1級管工事施工管理技士の過去問
令和4年度(2022年)
問題A 問7

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問題

1級 管工事施工管理技術検定試験 令和4年度(2022年) 学科試験 問題A 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱の方が大きい。
  • 熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象をいう。
  • 膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合である。
  • 圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

熱に関する問題です。

選択肢1. 気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱の方が大きい。

気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱ではなく定圧比熱の方が大きい

 

比熱は温度を1K 上げるのに必要な熱量[kJ/(kg・K)]です。

定容比熱(Cv)と低圧比熱(Cp)の関係は、気体の場合、次にように表されえますここで、Rはガス常数です。

Cp-Cv=R

選択肢2. 熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象をいう。

熱放射については、問題文通りです

 

熱放射の電磁波は、赤外線が中心で、0.8μm~400μmの波長域です。

ある物体から放出される放射熱量エネルギーは、物体温度の4乗に比例します。

選択肢3. 膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合である。

膨張係数については、問題文が正しい表現です。

 

膨張は固体や液体を加熱したときに、体積が上昇する現象です。

20℃の時の、体積の膨張係数をβ20とし、20℃、t ℃(t>20)、の時のそれぞれの体積を、V20、Vtとすれば、膨張係数β20は、次のように表されます。

 

β20= 1/V20 × { (Vt-V20)/ (t-20) }

 

以上の式から、膨張係数β20は、温度が1℃上昇したときの物質の膨張割合です。

選択肢4. 圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。

圧縮式冷凍サイクルの凝縮温度一定の場合の成績係数は、問題文の通りです。

 

冷凍サイクルの凝縮温度一定の場合のモリエ線図を表すと、概略図で下記のようになります。

成績係数は、成績係数=冷凍効果/圧縮仕事量、で表されます。

図から、蒸発温度を低くしたときには、冷却効果は小さくなり、圧縮仕事は大きくなります。

 

したがって、成績係数は、小さくなります。

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02

熱に関する問題です。

選択肢1. 気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定容比熱の方が大きい。

気体の定容比熱と定圧比熱を比べると、常に定圧比熱の方が大きいため誤りです。

選択肢2. 熱放射とは、物体が電磁波の形で熱エネルギーを放出・吸収する現象をいう。

熱放射は電磁波の形で熱エネルギーを放出したり、吸収したりする現象をいいます。

 

選択肢3. 膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合である。

膨張係数とは、物質の温度が1℃上昇したときに物質が膨張する割合を意味します。

選択肢4. 圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。

冷凍サイクルの成績係数は、凝縮温度と蒸発温度と蒸発温度の差が大きいほど小さくなります。

つまり、大きな温度差を得ようとするほど成績係数は小さくなります。

よって、圧縮式冷凍サイクルでは、凝縮温度が一定の場合、蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなります。

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