貸金業務取扱主任者 過去問
平成27年度(2015年)
問32 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問32)

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成27年度(2015年) 問32(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

連帯債務に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その返済期日において、すべての連帯債務者に対し、同時に、全部の履行を請求しなければならない。
  • 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因がある場合、他の連帯債務者の債務も無効となり、又は取り消され得る。
  • 連帯債務者の一人と債権者との間に生じた混同は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
  • 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

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この過去問の解説 (2件)

01

本設問は連帯債務に関する出題です。

詳細は各設問にて解説します。

選択肢1. 数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その返済期日において、すべての連帯債務者に対し、同時に、全部の履行を請求しなければならない。

民法436条では、「債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し全部又は一部の履行を請求することができます。」と記載されています。

よって本設問の「請求しなければならない」という箇所が誤りです。

選択肢2. 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因がある場合、他の連帯債務者の債務も無効となり、又は取り消され得る。

民法437条では、「連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられません。」と記載されています。

よって本選択肢の「他の連帯債務者の債務も無効となり、又は取り消され得る」という箇所が誤りです。

選択肢3. 連帯債務者の一人と債権者との間に生じた混同は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

民法440条では、「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなします。」と記載されています。

よって本選択肢の「他の連帯債務者に対してその効力を生じない」という箇所が誤りです。

選択肢4. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

設問の通りです。

まとめ

連帯債務とは、複数人の債務者が連帯して1つの債務を負うことです。つまり、債務は例えば100万円の貸付債務だとした場合、AさんとBさんは本来であれば50万円ずつの債務ですが、連帯債務の場合AさんとBさん両方が100万円の債務を負っています。

上記の考え方を基本に他の問題にも取組んでください。

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02

連帯債務とは

連帯債務とは、複数の債務者が、一つの債務について、それぞれ全額を支払う義務を負うものです。
この場合、債権者は連帯債務者の誰に対しても、全額の支払いを請求できます。
また、一人の連帯債務者が支払えば、他の連帯債務者の債務もなくなります。

選択肢1. 数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その返済期日において、すべての連帯債務者に対し、同時に、全部の履行を請求しなければならない。

連帯債務では、債権者はすべての連帯債務者に同時に請求する必要はありません。

どの連帯債務者に対しても、自由に全額請求できます。
適切ではありません。

選択肢2. 連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因がある場合、他の連帯債務者の債務も無効となり、又は取り消され得る。

連帯債務者の一人に無効や取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務まで無効になるわけではありません。

例えば、A・B・Cが連帯債務者で、Aの契約が取り消されても、BやCの債務はそのまま残ります。
適切ではありません。

選択肢3. 連帯債務者の一人と債権者との間に生じた混同は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

混同とは、債権者と債務者が同一人物になることで、債権と債務が消滅することを指します。
例えば、連帯債務者の一人が債権者に相続されると、その人の債務は消滅します。

民法第435条の2では、連帯債務者の一人が債権者と同一人物になった場合、その者の債務は消滅しますが、他の連帯債務者の債務には影響しないと定められています。

つまり、混同が発生しても、他の連帯債務者は引き続き債務を負担します。
しかし、混同によって消滅した連帯債務者の負担部分については、他の連帯債務者の負担も軽減されます。

適切ではありません。

選択肢4. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する。

連帯債務者の一人が、債権者に対して債権を持っている場合に、その連帯債務者が相殺を援用すれば、相殺の効果はすべての連帯債務者に及びます。

つまり、一人が相殺を主張すれば、全員の債務が消滅します。
適切です。

まとめ

選択肢「4」は、 連帯債務者の一人が相殺を援用した場合、他の連帯債務者にもその効果が及ぶという民法の規定に合致しているため、適切です。

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