貸金業務取扱主任者の過去問
令和3年度(2021年)
貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問41

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問題

貸金業務取扱主任者資格試験 令和3年度(2021年) 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問41 (訂正依頼・報告はこちら)

破産法に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • 破産債権とは、破産者に対して破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権に該当しないものをいい、破産債権は、破産法に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。
  • 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権は、財団債権に該当し、破産手続によらないで、破産財団から随時弁済を受けることができる。
  • 別除権とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について行使することができる権利をいい、別除権は、破産手続によらなければ、行使することができない。
  • 破産債権者は、破産手続開始の申立てがあった時より1年以上前に生じた原因に基づき破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

破産法に関する知識を問う問題です。選択肢に出てくるこれらの専門用語の意味をまずはおさらいしましょう。

・破産債権:破産手続開始前の原因によって生じた財産上の請求権であって、財団債権(ざいだんさいけん)に該当しないもの。

具体例)自己破産する前に消費者金融から借りたお金。

・財団債権:破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権。

具体例)破産管財人を引き受けてくれた弁護士に対する報酬。

・別除権:破産財団に属する特定の財産について、破産手続きによらないで、破産債権者よりも先に、債権の満足(取り立てや回収・弁済)を受けることが出来る権利。

具体例)住宅ローンを組む際に設定される抵当権。

・破産債務者:裁判所による破産手続開始決定を受けた債務者。

具体例)自己破産の申立をし、受理された人。

これらの知識を踏まえ、それぞれの選択肢について検討しましょう。

選択肢1. 破産債権とは、破産者に対して破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権に該当しないものをいい、破産債権は、破産法に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。

(〇)

「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう(破産法2条5項)。破産債権は、破産法に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない(破産法100条1項)。

→選択肢と特段矛盾しないため、正しい。

選択肢2. 破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権は、財団債権に該当し、破産手続によらないで、破産財団から随時弁済を受けることができる。

(〇)

破産債権者の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権は財団債権とする(破産法148条1項1号)。

→選択肢と特段矛盾しないため、正しい。

選択肢3. 別除権とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について行使することができる権利をいい、別除権は、破産手続によらなければ、行使することができない。

(×)

「別除権」とは、破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第六十五条第一項の規定により、破産手続によらないで、行使することができる権利をいう(破産法2条9項)。

→選択肢と矛盾するため、誤り。

選択肢4. 破産債権者は、破産手続開始の申立てがあった時より1年以上前に生じた原因に基づき破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

(〇)

破産債権者は、破産手続開始の申立てがあった時より 1 年以上前に生じた原因に基づき破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる(破産法71条2項3号)。

→選択肢と特段矛盾しないため、正しい。

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