2級管工事施工管理技士 過去問
令和4年度(2022年)後期
問16 (2 問10)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和4年度(2022年)後期 問16(2 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

下水道に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 下水道本管に接続する取付管の勾配は、1/100以上とする。
  • 公共下水道は、汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗きょ構造となっている。
  • 段差接合により下水道管きょを接合する場合、原則として副管を使用するのは、段差が1.5m以上の合流管きょ及び汚水管きょである。
  • 下水道本管に放流するための汚水ますの位置は、公道と民有地との境界線付近とし、ますの底部にはインバートを設ける。

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この過去問の解説 (2件)

01

下水道は、雨水や生活排水、し尿などの汚水を環境へ排出する前に無害化処理するために設けられています。雨水と汚水が同じ配管で流れる合流式と、雨水と生活排水などの汚水を分けた分流式があります。

選択肢1. 下水道本管に接続する取付管の勾配は、1/100以上とする。

下水道本管とは、公道の下に埋設されている下水管で、下水の浄化センターまで流すための管をいいます。取付管がつくことで、各家庭の汚水が下水道本管へ流れて無害化処理されます。10‰(パーミル)と表現されている文書がありますが、これは1000分の10という意味ですので、間違えないようにしましょう。

選択肢2. 公共下水道は、汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗きょ構造となっている。

暗渠(あんきょ)構造とは、対語として開渠(かいきょ)構造があり、汚水を環境中に開放してしまうと雑菌の繁殖やにおいのもととなってしまい不衛生な状態となります。そのため、環境中に開放せずに閉じた状態で下水処理場へ汚水や雨水をを送り込むことが必要です

選択肢3. 段差接合により下水道管きょを接合する場合、原則として副管を使用するのは、段差が1.5m以上の合流管きょ及び汚水管きょである。

適当ではありません

段差接合とは、地表面が急勾配である場合、地表面の勾配に従い、間隔を適度に設けてマンホールを設置することで段差を作る接合方法です。段差が60㎝以上となる場合に、マンホール流入の手前に垂直方向にドロップ管(副管)を設け、マンホールの側壁や底部の摩耗を避けるように流下させます。段差は1.5m以上ではなく1.5m以内が望ましいとされています。

選択肢4. 下水道本管に放流するための汚水ますの位置は、公道と民有地との境界線付近とし、ますの底部にはインバートを設ける。

インバートとは、排水桝底部の中央に汚水を流しやすくするために溝を掘ったものをいいます。この溝がないと、何らかの原因で桝が詰まってしまい、衛生面において大きな問題となります。

まとめ

下水道は普段目にすることはないので、実感がわきづらいかもしれませんが、生活には必要不可欠なものですので、身近なものとして覚えておきましょう。

段差接合やインバートについては名称を画像検索することですぐに出ますので、文章だけでなく図もしっかり見ておきましょう。

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02

下水道に関する問題です。

選択肢1. 下水道本管に接続する取付管の勾配は、1/100以上とする。

問題文の内容通りです

 

取付管は、民有地内の排水設備から汚水や雨水を本管に流すために、人誘致と道路境界にあるますと本管を接続する管です。取付け管の施工上の留意点は、以下の通りです。

・布設方向は、本管に対し直角で直線的に布設し、本管尾取り付け部は、本管に対し60度か90度とし、取付間隔は1 m以上離した位置です。

・本管への取付管の接続は、支管を用います。

・取付け管の最小管径は、150 mmです。

・取付管の取付け位置は、本管中心線より上方に取付けます。

取付勾配は、1/100 以上です。

選択肢2. 公共下水道は、汚水を排除すべき排水施設の相当部分が暗きょ構造となっている。

問題文の内容通りです

 

「下水道法第2条(定義)」第3号

公共下水道は、次のいずれかの下水道です。

イ:主に市街地の下水を排除し、あるいは処理するための地方公共団体管理の下水道で、終末処理場を有するもの、あるいは流域下水道に接続するもので、汚水を排除する排水施設の相当部分が、暗渠きょである構造のものです。

 

ロ:主に市街地の雨水だけを排除するために地方公共団体管理の下水道で、河川や他の公共水域か海域に雨水を放流するもの、あるいは流域下水道に接続するものです。 】

選択肢3. 段差接合により下水道管きょを接合する場合、原則として副管を使用するのは、段差が1.5m以上の合流管きょ及び汚水管きょである。

段差接合により下水道管きょを接合する場合、原則として副管を使用するのは、段差が0.6 m以上の合流管きょ及び汚水管きょである

 

管渠の布設で、管きょを接合するときには、次の2つの場合分けがあります。

1. 管きょの管径が変化する場合

水面接合、管頂接合、管底接合、管中心接合などです。

 

2. 地表の勾配が急な場合

段差接合と階段接合があります。

1) 段差接合

地表の勾配に応じて、適当な間隔でマンホールを設け、上流管きょと下流管きょを接合します。

上流管きょと下流管きょの段差は、最大1.5 mとし、段差が0.6 mを超える合流管や汚水管の場合は、副管を設けます。これは、マンホールの点検・清掃を容易にするためです。

下図に概略図を示します。

 

2) 階段接合

階段接合は、大口径管きょか、現場打ち管きょに設けます。管きょの下面に、階段の高さ1段当たり0.3m以内の階段を設けて管きょを下降させます。

 

選択肢4. 下水道本管に放流するための汚水ますの位置は、公道と民有地との境界線付近とし、ますの底部にはインバートを設ける。

問題文の内容通りです

 

家庭の汚水は汚水ますを道路付近に設置し、汚水を流し込む管きょは、道路を掘削し、管きょを埋設します。汚水ますと管きょは、取付管を使って接続します。

従って、汚水ますの位置は、できるだけ公道の近くで、公道と民有地との境界線付近とします。汚水ますは、インバートますとし、汚物が流れやすくするために、底部に半円形の溝のインバートを設けた汚水ますです。

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