管理業務主任者 過去問
令和4年度(2022年)
問30

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問題

管理業務主任者試験 令和4年度(2022年) 問30 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、修繕積立金を取り崩して充当することができるものとして最も適切なものはどれか。
  • 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当する場合
  • 共用部分の階段のすべり止めに数箇所の剥離(はくり)が生じたため、その補修費に充当する場合
  • 共用部分に係る火災保険料に充当する場合
  • WEB会議システムを用いて理事会を開催するため、パソコン数台を購入する費用に充当する場合

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この過去問の解説 (2件)

01

標準管理規約(単棟型)から、修繕積立金の取り崩しに関する問題です。

選択肢1. 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当する場合

適切。建物の建替え及びマンション敷地売却に係る合意形成に必要となる事項の調査は、修繕積立金から充当されます(標準管理規約28条4号)。

選択肢2. 共用部分の階段のすべり止めに数箇所の剥離(はくり)が生じたため、その補修費に充当する場合

不適切。経常的な補修費は、管理費から充当されます(標準管理規約27条6号)。

選択肢3. 共用部分に係る火災保険料に充当する場合

不適切。共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料は、管理費から充当されます(標準管理規約27条5号)。

選択肢4. WEB会議システムを用いて理事会を開催するため、パソコン数台を購入する費用に充当する場合

不適切。備品費、通信費その他の事務費は、管理費から充当されます(標準管理規約27条4号)。

まとめ

管理費≒生活費、修繕積立金≒貯金のように、日常に置き換えて考えてみると問題が解きやすくなるかもしれません。

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02

本問は、修繕積立金の使途について、標準管理規約(単棟型)の規定の理解を問うものです。管理費と修繕積立金の違いを理解していさえすれば、常識的判断で正答できる問題です。


管理費とは通常の管理に要する費用に充てる金銭のことです。
修繕積立金とは特別の管理に要する費用に充てる金銭のことです。


修繕積立金と管理費は、標準管理規約においては区分経理しなければならないことになっており、それぞれ使途が異なります。

 

標準管理規約(単棟型)第28条第5項「繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。」

 

大雑把に言えば、日常的に発生する経費は管理費、計画的あるいは被災時などの特別な事情により臨時に行うある程度大規模な修繕ないし改良(及びそれにまつわる支出)の費用は修繕積立金と思っておけば概ね合っています。

 

標準管理規約(単棟型)に定める管理費の使途は以下の通りです。

 

標準管理規約(単棟型)第27条「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
一 管理員人件費
二 公租公課
三 共用設備の保守維持費及び運転費
四 備品費、通信費その他の事務費
五 共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
六 経常的な補修費
七 清掃費、消毒費及びごみ処理費
八 委託業務費
九 専門的知識を有する者の活用に要する費用
十 管理組合の運営に要する費用
十一 その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)」

 

なお、第32条に「建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務」「敷地及び共用部分等の変更」がありますが、これは括弧書き「次条に規定する経費を除く。」によって除外されます。


修繕積立金の使途は以下の通りです(第2項及び第3項は、建替えにまつわる話で少々特殊なため省略しました)。

 

標準管理規約(単棟型)第28条「……修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
四 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
(第2項第3項略)
4 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕
積立金をもってその償還に充てることができる。
(第5項略)」

 

標準管理規約及び同コメントは、国交省のサイトに現物があります。

住宅:マンション管理について - 国土交通省

一読とは言わず、精読しておくことをお勧めします。特に逐条解説的なコメントは、しっかり読んでおいた方がいいでしょう。

選択肢1. 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費に充当する場合

「最も適切」です。よってこの肢が正解です。

 

標準管理規約(単棟型)第28条第1項第4号ほぼそのままです。

 

標準管理規約(単棟型)第28条第項第4号「建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査

 

普通に考えれば、建替えは通常の管理ではないので管理費の出番ではないことは判るでしょう。建替えは滅多にあることではありません。
ならば建替えにまつわる費用は修繕積立金から出すというのは理解できると思います。

 

なお、建替え等に係る合意形成というのは建替えの賛否の問題ではありません。賛否の判断の前提としての調査のための費用、つまり賛否の判断のための資料提供を目的とするものです。賛否どちらかに肩入れするわけではありません。
建替えの賛否はその判断資料がなければ判断できませんから、区分所有者全員に対して平等に情報を提供することは、区分所有者全員の利益のためであり、その費用を修繕積立金から出すことは不当ではありません。

選択肢2. 共用部分の階段のすべり止めに数箇所の剥離(はくり)が生じたため、その補修費に充当する場合

「最も適切」ではありません。

 

本肢の補修は、毎年起こるような日常的な損傷の補修です。このような経常的な補修の費用には管理費を充当します。
「経常的」という言葉からも判る通り、日常的にありふれた補修です。
そして軽微な補修はだいたい毎年何かが発生します。
軽微なので費用的には少額であり、管理費でことが足ります。

 

標準管理規約(単棟型)第27条「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
(第1号~第5号略)
六 経常的な補修費
(以下略)」

 

修繕積立金は、計画修繕も含めて、いざという大事な時のための蓄えですから、経常的な補修で減らすわけにはいきません。

選択肢3. 共用部分に係る火災保険料に充当する場合

「最も適切」ではありません。
 

共用部分の火災保険料は管理費を充当します。

 

標準管理規約(単棟型)第27条「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
(第1号~第4号略)
共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
(以下略)」

 

これは毎年掛かる費用であり、経常的な話です。特別の管理とは言えません。
ですから、管理費を充当するのが妥当だとすぐ判ると思います。

選択肢4. WEB会議システムを用いて理事会を開催するため、パソコン数台を購入する費用に充当する場合

「最も適切」ではありません。
 

管理組合の運営に要する費用は管理費を充当します。

 

標準管理規約(単棟型)第27条「管理費は、次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。
(第1号~第9号略)
管理組合の運営に要する費用
(以下略)」

 

理事会の開催というのは組合の経常的な活動であり、建物の計画的又は臨時の修繕等とは性質が違います。
そのための設備等の費用は管理費から出すのがスジというのは理解できると思います。

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