貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問38 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問11)
問題文
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問38(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
- 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたとしても、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- 委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
- 法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。
- 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
民法における「代理」とは、本人に代わって代理人が意思表示を行い、その効果を本人に帰属させる制度を言います。
有効に選任された代理人が行う行為は、本人自身が行ったものとみなされ、権利義務が本人に直接帰属します。
代理が有効に成立するためには
①代理権の授与
②顕名(けんめい)があること(=代理人が本人のためにすることを示すこと)
③代理権の範囲内で行為をしたこと
という3つの要件を満たす必要があります。
例えば、BがAを代理して、Aを貸主、Cを借主とする家の賃貸借契約を締結させたい場合には
①AからBに対する代理権の授与
②BがCに対し、BはAの代理人であり、AのためにCとの間で契約をすることを示し
③賃貸借契約を締結すること
という要件を満たせば、AC間の契約は有効になります。
他方で、たとえば③について、Bが賃貸借ではなく、家をCに売却してしまったような場合は、「代理権の範囲」を超えていますので、③の要件を欠き、代理は有効に成立しません(この場合を「代理権の踰越」といいます)。
内容が適切ではありません。正解肢です。
太字部分が誤りです。
「代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示」は、冒頭の要件②顕名を欠きますので、原則として有効に成立しません。これは、取引の相手方を保護する趣旨です。たとえば、BがAを代理して、Aを貸主、Cを借主とする家の賃貸借契約を締結させたい場合、Bによる顕名がなければ、CはBと取引をしている(Bが貸主である)と思うのが通常かと思います。
しかしBは代理人であり実はAが貸主であるということについてCは予期しえず、予期しない相手方と契約を締結することになってしまいますが、それはCにとって不合理であるので、このようなCを保護する趣旨です。
しかし、もしCが、BはAの代理人であることを知っていた場合、CはAC間の契約となること、Aが契約の相手方であることは予期できますので、Cを保護する必要はありません。
そこで、「相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができた」場合には、顕名を欠いたとしても、意思表示は有効になります(民法100条ただし書き)。
内容が適切です。不正解肢です。
民法104条は「委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。」と定めています。
これは、その人を信用して代理人にしたのに、勝手に他の人を復代理人とされてしまっては本人の信用を損なうことになるため、原則として復代理人を選任できないとした趣旨です。
なお、たとえば成年後見人のような法定代理の場合には、本人の意思によらない代理人の就任であり、また法定代理人の職責にかんがみて、自己の責任で復代理人を選任することができるとされています(民法105条)。
内容が適切です。不正解肢です。
上の解説のとおり、法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができます。この場合において、「やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う」とされます(民法105条)。
内容が適切です。不正解肢です。
民法109条1項本文は、「第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。」と定め、第三者の保護を図っています。
例えば、AがBに対し、本当は代理権を与えていないのにもかかわらず、「Aの家の売買契約の代理権をBに与えた」と周囲に言っていたような場合で、それを信じたCが、Bを代理人としてAC間の売買契約を締結したような場合には、Aはその責任を負う=売買契約が有効になる、ということです。
ただし、上記の場合においてCが、Aが本当はBに代理権を付与していないことを知っていた場合であれば、Cを保護する必要はありません。
そのため、109条1項但し書きは「第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。」と定め、この場合は契約が有効に成立しないことを規定しています。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
代理とは、本人に代わって契約などの法律行為をすることです。
例えば、不動産の売買で、代理人が本人の代わりに契約を結ぶことがあります。
代理には、本人が代理人を選ぶ任意代理と、法律で決められている法定代理の2種類があります。
代理行為が有効になるためには、代理人が「本人のために行う」ことを明示する必要があります。
ただし、場合によっては、明示しなくても代理行為として認められることがあります。
誤りです。
民法99条1項では、「代理人が、本人のためにすることを示さずにした意思表示であっても、相手方が代理人が本人のためにすることを知り、または知ることができた場合、その行為の効果は本人に及ぶ」と定められています。
つまり、代理人が「本人のために」と明示しなかったとしても、相手方がそれを知っていた場合は、本人に効果が及ぶというのが法律の考え方です。
この選択肢では、「本人が追認しなければ本人に効果が及ばない」と書かれていますが、それは誤りです。
適切です。
民法104条1項では、「代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない」と定められています。
これは、本人が直接選んだ代理人が、さらに別の人(復代理人)を勝手に選ぶと、本人にとって不利益になる可能性があるためです。
適切です。
法定代理人(親権者など)は、自己の責任で復代理人を選ぶことができます(民法106条)。
また、やむを得ない事由がある場合には、選任および監督についての責任のみを負うとされています。
たとえば、親権者が子どもの財産管理のために専門家を代理人として選んだ場合、適切な選任と監督をしていれば、その代理人の行為の結果について全面的な責任を負うことはありません。
適切です。
民法109条1項では、「ある人が、第三者に対して他人に代理権を与えたと表示した場合、その代理権の範囲内の行為について責任を負う」と規定されています。
これは「表見代理(ひょうけんだいり)」と呼ばれる制度で、実際には代理権を与えていなかった場合でも、第三者がそれを信じて取引をした場合は、本人にその責任が及ぶとされています。
ただし、第三者が代理権がないことを知っていた場合、または過失によって知らなかった場合は、このルールは適用されません。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問37)へ
令和6年度(2024年) 問題一覧
次の問題(問39)へ