ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和5年度(第26回)
問32 (保健医療サービスの知識等 問7)
問題文
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問題
ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 問32(保健医療サービスの知識等 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
- 高齢者は、急激な環境の変化があっても、環境への適応力は高い。
- せん妄の有病率は、年齢とともに上昇する。
- せん妄については、その発症に至ったきっかけで除去可能な要因がないか検討する。
- 身体疾患の治療薬の中には、うつなどの精神症状を引き起こすものがある。
- 統合失調症の陰性症状とは、妄想や幻覚をいう。
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この過去問の解説 (3件)
01
ケアマネジメントの対象者は、体調に変化をきたしやすい状況にあるため、
身体的な特徴や疾患についての理解が必要となります。
高齢者は、身体の内部環境の恒常性を維持する機能が低下しているため、
急激な環境の変化に対する適応力は低いものと考えられます。
せん妄は、急性、一過性に経過し、軽度から中等度の意識レベルの低下があり、
様々な認知機能障害や精神症状がみられます。
せん妄の有病率は、年齢とともに上昇するといわれていますので、
これは適切であると考えられます。
発症に至ったきっかけで除去可能な要因がないか検討することは、ケアによる介入が可能となりますので、
適切であると考えられます。
身体疾患の治療薬の中には、うつなどの精神症状を引き起こすものがありますので、
これは適切であると考えられます。
統合失調症の陰性症状には、抑うつや無気力、倦怠感などがあります。
妄想や幻覚は、陽性症状に含まれます。
せん妄の発症には、
高齢であることなどの準備因子、
全身状態をはじめとする直接因子、
環境の変化などの誘発因子の、
3つの因子が関与しているとされています。
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02
高齢者の精神症状について問われています。症状が出た場合は、医療機関への受診だけではなく介護支援専門員として症状が出た原因などを検討することで良い支援に繋がることがあります。
不適切です。環境の変化によって認知症の進行などが見られることがあります。
適切です。記述の通りです。
適切です。せん妄の発症の理由などを知ることによって、適切な支援を行うことができたり、症状が良くなったりすることがあります。
適切です。身体疾患の治療薬であっても副作用等によって精神症状を引き起こすことがあります。
不適切です。妄想や幻覚は陽性症状です。
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03
高齢者支援においては、次の観点が重要です。
・環境変化に対する脆弱性の理解と配慮
・せん妄の発症予防・早期対応
・薬剤の影響に対する注意
・精神疾患の症状の正しい理解(特に統合失調症など)
高齢者は生理的予備能(身体の調整力・回復力)が低下しており、急激な気温変化・住環境の変化・入院・施設入所などに対する適応力が低い傾向があります。このような環境変化は、せん妄・体調不良・精神症状の誘因となることもあります。
せん妄は、高齢者に非常に多く、加齢に伴って脳の脆弱性が増すことで発症しやすくなります。特に入院中・術後・感染時・脱水時・薬剤使用時などに多く見られます。また、認知症がある方は、さらにせん妄のリスクが高まります。
せん妄は、「準備因子」「直接因子」「誘発因子」の多因子モデルで説明されます。
・準備因子:高齢・認知症・脳障害
・直接因子:脱水・低栄養・感染・低酸素
・誘発因子:環境の変化・入院・睡眠障害・薬剤
このように、原因の特定と除去(環境調整・薬剤見直し・身体状態の改善)がせん妄対応の基本です。
ステロイド薬・降圧薬・抗パーキンソン薬・睡眠薬・抗けいれん薬などには、うつ・不安・せん妄・幻覚などの精神症状を引き起こす可能性があります。また、ポリファーマシー(多剤併用)による副作用も高齢者ではリスクとなります。
統合失調症の症状は、以下のように大別されます。
・陽性症状:妄想・幻覚・思考の混乱など
・陰性症状:無気力・感情の平板化・意欲低下・引きこもり
つまり、妄想・幻覚は陽性症状に分類されます。
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