貸金業務取扱主任者の過去問
令和4年度(2022年)
法及び関係法令に関すること 問20
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問題
貸金業務取扱主任者資格試験 令和4年度(2022年) 法及び関係法令に関すること 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
株式会社である貸金業者Aが、貸金業法第13条の3に基づき、個人顧客Bとの間で締結している極度方式基本契約(以下、本問において「本件基本契約」という。)について行う、本件基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当するかどうかの調査(以下、本問において「本件調査」という。)等に関する次の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。なお、Aは、Bとの間で本件基本契約以外の極度方式基本契約を締結していないものとする。
- Aは、本件基本契約の契約期間を本件基本契約の締結日から同日以後1か月以内の一定の期日までの期間及び当該一定の期日の翌日以後1か月ごとの期間に区分したそれぞれの期間(以下、本問において「所定の期間」という。)において、直近の所定の期間内にAが行った本件基本契約に基づく極度方式貸付けの金額の合計額が15万円である場合であっても、当該所定の期間の末日における本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高の合計額が5万円であるときは、本件調査を行う必要はない。
- Aは、3か月以内の一定の期間の末日における本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高の合計額が30万円である場合は、本件調査を行わなければならない。
- Aは、本件調査において、BがA以外の貸金業者との間で締結した貸付けに係る契約の貸付残高が60万円、本件基本契約の極度額が50万円かつ本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高が30万円である場合は、Bから、源泉徴収票その他のBの収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるものの提出又は提供を受けているときを除き、その提出又は提供を受けなければならない。
- Aは、3か月以内の一定の期間の末日において、本件基本契約の極度額の減額の措置を講じている場合、当該極度額を減額の措置を講じる前の金額に増額するまでの間は、本件調査を行う必要はない。
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この過去問の解説 (2件)
01
個人顧客を相手方とする基本契約を締結している貸金業者は、その契約が極度方式基本契約に該当するかどうかを調査(途上与信)する必要があります。調査が必要な場合には「貸付状況による調査」と「定期的な調査」がありますが、それぞれ調査不要になる要件をおさえておきましょう。
「貸付状況による調査」は下記双方に該当する場合は不要です。
当該基本契約について、契約後1カ月後の機関の取引状況が
・期間内に行った個別貸付の金額の合計額が5万円超
・期間末日における残高の合計額が10万円超
(他の基本契約に基づく個別貸付の金額を含む)
「定期的な調査」は下記に該当する場合は不要です。
・期間の末日における残高の合計額が10万円以下
・期間末日において、当該基本契約について新たな個別貸付の停止の措置が講じられている
基本契約の極度額の減額の措置を講じているだけでは定期調査の不要要件には当てはまらないので調査が必要です。よって4は誤りです。
適切です。
適切です。
適切です。
不適切です。
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02
貸金業法第13条の3における調査について、基本的事項を理解しましょう。
適切です。
貸金業者はその極度方式基本契約に基づく貸付けに関して、期間内の貸付金額が5万円を超え、期間末日の残高が10万円を超える場合、資金需要者の返済能力などを調査する必要があります(貸金業法施行規則第10条の24)。この調査の対象期間は、契約開始日から1か月の期間を起点とする区分ごとに行われます。
適切です。
3か月以内の一定の期間の末日における本件基本契約に基づく極度方式貸付けの残高の合計額が30万円である場合は、本件調査を行わなければなりません。
適切です。
顧客が他の貸金業者から借入をしている場合、その借入状況も、顧客の返済能力を判断する上で重要な要素となります。このため、顧客から収入や収益に関する資料の提出を求める必要があります。
適切ではありません。
極度額を減額した場合、基準額超過の可能性は低くなりますが、これをもって調査を省略できるものではありません。
貸金業法第13条の3に基づく調査は、顧客の返済能力を適切に評価し、過剰な貸付けを防止するために重要な手続きです。選択肢①のように、残高が基準額を超える可能性がある場合でも、安易に調査を行わないことは、法令違反となる可能性があります。
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