貸金業務取扱主任者 過去問
平成27年度(2015年)
問21 (法及び関係法令に関すること 問21)
問題文
貸金業者であるA社は、個人顧客であるBとの間で極度額を50万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結した。A社は、Bとの間で本件基本契約以外の貸付けに係る契約を締結していない。この場合に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
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問題
貸金業務取扱主任者資格試験 平成27年度(2015年) 問21(法及び関係法令に関すること 問21) (訂正依頼・報告はこちら)
貸金業者であるA社は、個人顧客であるBとの間で極度額を50万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)を締結した。A社は、Bとの間で本件基本契約以外の貸付けに係る契約を締結していない。この場合に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
- A社は、Bに対し本件基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限(以下、本問において「貸付限度額」という。)として30万円を提示している場合において、貸付限度額を極度額である50万円に増額するときは、Bの返済能力の調査を行う必要はない。
- A社は、Bに返済能力の低下が認められたことを理由に極度額を20万円に減額した後、Bの返済能力の回復が認められたことにより、極度額を、本件基本契約を締結した時点における極度額である50万円に増額する場合、Bの返済能力の調査を行わなければならない。
- A社は、Bに返済能力の低下は認められないが、Bと連絡することができないために、極度額を一時的に20万円に減額した。その後、A社は、Bと連絡することができたことにより、極度額を50万円に増額する場合、Bの返済能力の調査を行う必要はない。
- A社は、Bとの間の合意に基づき、極度額を100万円に増額した場合、内閣府令で定めるところにより、極度額を増額した年月日及びBの資力に関する調査の結果等の記録を作成し保存しなければならない。
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この過去問の解説 (2件)
01
本設問は極度方式基本契約に関する出題です。
詳細は各設問にて解説します。
貸金業法第13条4項および5項では、「貸金業者は、顧客等と貸付けの契約を締結した場合には、内閣府令で定めるところにより、第一項の規定による調査に関する記録を作成し、これを保存しなければなりません。前各項の規定は、極度方式基本契約の極度額を増額する場合について準用します。」と記載されています。
よって本選択肢の「貸付限度額を極度額である50万円に増額するときは、Bの返済能力の調査を行う必要はない」という箇所が誤りです。
設問の通りです。
貸金業法施行規則第10条の十九では、「法第十三条第五項に規定する内閣府令で定めるものは、極度方式基本契約の相手方と連絡することができないことにより、極度額を一時的に減額していた場合(当該相手方の返済能力の低下による場合を除く。)に、当該相手方と連絡することができたことにより、極度額をその減額の前の額まで増額する場合とします。」と記載されています。つまり、顧客等の返済能力が低下した場合、貸金業法第13条5項で規定されている返済能力の調査をしなければなりません。
設問の通りです。
貸金業法施行規則第10条の十九では、「法第十三条第五項に規定する内閣府令で定めるものは、極度方式基本契約の相手方と連絡することができないことにより、極度額を一時的に減額していた場合(当該相手方の返済能力の低下による場合を除く。)に、当該相手方と連絡することができたことにより、極度額をその減額の前の額まで増額する場合とします。」と記載されています。
設問の通りです。
貸金業法第13条の三ー3では、「貸金業者は、前二項の規定による調査をしなければならない場合において、当該個人顧客に係る第五項に規定する極度方式個人顧客合算額が百万円を超えるときは、当該調査を行うに際し、当該個人顧客から源泉徴収票その他の当該個人顧客の収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けなければなりません。」と記載されています。
極度方式基本契約に関する出題は幅広く出題され、本試験において、問題におけるウェイトも多いため、過去問を繰り返し解いて全問正解できるくらいに練習してください。
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02
極度方式基本契約における極度額の変更と返済能力の調査
貸金業者は、極度方式基本契約に基づく貸付限度額や極度額を変更する際、顧客の返済能力を適切に調査する義務 を負います。
特に、極度額を増額する場合には、顧客の返済能力の調査が必要 であることが重要なポイントです。
貸付限度額を極度額(50万円)に増額する場合、顧客の返済能力の調査が必要です。
極度方式貸付けにおいて、極度額を増額する際には、貸金業法第13条に基づき、顧客の返済能力の再調査が求められます。
選択肢では「返済能力の調査を行う必要はない」とされているが、これは貸金業法の要件に反します。
→ 適切でない
一度返済能力の低下により極度額を20万円に減額した後、再度50万円に増額する場合、返済能力の調査が必要です。
これは、増額により顧客の返済負担が大きくなるため、適正な貸付判断を行うために義務付けられています。
→ 適切
顧客の返済能力の低下がないにもかかわらず、連絡が取れなかったことを理由に極度額を減額した場合、単に元の極度額(50万円)に戻す際には、返済能力の調査は不要です。
返済能力の変動がなく、一時的な措置の解除にすぎないため、法律上の調査義務は発生しません。
→ 適切
極度額を100万円に増額する場合、貸金業法の規定により、資力に関する調査の結果等を記録し、保存する義務があります。
増額に伴い、貸金業者は返済能力の調査を行い、その結果を記録する必要があるため、この記述は正しいです。
→ 適切
選択肢「1」の記述は、 極度額の増額時に返済能力の調査が不要とされているが、実際には調査が必要であるため、適切ではありません。
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