貸金業務取扱主任者の過去問
令和元年度(2019年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問39
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問題
貸金業務取扱主任者資格試験 令和元年度(2019年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
Aが、Bに対して有する貸付金債権(以下、本問において「本件債権」という。)をC及びDに二重に譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを 1 つだけ選びなさい。なお、本件債権について、AとBとの間で譲渡禁止の特約はなされていないものとする。
- AC間の債権譲渡について、BがAに対して確定日付のある証書によらないで承諾をし、Cに対して本件債権の弁済をした後に、AD間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書による通知をし、当該通知がBに到達した。この場合において、Bは、Dから本件債権の弁済を請求されたときは、既にCに弁済したことを主張して、Dに対する弁済を拒絶することはできない。
- AC間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書によらない通知をし、当該通知がBに到達した後に、AD間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書による通知をし、当該通知がBに到達した。この場合、Dは、AD間の債権譲渡をCに対抗することができる。
- AC間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書によらない通知をし、当該通知がBに到達した後に、AD間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書によらない通知をし、当該通知がBに到達した。この場合において、BがDに対して本件債権のすべてを弁済したときは、Bは、Cに対して本件債権の弁済を拒絶することができる。
- AC間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書による通知をし、当該通知がBに到達した後に、AD間の債権譲渡について、AがBに対して確定日付のある証書による通知をし、当該通知がBに到達した。この場合、Cは、AC間の債権譲渡をDに対抗することができる。
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この過去問の解説 (1件)
01
民法における債権譲渡に関する問題です。
[誤り]
債務者Bが債権者Aに対して債務を弁済した後に、AからDへの債権譲渡が行われた場合、既に債権は消滅しているため、Bは新たな債権者Dからの弁済請求に対して拒否する権利があります。
本肢では、BがCへの弁済後にADの債権譲渡通知を受けています。この時点で債権は既に消滅しているため、BはDからの弁済請求を拒絶できます。設問文ではBが弁済を拒絶できないとしているため、この記述は誤りです。
[正しい]
AがBに対して行った二つの通知のうち、後になされたAD間の債権譲渡に関する通知が確定日付のある証書によるものであり、これが法的に優先されます。
確定日付のある証書による通知は、確定日付のない通知よりも法的に強い効力を持ちます。そのため、DはAD間の債権譲渡をCに対抗することができます。
[正しい]
両方の債権譲渡通知が確定日付のある証書によらないものであるため、法的な優先順位が確立されていません。このような状況下では、債務者Bは善意で行動する限り、いずれの譲受人に対して弁済しても有効とされます。
ですので、BがDに対して債務全額を弁済した場合、この弁済は有効であり、Bの債務は消滅したと考えられます。したがって、BはCからの弁済請求に対して、既にDに弁済済みであることを理由に拒絶することができます。
[正しい]
両方の債権譲渡通知が確定日付のある証書によるものであるため、通知の到達時期が重要となります。ですので、複数の譲渡がある場合、確定日付のある証書による通知が債務者に到達した順序で優先順位が決まります。
AC間の債権譲渡通知がBに先に到達しているため、CはDに優先して債権を主張することができます。つまり、CはAC間の債権譲渡をDに対抗できる立場にあります。
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