貸金業務取扱主任者の過去問
平成29年度(2017年)
財務及び会計に関すること 問49

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成29年度(2017年) 財務及び会計に関すること 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

企業会計原則(大蔵省企業会計審議会発表)の一般原則に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきであり、重要性の乏しいものについても厳密な会計処理によるものでなければならない。これを一般に真実性の原則という。
  • 企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。これを一般に保守主義の原則という。
  • 企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。これを一般に継続性の原則という。
  • 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。これを一般に単一性の原則という。

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この過去問の解説 (1件)

01

企業会計原則(大蔵省企業会計審議会発表)の一般原則に関して、その種類と内容を理解しておきましょう。

選択肢1. 企業会計は、定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきであり、重要性の乏しいものについても厳密な会計処理によるものでなければならない。これを一般に真実性の原則という。

適切ではありません。

 

「真実性の原則」とは、企業会計において、企業の財政状態や経営成績が実際の状況を正確に反映し、虚偽や誤解を招くような情報を提供しないようにするべきだという原則です。本旨の説明は、「重要性の原則」です。

選択肢2. 企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて適当に健全な会計処理をしなければならない。これを一般に保守主義の原則という。

適切です。

 

「保守主義の原則」とは、企業が財務諸表を作成する際、将来的に不確実なリスクや損失が発生する可能性がある場合、過度に楽観的な見積もりを避け、慎重に処理を行うべきだという原則です。この原則は、企業の財政状態を過大に評価せず、リスクや損失の可能性がある場合には、早期に認識して処理することを推奨します。これは、企業会計におけるリスク管理の一環として、財務報告における信頼性を確保するために重要な役割を果たしています。

選択肢3. 企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない。これを一般に継続性の原則という。

適切です。

 

「継続性の原則」とは、企業が会計処理の原則や手続きを一貫して毎期適用し、みだりに変更しないべきだという原則です。この原則は、財務諸表を作成する際に一貫性を保つことを重視しており、過去の会計処理と比較して、企業の財務状況や業績が適切に評価されるようにするために重要です。継続性の原則に従うことで、投資家や利害関係者は、企業の財務諸表を比較可能にし、企業の経営成績や財政状態の変動要因をより正確に理解できるようになります。また、会計方針や手続きを変更する場合は、変更理由を明確に示し、その影響を開示することが求められます。

選択肢4. 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。これを一般に単一性の原則という。

適切です。

 

「単一性の原則」とは、異なる目的で作成される財務諸表が、すべて信頼性のある会計記録に基づいて作成され、事実の真実な表示をゆがめることなく、会計方針や内容が一貫して適用されるべきだという原則です。具体的には、株主総会のための財務諸表、信用評価のための財務諸表、租税目的のための財務諸表など、異なる目的に応じて別々の財務諸表を作成することがある場合でも、それらは共通の会計基準や原則に従い、事実を正確に反映したものでなければならないということです。政策的な考慮や外部の要請のために事実を歪めることは許されません。

まとめ

企業会計原則の一般原則は、企業会計処理の基礎となる考え方です。これらの原則を理解することで、企業の財務諸表がどのように作成されているのか、その背景にある考え方を知ることができます。

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