貸金業務取扱主任者の過去問
平成27年度(2015年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成27年度(2015年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

相殺に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 金銭債権の債権者は、その債務者に対して特定物の引渡債務を負っている場合において、その金銭債権を自働債権とする当該特定物の引渡債務との相殺の意思表示をしたときは、当該特定物の引渡債務を免れる。
  • 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
  • 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合であっても、その債権の債権者は、その債権を自働債権として相殺をすることはできない。
  • 債権が差押えを禁じたものであるときは、その債権者は、相殺をもってその債務者に対抗することができないが、その債務者は、相殺をもってその債権者に対抗することができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

本設問は相殺に関する出題です。

詳細は各設問にて解説します。

選択肢1. 金銭債権の債権者は、その債務者に対して特定物の引渡債務を負っている場合において、その金銭債権を自働債権とする当該特定物の引渡債務との相殺の意思表示をしたときは、当該特定物の引渡債務を免れる。

民法第505条では、「二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができます。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りではありません。前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができます。」と記載されています。

よって、本選択肢の「その金銭債権を自働債権とする当該特定物の引渡債務との相殺の意思表示」という箇所が誤りです。本選択肢は同種の目的を有する債務ではありません。

選択肢2. 相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。

設問の通りです。

選択肢3. 時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合であっても、その債権の債権者は、その債権を自働債権として相殺をすることはできない。

民法第508条では、「時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができます。」と記載されています。

よって本選択肢の「その債権の債権者は、その債権を自働債権として相殺をすることはできない」という箇所が誤りです。

選択肢4. 債権が差押えを禁じたものであるときは、その債権者は、相殺をもってその債務者に対抗することができないが、その債務者は、相殺をもってその債権者に対抗することができる。

民法510条では、「債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができません。」と記載されています。

よって本選択肢の「相殺をもってその債権者に対抗することができる」という箇所が誤りです。

まとめ

相殺の要件は①同一債務(例:金銭債務と金銭債務)②当該債務の弁済期にきていること③両債権が相殺禁止でないことです。

要件を暗記した上で問題に取組んでください。

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