ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和5年度(第26回)
問28 (保健医療サービスの知識等 問3)

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問題

ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 問28(保健医療サービスの知識等 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

検査について適切なものはどれか。3つ選べ。
  • 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。
  • AST(GOT)は、肝臓以外の臓器の疾患でも上昇する。
  • ヘモグロビンA1cは、採血時の血糖レベルを評価するのに適している。
  • 尿検査は、尿路感染症の診断に有効である。
  • CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときに低下する。

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この過去問の解説 (3件)

01

医療で実施される検査は、病気の診断や健康状態の確認などを行うために行われます。

選択肢1. 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。

メタボリックシンドロームの診断では、腹囲や血圧、血糖、脂質を評価します。

 

腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、

内臓脂肪の蓄積による肥満が示唆されます。

 

内臓脂肪の蓄積による肥満は、腹部型の肥満のひとつですので、

これは適切であると考えられます。

選択肢2. AST(GOT)は、肝臓以外の臓器の疾患でも上昇する。

AST(GOT)は、肝臓の細胞に含まれる酵素のひとつです。

 

肝臓の機能を調べるために検査されますが、心筋や骨格筋にも多く含まれており、肝臓以外の臓器の疾患でも上昇することがありますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢3. ヘモグロビンA1cは、採血時の血糖レベルを評価するのに適している。

ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビンと結合したブドウ糖が、

体内のヘモグロビンに対しどのくらいの割合で存在しているかを示したものです。

 

採血時から1〜2ヶ月前の血糖レベルを反映するといわれています。

 

採血時の血糖レベルを評価するには、血糖値を測定します。

選択肢4. 尿検査は、尿路感染症の診断に有効である。

尿検査は、尿に含まれている成分などを調べる検査です。

 

尿路感染症の際には、尿に白血球などがみられ、診断に有効な検査といえますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢5. CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときに低下する。

CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときには上昇します。

まとめ

AST(GOT)やヘモグロビンA1c、CRP(C反応性たんぱく質)は、血液検査で調べます。

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02

利用者の様子がおかしい、不調を訴える場合は、医療機関に受診を勧めます。日頃から本人の疾病を理解しておくことや医療機関との連携に努めましょう。

選択肢1. 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。

適切です。記述の数字は覚えておくようにしましょう。

選択肢2. AST(GOT)は、肝臓以外の臓器の疾患でも上昇する。

適切です。ASTは心臓や筋肉にもあります。

選択肢3. ヘモグロビンA1cは、採血時の血糖レベルを評価するのに適している。

不適切です。採血時の血糖レベルを評価するためには、血糖値の測定を行います。

選択肢4. 尿検査は、尿路感染症の診断に有効である。

適切です。記述の通りです。

選択肢5. CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときに低下する。

不適切です。「低下」ではなく、「上昇」します。

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03

医療検査項目は、病態の把握・異常の早期発見・治療評価に不可欠なものであり、介護支援専門員も概要を理解しておくことが望まれます。

選択肢1. 腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。

日本の診断基準においては、内臓脂肪型肥満(腹部肥満)の指標として、腹囲の基準値が以下のように設定されています。

・男性:85cm以上

・女性:90cm以上
この腹囲の基準を満たしたうえで、高血圧・高血糖・脂質異常のうち2項目以上の異常がある場合、メタボリックシンドロームと診断されます。なお、欧米と異なり、日本では女性の基準が男性よりも高く設定されている点が特徴的です。

選択肢2. AST(GOT)は、肝臓以外の臓器の疾患でも上昇する。

AST(GOT)は、肝臓・心筋・骨格筋などに含まれる酵素であり、これらの組織が損傷したときに血中濃度が上昇します。
したがって、心筋梗塞・筋疾患・激しい運動後などでも上昇することがあり、「肝機能検査項目ではあるが、肝臓に特異的ではない」という点が重要です。
一方、ALT(GPT)はより肝臓特異性が高いため、両者のバランス(AST/ALT比)も診断に活用されます。

選択肢3. ヘモグロビンA1cは、採血時の血糖レベルを評価するのに適している。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)は過去1〜2ヶ月の平均的な血糖コントロールの指標です。つまり、「直近の血糖の変動」ではなく、「中長期的な血糖状態の把握」に適しています。「採血時の血糖状態」を評価するためには、血糖値(空腹時・随時・食後など)を直接測定することが適切です。

 

選択肢4. 尿検査は、尿路感染症の診断に有効である。

尿検査は、尿中の白血球・赤血球・細菌・蛋白・糖などを検出することで、泌尿器系の異常を把握します。特に、尿中白血球(膿尿)や細菌の検出は、尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎など)の診断に極めて有効です。また、高齢者では症状が非典型的(例:発熱がなく、せん妄のみ)なこともあるため、検査所見は重要な情報になります。

選択肢5. CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときに低下する。

CRPは、炎症や感染、組織障害がある際に肝臓で産生され、血中濃度が上昇する急性期タンパク質です。すなわち、「炎症時に上昇する」が正しい知識です。一方、炎症が収束すればCRPは自然に低下しますが、選択肢の文脈では因果関係が逆転しており、不適切な記述です。

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