貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

相続に関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選びなさい。
  • 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
  • 被相続人の子が、相続の開始以前に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
  • 相続の承認及び放棄は、民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)第1項の期間内は、いつでも撤回することができる。
  • 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の法定相続分は、3分の2であり、兄弟姉妹の法定相続分は3分の1である。

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この過去問の解説 (1件)

01

問題文に出てくる専門用語の意味を整理しておきます。

・相続の承認:相続人が相続をする旨の意思表示をすること。

・相続放棄:相続権を持つ法定相続人が、被相続人の残した財産の一切の相続を拒否すること。

・法定相続分:被相続人(遺産を残して亡くなった人)の財産を相続する場合にあたり、各相続人の取り分として法律上定められた割合。

配偶者は常に相続人になるが、それ以外の家族の場合は立場により異なる。

・第1順位:配偶者1/2、子ども1/2

・第2順位:配偶者2/3、父親・母親など1/3

・第3順位:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

※より順位が上の人がいる場合は、そちらが優先される (つまり、子どもがいるなら父親・母親に法定相続分は認められない)

※同じ順位の人が複数人いる場合は、均等に分ける(つまり、子どもが3人いる場合は、それぞれの法定相続分は1/になる)

なお、一度相続の承認または放棄の意思表示をした場合は、撤回できません。つまり、後になって「実は財産(借金)がたくさんあった」など、有利・不利になる情報が入って来たとしても、一切取消はできないので気を付けてください。これらの情報を踏まえ、それぞれの選択肢について正誤判定を行いましょう。

選択肢1. 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

(〇)

相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる(民法922条)。

→選択肢と何ら矛盾する点はないため、正しい。

選択肢2. 被相続人の子が、相続の開始以前に相続放棄をした場合、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

(×)

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条(欠格事由)の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる(民法887条1項)。相続放棄は含まれていない。

→選択肢と矛盾するため、誤り。

選択肢3. 相続の承認及び放棄は、民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)第1項の期間内は、いつでも撤回することができる。

(×)

相続の承認及び放棄は、相続の承認および放棄すべき期間内でも、撤回することができない(民法919条)。

→選択肢と矛盾するため、誤り。

選択肢4. 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の法定相続分は、3分の2であり、兄弟姉妹の法定相続分は3分の1である。

(×)

配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする(民法900条1項3号)。

→選択肢と矛盾するため、誤り。

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