貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度(2017年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成29年度(2017年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

保証に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 保証契約は、債権者と保証人となろうとする者との間において、保証契約を締結する旨の口頭の合意がなされることによって、その効力を生じる。
  • 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
  • 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときであっても、保証債務は主たる債務の限度に減縮されない。
  • 貸金等根保証契約とは、保証人が法人であり、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって、その債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるものをいう。

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この過去問の解説 (1件)

01

保証契約では、保証債務の範囲や、保証人の責任について、理解しておきましょう。

選択肢1. 保証契約は、債権者と保証人となろうとする者との間において、保証契約を締結する旨の口頭の合意がなされることによって、その効力を生じる。

適切ではありません。

 

保証契約は、債権者と保証人となる者の間で書面によって行われることが必要であり、これが法律上の有効要件とされています。(民法446条2項)そのため、口頭の合意のみでは保証契約としての効力は生じません。これは、保証契約が第三者に重大な責任を負わせるものであるため、慎重さを確保するための規定です。また、その内容を記録した電磁的記録も書面によってなされたものとみなされます(民法446条3項)。

選択肢2. 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。

適切です。

 

保証債務は、主たる債務に関連する利息、違約金、損害賠償など、その債務に従たるすべての義務を含むものとされています。つまり、保証人は、主債務者が負っている本来の債務に加え、その債務に付随する利息や違約金、損害賠償も含めて全額を保証する責任を負うことになります(民法447条1項)。

選択肢3. 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときであっても、保証債務は主たる債務の限度に減縮されない。

適切ではありません。

 

保証人の負担が主たる債務の目的や態様においてより重い場合、保証人の責任は主たる債務の範囲に制限されるとされています(民法448条)。これは、保証契約において保証人が過度に負担を負わされることを防ぐための規定です。

具体的には、保証人が主債務者よりも不利な条件で保証している場合、その条件を主たる債務の限度まで減縮し、保証人の責任が不公平にならないように保護されます。

選択肢4. 貸金等根保証契約とは、保証人が法人であり、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約であって、その債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるものをいう。

適切ではありません。

 

個人貸金等根保証契約とは、不特定の債務を保証する契約の一形態であり、その主たる債務が金銭の貸付けや手形の割引を受けることによって負担するものであることが特徴です。個人が保証人である場合に限定され、法人は対象外でしたが、民法改正後は個人根保証契約に関する規定が追加されました。

まとめ

保証人は、主債務者が債務を履行できない場合に、主債務者に代わって債務を弁済する義務を負います。このとき、保証人が責任を負う範囲は、主たる債務だけでなく、その債務に付随する全ての債務を含みます。これは、保証人が債務の履行を保証するという契約の性質から当然と言えるでしょう。

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