管理業務主任者 過去問
令和4年度(2022年)
問31

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問題

管理業務主任者試験 令和4年度(2022年) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約(単棟型)によれば、適切なものはいくつあるか。

ア  会計担当理事の会計担当の職を解くことは、出席理事の過半数により決することができる。
イ  WEB会議システムを用いて理事会を開催する場合は、当該理事会における議決権行使の方法等を、規約や細則において定めなければならない。
ウ  理事会の議事録については、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事がこれに署名しなければならない。
エ  総会提出議案である収支予算案は、理事の過半数の承諾があるときは、電磁的方法により決議することができる。
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この過去問の解説 (2件)

01

理事会に関する問題です。

なお、肢ア〜エについてそれぞれ解説します。

選択肢2. 二つ

ア  会計担当理事の会計担当の職を解くことは、出席理事の過半数により決することができる。

 

適切。理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事のうちから選任し、又は解任します(標準管理規約35条3項)。

解任された後、会計担当理事は平理事(社員の理事ver.)になります。

理事会で理事そのものを解任できるわけではないので、以下の規定と区別しましょう。

 

【標準管理規約35条2項】

理事及び監事は、総会の決議によって、組合員のうちから選任し、又は解任する。

 

 

イ  WEB会議システムを用いて理事会を開催する場合は、当該理事会における議決権行使の方法等を、規約や細則において定めなければならない。

 

不適切。WEB会議システム等を用いて開催する理事会を開催する場合は、当該理事会における議決権行使の方法等を、規約や細則において定めることも考えられます(標準管理規約53条コメント⑤)。

 

仮に本肢を適切としてしまうと、以下のような状況に発展し、WEB会議システムの推進が妨げられてしまいます。

 

(1) WEB会議システム等を用いて理事会を開催したい

(2) 規約や細則において定めなければならない※(2)は誤った内容です

(3)規約なら特別決議、細則でも普通決議が必要になってしまう

(4)理事会「WEB会議システムは諦めましょう…」

 

 

ウ  理事会の議事録については、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事がこれに署名しなければならない。

 

適切。議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事がこれに署名しなければなりません(標準管理規約53条4項)。

本規定は総会規定を準用しているので、暗記の省エネ化を図りましょう。

 

【標準管理規約49条2項】

議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名しなければならない。

 

 

エ  総会提出議案である収支予算案は、理事の過半数の承諾があるときは、電磁的方法により決議することができる。 

 

不適切。たしかに、以下の承認又は不承認に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができます(標準管理規約53条2項)。

 

17条:専有部分の修繕等

21条:敷地及び共用部分等の管理(ex割れた窓ガラスを同レベルのものに交換する等)

22条:窓ガラス等の改良

 

上記については申請数が多いことが想定され、かつ、申請した組合員にとっては迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法による決議を可能としています(標準管理規約53条コメント⑥)。

 

一方で、収支決算案、事業報告案、収支予算案及び事業計画案については、通常通りに理事会を開催して決議する必要があります(標準管理規約54条1項1号)。

前者に比べると、管理組合にとって重要性の高い内容であるため、理事会できちんと話し合ってもらうことを狙っています。

まとめ

いずれも頻出論点です。

特にWEB会議システムについては、コロナ禍以降に新設された規定です。

誰のために設けられた規定か、各肢の規定だとするとどういう問題に発展し得るか、想像しながら解いてみましょう。

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02

本問は、標準管理規約(単棟型)に定める理事会の議事運営決議に関する知識を問う問題です。
個数問題でしかも選択肢に「なし」があるいやらしい問題です。
さらに重箱の隅を突くような細かい言葉尻に気付かないと正解できないという難問です。

間違えても仕方がないと思いますが、こういう問題が出ることもあるということは気を付けた方がいいでしょう。


標準管理規約及び同コメントは、国交省のサイトに現物があります。

住宅:マンション管理について - 国土交通省

一通りとは言わず、精読しておくことをお勧めします。特にコメントはよく目を通しておきましょう。

 

 

アは適切です。

 

理事長、副理事長、会計担当理事は、理事会において選解任します。
理事会の決議は出席理事の過半数によります。
したがって、会計担当理事の解任は、出席理事の過半数の決議によります。

 

標準管理規約(単棟型)第35条第3項「理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事会の決議によって、理事のうちから選任し、又は解任する。」

 

標準管理規約(単棟型)第51条第2項「理事会は、次に掲げる職務を行う。 
一 規約若しくは使用細則等又は総会の決議により理事会の権限として定められた管理組合の業務執行の決定
二 理事の職務の執行の監督
理事長、副理事長及び会計担当理事の選任及び解任

 

同コメント第51条関係(第2項関係) 
「①管理組合の業務執行の決定だけでなく、業務執行の監視・監督機関としての機能を理事会が有することを明確化するとともに、第35条第3項の規定に基づく理事長等の選任及び解任を含め、理事会の職務について明示した。
理事の互選により選任された理事長、副理事長及び会計担当理事については、本項に基づき、理事の過半数の一致によりその職を解くことができる。

 

標準管理規約(単棟型)第53条
「理事会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。」

 

ちなみに、令和3年の改訂で「解任」の用語が入りました。それ以前は「選任」としかなかったので解任について紛れをなくした改訂です。

「選任」のみの規定しかない場合に解任が可能かが争いとなった最判平成29年12月18日は結論として解任を認めましたが、この判例に合わせた変更だと思います。
なお、第35条第3項と第51条第2項第3号は重複した内容ですが、特に重要な意味があるわけではありません。

 


イは適切ではありません。

 

この肢がこの問題のキモです。
WEB会議室システム等を利用して理事会を開催する場合、議決権行使の方法等を規約や細則で「定めなければならない」わけではありません。

 

標準管理規約(単棟型)第53条コメント

「⑤理事会に出席できない理事に対しては、理事会の議事についての質問機会の確保、書面等による意見の提出や議決権行使を認めるなどの配慮をする必要がある。
また、WEB会議システム等を用いて開催する理事会を開催する場合は、当該理事会における議決権行使の方法等を、規約や第70条に基づく細則において定めることも考えられ、この場合においても、規約や使用細則等に則り理事会議事録を作成することが必要となる点などについて留意する必要がある。」

 

「定めることも考えられ」とは書いてありますが、「定めなければならない」とまでは言っていません
細かい話ですが、こういう出題もあるので、「ねばならない」「ことが/こともできる」という表現の違いは気を付けておいた方がいいです。

 


ウは適切です。


理事会の議事録には、議長(通常は理事長ですが、副理事長などの場合もあります)及び議長が指名した2名の出席理事が署名する必要があります。

 

標準管理規約(単棟型)第53条第4項「議事録については、第49条(第4項を除く。)の規定を準用する。ただし、第49条第2項中「総会に出席した組合員」とあるのは「理事会に出席した理事」と読み替えるものとする。

 

標準管理規約(単棟型)第49条「総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。 
2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名しなければならない。」

 

総会の規定を準用しているので、総会も同じだとついでに憶えておきましょう。

 


エは適切ではありません。

 

理事会は理事が出席して議論することが大前提であり、電磁的方法によることができるのはごく限られた例外だけです(ちなみに、電磁的方法とWEB会議システム等は別のものです(標準管理規約(単棟型)第2条第10号及び第11号))
その例外の中に、総会に上程する収支予算案のような重要議案はありません。

 

標準管理規約(単棟型)第53条第2項「次条第1項第5号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。」

 

同コメント第53条関係

「⑥第2項は、本来、①のとおり、理事会には理事本人が出席して相互に議論することが望ましいところ、例外的に、第54条第1項第5号に掲げる事項については、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法による決議を可能とするものである。」

 

同第54条第1項第5号「第17条、第21条及び第22条に定める承認又は不承認」

 

同第17条「区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)にその旨を申請し、書面又は電磁的方法による承認を受けなければならない。」

 

第21条「……ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
(第2項略)
3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。」

 

同第22条「共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
2 区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面又は電磁的方法による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。」

 

読めば判ると思いますが、組合員からの承認申請を受けて承認又は不承認の応答を行う場合だけです。


以上、適切なものはアとウの2つです。

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