貸金業務取扱主任者の過去問
平成28年度(2016年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問35

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成28年度(2016年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

手形法及び電子記録債権法に関する次の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 約束手形に、商品の受領と引換えに手形金を支払うべき旨の約束文言が記載されていても、支払日、支払金額及び支払人が記載されていれば、この約束手形は有効である。
  • 確定日払いの約束手形の所持人は、支払をなすべき日又はこれに次ぐ2取引日内に支払のため約束手形を呈示して、約束手形の支払を受けることができる。
  • 電子記録債権の譲渡は、当事者間の合意のみによってその効力を生じるが、譲渡記録をしなければ、これを第三者に対抗できない。
  • 電子記録債権を目的とする質権の設定は、当該電子記録債権の発生記録の引渡しによってその効力を生じるが、質権設定記録をしなければ、これを第三者に対抗できない。

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この過去問の解説 (1件)

01

手形法及び電子記録債権法について、基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. 約束手形に、商品の受領と引換えに手形金を支払うべき旨の約束文言が記載されていても、支払日、支払金額及び支払人が記載されていれば、この約束手形は有効である。

適切ではありません。

 

記述のように「商品の受領と引換えに手形金を支払うべき旨」の条件が付されている場合、それは「単純な支払約束」に該当せず、手形法が定める要件を満たしません。手形は条件付きで発行することが禁止されており、条件が記載されている場合、その手形は無効となります(手形法第1条第2項、第75条第2項)。

選択肢2. 確定日払いの約束手形の所持人は、支払をなすべき日又はこれに次ぐ2取引日内に支払のため約束手形を呈示して、約束手形の支払を受けることができる。

適切です。

 

確定日払いの手形は、支払期日当日から起算して2取引日以内に支払人に呈示する必要があります。この期間内に呈示されなかった場合、所持人は支払の請求権を失う可能性があります(手形法38条1項)。

選択肢3. 電子記録債権の譲渡は、当事者間の合意のみによってその効力を生じるが、譲渡記録をしなければ、これを第三者に対抗できない。

適切ではありません。

 

電子記録債権の譲渡は、当事者間の合意と譲渡記録という2つの要素が揃うことで、初めて第三者に対抗できるようになります。(電子記録債権法17条)。

選択肢4. 電子記録債権を目的とする質権の設定は、当該電子記録債権の発生記録の引渡しによってその効力を生じるが、質権設定記録をしなければ、これを第三者に対抗できない。

適切ではありません。

 

質権の効力を生じさせるためには、当該電子記録債権の発生記録(電子記録)を債権者に引き渡す必要があり、第三者に対抗するためには、質権設定記録を行わなければなりません。質権設定記録がなされない場合、質権の存在を第三者に主張することができません。(電子記録債権法36条1項)。発生記録の引渡しは、質権設定には直接関係ありません。

まとめ

約束手形: 支払を約束する書面で、一定の要件を満たせば、有価証券として機能します。
電子記録債権: 電子的な記録によって権利義務関係を定めた債権です。
譲渡記録: 電子記録債権の譲渡を記録機関に登録することです。
質権設定記録: 電子記録債権を目的とする質権の設定を記録機関に登録することです。

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