貸金業務取扱主任者 過去問
令和6年度(2024年)
問37 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問10)
問題文
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問題
貸金業務取扱主任者試験 令和6年度(2024年) 問37(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
- 意思表示は、表意者がその真意でないことを知ってしたときは無効であるが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り又は知ることができたときは、表意者は、その無効を主張することができない。
- 相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であるが、この意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
- 契約の解除の意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
- 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
民法における意思表示とは、ある法律効果(例えば売買契約など)を発生させることを目的として、その意思を外部に表示する行為をいいます。
たとえば、コンビニでおにぎりを買いたい(=売買契約を発生させたい)ときに、レジまでおにぎりをもっていくような行為をいいます。
意思表示が有効であれば、契約は有効に成立します。他方で、意思表示が無効になったり、取消事由があったりする場合には、契約は有効になりません。
適切でない選択肢で、正解肢です。
太字部分が誤りです。
表意者がその真意でないことを知ってした意思表示(本当の気持ちとは反対のことを意思表示したような場合)を「心裡留保(しんりりゅうほ)」といいます。
たとえば、大事にしている車をあげる気もないのに、「試験に合格したら車をあげるよ」といった場合です。
民法93条1項は、心裡留保であるときも、「そのためにその効力を妨げられない。」と定めていますので、原則として契約は有効になります。
上記の例でいえば、仮に試験に合格したときに「あげるつもりはなかった」といって、車の贈与を拒否することはできない(車の贈与契約は有効)ということです。契約の相手方を保護する趣旨です。
ただし、93条1項但書は「相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。」と定めています。この場合は、契約の相手方が真意でないことを知っているので、保護する必要がないからです。
上記の例でいれば、贈与者が車をとても大切にしていてあげる気がないことを相手方(受贈者)が知っているような場合です。
このことを贈与者が立証すれば、例外的に意思表示は無効となり、契約は成立しません。
適切な選択肢で、不正解肢です。
「相手方と通じてした虚偽の意思表示」を通謀虚偽表示といいます。
民法94条1項は、通謀虚偽表示を原則として「無効」としています。虚偽の意思表示であるため、契約を成立させる必要がないからです。
例えば、AーB間で家の売買契約をしましたが、これはAが家の固定資産税を逃れたいためBに仮装譲渡した場合で、Bもそれをわかっていたといった場合には、AB間の売買契約は「相手方と通じてした虚偽の意思表示」に該当するため、契約は無効になります。
しかし、もしそれを信じて契約関係に入った第三者がいた場合、この者を保護する必要があります。
例えば上記の例で、Bから家を買って代金を支払ったCがいた場合で、CはAB間の売買が通謀虚偽表示ということを知らなかった場合、AB間の契約が94条1項で無効になってしまったら、CはBから家を購入することができなくなってしまいます。
このようなCを保護するため、94条2項は、「意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」と定め、第三者Cを保護しています。
なお、民法において「善意」とは、知らなかったこと(に過失がないこと)を言います。
上記の例でいえば、CがAB間の意思表示が通謀虚偽表示であることを知らず、知らなかったことに過失がない場合には、「善意の第三者」にあたり、94条2項で保護される結果、意思表示は有効なものとして扱われます。
適切な選択肢で、不正解肢です。
民法97条3項は「意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。」と定めています。
適切な選択肢で、不正解肢です。
民法98条1項は、「意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。」と定めています。
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02
意思表示とは、契約や法律行為を行う際に、自分の意思を相手に伝えることを指します。
民法では、意思表示が有効になる条件や、無効になる場合について細かく規定されています。
例えば、相手と通じて嘘の契約をした場合や、本人の意思が本当ではなかった場合など、さまざまなケースが考えられます。
誤りです。
心裡留保(しんりりゅうほ)とは、表意者(意思表示をした人)が自分の本当の気持ちと違うことを知りながら意思表示をすることです。
民法93条では、心裡留保による意思表示は原則として有効とされています。
ただし、相手方がそれを知っていた場合(または知ることができた場合)は無効になると規定されています。
この選択肢では「無効である」としていますが、原則として有効なので誤りです。
正しいです。
民法94条1項では、相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は無効であると規定されています。
しかし、94条2項では、この無効を善意の第三者に対抗できないとされています。
つまり、契約が嘘であったとしても、それを知らずに信じて取引した第三者は保護されるというルールです。
正しいです。
契約の解除をする意思表示は、表意者が通知を出した後に死亡したり、意思能力を失ったりしても、その効力は影響を受けません(民法9条、520条)。
これは、解除の意思表示が相手に届いた時点で効果が発生するためです。
正しいです。
民法98条では、「意思表示は、相手方の所在が分からない場合、公示の方法で行うことができる」と規定されています。
つまり、相手の住所が分からない場合でも、裁判所の許可を得て公告などの方法で意思表示を行うことができます。
これにより、相手が行方不明であっても、契約解除や重要な通知を行う手段が確保されます。
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