貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
法及び関係法令に関すること 問14

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 法及び関係法令に関すること 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

みなし利息に関する次のa~dの記述のうち、利息制限法上、その内容が適切なものの組み合わせを1つだけ選びなさい。

a  貸金業者は、顧客との間で締結した営業的金銭消費貸借契約において、金銭の貸付け及び弁済に用いるカードを交付した後、当該顧客の要請を受けて、当該カードを再発行し、再発行に係る手数料(消費税額等相当額を含むものとする。)を当該顧客から受領した。この場合、当該手数料は、利息とみなされる。
b  貸金業者は、顧客との間で締結した営業的金銭消費貸借契約において、口座振替の方法による弁済につき、当該顧客が弁済期に弁済できなかったため、当該顧客の要請を受けて行った再度の口座振替手続に要した費用(消費税額等相当額を含むものとする。)を当該顧客から受領した。この場合、当該費用は、利息とみなされる。
c  貸金業者は、顧客との間で締結した営業的金銭消費貸借契約において、顧客が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料として、20,000円の弁済を受領する際に220円(消費税額等相当額を含むものとする。)を当該顧客から受領した。この場合、当該利用料は、利息とみなされない。
d  貸金業者は、顧客との間で締結した営業的金銭消費貸借契約において、貸金業法第17条第1項に規定する契約の内容を明らかにする書面を交付した後、当該顧客からの紛失による再発行の要請に基づき、当該書面を再発行し、その手数料(消費税額等相当額を含むものとする。)を当該顧客から受領した。この場合、当該手数料は、利息とみなされない。
  • ab
  • ac
  • bd
  • cd

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この過去問の解説 (1件)

01

みなし利息とは、利息以外の名目で徴収される諸経費、手数料を指します。

利息制限法でもとはっきり規定されているので、具体的にどんな項目があてはまるかは確認しましょう。

利息制限法 第三条

前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす。ただし、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。

この条文をもとに、それぞれの選択肢の正誤判定を行います。

a(×)

金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料は利息とみなされない(貸金業法12条の8第1項)。

b(×)

顧客の要請を受けて行った再度の口座振替手続に要した費用は利息とみなされない。

c(〇)

顧客が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料として220円を受け取った場合、利用料は利息とみなされない(利息制限法施行令2条1項)。

d(〇)

債務者の要請により債権者が行う事務の費用として政令で定めるものは、利息とみなされない(貸金業法12条の8第2項)。

これをもとに、選ぶべき組み合わせを絞り込みます。

選択肢1. ab

a(×)

b(×)

c(〇)

d(〇)

であるため、この選択肢は誤り。

選択肢2. ac

a(×)

b(×)

c(〇)

d(〇)

であるため、この選択肢は誤り。

選択肢3. bd

a(×)

b(×)

c(〇)

d(〇)

であるため、この選択肢は誤り。

選択肢4. cd

a(×)

b(×)

c(〇)

d(〇)

であるため、この選択肢が正解となります。

まとめ

例外として認められているものをはっきり覚えておくのも、選択肢の絞り込みには役立ちます。

代表的な「例外として認められているもの」を紹介します。

・債務者に交付されたカードの再発行の手数料

例)ローンカードの再発行の手数料

・公租公課の支払に充てられるべきもの

例)印紙代

・強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきもの

例)強制執行の予納金

・債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る。)

例)ATM手数料(1万円以下の取り扱いにつき110円まで、1万円以上の取り扱いにつき210円まで)

参照:利息制限法第6条

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