貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度(2017年)
資金需要者等の保護に関すること 問46

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成29年度(2017年) 資金需要者等の保護に関すること 問46 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、消費者契約法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • 消費者契約とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。事業者とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
  • 事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げたことにより、当該消費者が当該告げられた内容が事実であると誤認をし、それによって当該消費者契約を締結した場合、当該消費者契約は、当該消費者が取消しをしなくても、消費者契約法により無効とみなされる。
  • 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する消費者契約の条項は、無効となる。
  • 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力については、消費者契約法の規定によるほか、民法及び商法の規定による。消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

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この過去問の解説 (1件)

01

消費者契約法について、特に消費者保護という観点から学習していきましょう。

選択肢1. 消費者契約とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。事業者とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。

適切です。

 

具体的には、消費者契約は、消費者と事業者との間で締結される契約を指します(消費者契約法2条3項)。ここで、事業者は次のように定義されています。

・法人その他の団体
・事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合における個人

選択肢2. 事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げたことにより、当該消費者が当該告げられた内容が事実であると誤認をし、それによって当該消費者契約を締結した場合、当該消費者契約は、当該消費者が取消しをしなくても、消費者契約法により無効とみなされる。

適切ではありません。

 

事業者が消費者契約を締結する際に、重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを事実であると誤認して契約を締結した場合、消費者には契約の取消しの権利が認められます(消費者契約法4条1項)。これは、消費者契約法に基づく規定で、消費者が事実誤認に基づいて契約を締結した場合に契約を取り消すことができるためです。

契約が無効になるわけではなく、消費者がその契約を取り消すことによって、その契約は初めから効力を有しないものとされます。

選択肢3. 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する消費者契約の条項は、無効となる。

適切です。

 

消費者契約法において、事業者が消費者に対してその債務不履行により生じた損害を賠償する責任を全部免除するような契約条項は、無効とされます(消費者契約法8条1項1号)。これは、消費者が不利な条件に立たされないように保護するための規定です。

選択肢4. 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力については、消費者契約法の規定によるほか、民法及び商法の規定による。消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し及び消費者契約の条項の効力について民法及び商法以外の他の法律に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

適切です。

 

消費者契約法に規定されていない事項については、民法や商法など、他の関連する法律が適用されます。消費者契約法は消費者保護を目的として特に消費者に有利な規定を定めていますが、それでもすべての状況を網羅しているわけではありません。そのため、消費者契約法でカバーされていない部分については、一般的な民法の規定や商法などが適用されることになります(消費者契約法11条1項)

例えば、消費者契約の申込み・承諾の意思表示の取り消しや契約条項の効力について、消費者契約法に明記されていない場合は、民法の意思表示に関する規定(例えば、意思表示の取り消しや詐欺等による無効)や商法の一般的な規定が適用されることになります(消費者契約法11条2項)。消費者契約法は特別法であり、一般的な法律(民法や商法)が補完する形で適用されるということです。

まとめ

消費者契約法は、消費者の保護を目的として、事業者の行為を規制しています。特に、事業者の不当な勧誘や、消費者を不利にする契約条項については、厳しく取り扱われます。

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