをお勧めします。
不動産業:「マンション標準管理委託契約書」及び「マンション標準管理委託契約書コメント」の改訂(令和5年9月11日) - 国土交通省
特に逐条解説的な「コメント」にはぜひとも目を通しておくべきです。
「最も不適切」とは言えません。
標準管理委託契約書は、管理組合が管理業者に、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)」に定める「管理事務」を委託することを前提とした契約書の見本であり、警備業務、防火管理業務などの適正化法に言う「管理事務」でない特別な専門的業務はその守備範囲外です。
標準管理委託契約書コメント1「全般関係」③には、
「この管理委託契約(以下「本契約」という。)では、管理組合が適正化法
第2条第6号に定める管理事務を管理業者に委託する場合を想定している
ため、適正化法第三章に定めるマンション管理計画認定制度及び民間団体
が行う評価制度等に係る業務並びに警備業法に定める警備業務及び消防法
に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。そのため、こ
れらの業務に係る委託契約については、本契約と別個の契約にすることが
望ましい。」
とあります。
適正化法第2乗第6号「管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。」
「最も不適切」とは言えません。
標準管理委託契約書は、あくまでも見本です。
原則的には、管理組合は共用部分の管理を行うために存在し、その管理組合から管理実務を請け負うのが管理業者ですから、標準管理委託契約書の内容は共用部分の管理を対象にしたものです。
これは、共用部分に関すること以外は原則として管理業者の仕事ではないことの法的な根拠であり、共用部分に関しないことについて、管理業者が区分所有者の要望を断る理由となります。実務的には、どこまでが管理業者の仕事(管理事務)の範囲なのかは重要なことです。
しかし、専有部分であっても共用部分と同様に管理組合が管理を行う方が適切な場合(標準管理規約の表現は、「共有部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるとき」となっています)には、その管理を管理組合が行うことにすることは可能(標準管理規約第21条第2項)です。
そして管理組合から委託を受ける管理業者は管理組合の権限に属するものであれば、契約内容として管理事務として請け負うことは可能です。
標準管理委託契約書コメント3「第3条関係」③には、
「管理業者が組合員から専有部分内の設備の修繕等で対応を求められるケースがある。管理業者の管理対象部分は、原則として敷地及び共用部分等であるが、専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分(配管、配線等)は共用部分と一体で管理を行う必要があるため、管理組合が管理を行うとされている場合において、管理組合から依頼があるときに本契約に含めることも可能である。」
とあります。
標準管理規約第21条第2項「専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。」
「最も不適切」です。よってこの肢が正解です。
標準管理委託契約書では、管理事務室の利用は無償です。
標準管理委託契約書第7条第1項「甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等(次項において「管理事務室等」という。)を無償で使用させるものとする。」
標準管理委託契約書コメント7「第7条関係」①には、
「管理事務室等は、通常、管理組合が管理業者に管理事務を行わせるのに不可欠であるため、無償で使用させるものとしている。」
とあります。
なお、仮に有償にしたところで結局その費用は管理委託費用に上乗せされることになります。管理委託費用は消費税が課税されるので、消費税分余計な負担をすることになるわけですから無償で使わせる方が賢明でしょう。
「最も不適切」とは言えません。
まさにその通りで、債権の回収はあくまでも本人かその代行ができる資格のある者、つまり弁護士(又は弁護士法人)が行います(*)。
ですから、標準管理委託契約書においても、督促まではやるがそれ以上は手伝いまでしかやらないということが定めてあります。「それ以上」は弁護士法第72条に違反する行為(いわゆる非弁行為。非弁と略すこともある)になってしまう恐れがあるからです。
標準管理委託契約書コメント11「第11条関係」の①には、
「弁護士法第72条の規定を踏まえ、債権回収はあくまで管理組合が行う
ものであることに留意し、第2項の管理業者の管理費等滞納者に対する督
促に関する協力について、事前に協議が調っている場合は、協力内容(管
理組合の名義による配達証明付内容証明郵便による督促等)、費用の負担等
に関し、具体的に規定するものとする。」
とあります。
弁護士法第72条「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」
(*)特定金銭債権であれば債権回収代行業者(債権管理回収業者。いわゆるサービサー)が回収代行を行うことができますが、マンションの管理費債権は、通常は、特定金銭債権ではありません。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
02
標準管理委託契約書に関する問題です。
適切。本肢の管理委託契約では、管理組合が管理事務を管理業者に委託する場合を想定しているため、以下の業務は管理事務に含まれません(標準管理委託契約書1全般コメント③)。
A以下(a)(b)等に係る業務
(a)適正化法第三章に定めるマンション管理計画認定制度
(b)民間団体が行う評価制度
B (a)警備業法に定める警備業務
(b)消防法に定める防火管理者が行う業務
適切。本肢の通りです。
また、本肢の業務以外にも管理業者によって専有部分内を対象とする業務が想定されますが、費用負担をめぐってトラブルにならないよう、原則として便益を受ける者(ex当該専有部分を所有する組合員)が費用を負担することに留意した契約方法とする必要があります(標準管理委託契約書3条コメント③)。
不適切。管理事務室等は、通常、管理組合が管理業者に管理事務を行わせるのに不可欠であるため、無償で使用させるものとしています(標準管理委託契約書7条コメント①)。
適切。本肢の通りです。
なお、「協力内容」とは具体的に、「管理組合の名義による配達証明付内容証明郵便による督促等」が挙げられています(標準管理委託契約書11条コメント①)。
いずれも関係コメントからの出題ですが、各肢共に基本的な内容です。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問6)へ
令和4年度(2022年) 問題一覧
次の問題(問8)へ