貸金業務取扱主任者の過去問
平成30年度(2018年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問31

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 平成30年度(2018年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

債権の効力に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを 1 つだけ選びなさい。
  • 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限が到来した時から遅滞の責任を負う。
  • 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定したときは、解除権の行使をすることができない。
  • 債務者が、債権者を害することを知りながら、財産権を目的とする法律行為を行った場合において、その行為によって利益を受けた受益者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、債権者は、当該財産権を目的とする法律行為の取消しを請求することができない。
  • 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。当該権利が債務者の一身に専属する権利であっても、同様である。

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この過去問の解説 (1件)

01

本問では、貸金業務取扱主任者試験でその約半分を占める民法についての知識を問われています。

難しいですが、民法独特の言い回しとその意味をおさえることによって間違いなく解答できます。

選択肢1. 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限が到来した時から遅滞の責任を負う。

(×)適切でない:債務の履行について不確定期限があるとき、債務者はその期限が到来したことを知った時から遅滞の責任を負うものです。文章は「その期限が到来した時から」とあるため誤りです。

 

なお、不確定期限というのは、その期限がいずれ将来来ることは決まっているものの、その時期が明確に決まっていないものを指します。例えば、死亡保険(死亡があったときに保険金が振り込まれるが、死亡時期は決まっていない)などです。

 

(参照:民法412条2項)

選択肢2. 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定したときは、解除権の行使をすることができない。

(×)適切でない:債務の不履行について、損害賠償の額を予定していた場合でも、履行の請求や解除権の行使を妨げるものではありません。(参照:民法420条2項)

選択肢3. 債務者が、債権者を害することを知りながら、財産権を目的とする法律行為を行った場合において、その行為によって利益を受けた受益者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、債権者は、当該財産権を目的とする法律行為の取消しを請求することができない。

(〇)適切である:文章の通りです。(参照:民法424条1項)

選択肢4. 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。当該権利が債務者の一身に専属する権利であっても、同様である。

(×)適切でない:債権者は自己の債権の保全においては、債務者に属する権利を行使することができます。ですが、当該権利が債務者の一身に専属する権利についてはこの限りではありません。よって、誤りです。

 

なお、「債務者の一身に専属する権利」については、債務者本人だけが行使できる行為(権利)のことを言います。例えば、離婚請求権や生活保護受給権等があります。

 

(参照:民法423条1項)

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