貸金業務取扱主任者 過去問
平成28年度(2016年)
問36 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問36)
問題文
行為能力に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
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問題
貸金業務取扱主任者資格試験 平成28年度(2016年) 問36(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問36) (訂正依頼・報告はこちら)
行為能力に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
- 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
- 被保佐人が相続の承認又は放棄をするには、その保佐人の同意を得なければならない。
- 制限行為能力者の相手方は、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について、1か月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、これらの者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を取り消したものとみなされる。
- 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
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この過去問の解説 (2件)
01
行為能力とは、自分の意思で有効に法律行為をすることができる能力のことです。
未成年者や判断能力が十分でない人(被保佐人・被補助人など)は、一定の条件のもとで契約などの法律行為を取り消すことができます。
ただし、例外的に制限を受けない場合や、取り消しが認められない場合もあります。
民法第6条によれば、未成年者であっても、親権者や後見人から特定の営業を許可されると、その営業に関する法律行為については成年者と同じ行為能力を持ちます。
つまり、許可された営業に関する契約は、親権者の同意なしに自分だけで行うことができます。
適切な記述です。
被保佐人が相続の承認や放棄をするには、保佐人の同意が必要であり、これは民法第13条第1項第6号の規定に合致しています。
適切な記述です。
民法第20条により、制限行為能力者の相手方は、法定代理人などに対し、行為の追認を求める催告をすることができます。
ただし、「確答を発しない場合は取り消したものとみなされる」という記述は誤りであり、正しくは「追認したものとみなされる」です。
不適切な記述です。
民法第21条により、制限行為能力者が自ら「自分は行為能力者である」と偽るような行為(詐術)を用いた場合、その行為は取り消すことができません。
これは、相手方を欺いた場合には、未成年者保護の原則よりも取引の安全を優先するためです。
適切な記述です。
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02
制限行為能力者の種類とその内容について、基本的事項を理解しましょう。
適切です。
一定の営業許可を受けた未成年者は、その営業に関する行為については、成年者と同様の行為能力を持つとされています。これは、商行為法の規定によるものです。(民法6条1項)。
適切です。
被保佐人が行う法律行為のうち、重要なものについては、保佐人の同意を得なければその行為を行うことができません。(民法13条1項6号)。
適切ではありません。
相手方は、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人、または補助人に対して1か月以上の期間を定めて、取り消すか追認するかを確答するよう催告することができます。
期間内に確答がない場合、その行為は追認されたものとみなされます(民法20条1項)。記述では「取り消したものとみなされる」とされていますが、これは誤りです。
適切です。
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができません(民法21条)。詐術を使った場合、相手方の利益を守るために、制限行為能力者には取り消し権が与えられないということです。
制限行為能力者とは、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人のように、行為能力が制限されている者です。
法定代理人は、未成年者の親など、法律によって代理権を与えられている者をいいます。
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