ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和5年度(第26回)
問31 (保健医療サービスの知識等 問6)
問題文
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問題
ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 問31(保健医療サービスの知識等 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
- 認知症施策推進大綱においては、発症を遅らせることを目指している。
- 運動不足の改善は、認知症の予防につながらない。
- 自分の意思で決定できるように支援することが大切である。
- MCI(軽度認知障害)は、すべて認知症に移行する。
- 前頭側頭型認知症の症状の一つとして、物品の名前が出てこない意味性認知症の症状がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
認知症は、脳神経細胞の働きが低下することに伴い、認知機能が低下して、
日常生活に支障を生じる状態です。
認知症施策推進大綱は、令和元年に認知症施策推進関係閣僚会議が取りまとめたものです。
「共生」と「予防」を基本としており、予防の一環として発症を遅らせることを目指していますので、
これは適切であると考えられます
運動不足の改善は、認知症予防に役立つと考えられています。
尊厳をもって生活できるよう、認知症があっても理解できるような説明をし、
自分の意思で決定できるように支援することが大切ですので、
これは適切であると考えられます。
MCI(軽度認知障害)は認知症の前段階であり、
早期に適切な対応することで、認知症への移行を予防することができるといわれています。
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮するために生じる認知症です。
側頭葉の萎縮から、物品の名前が出てこない意味性認知症の症状がみられますので、
これは適切であると考えられます。
前頭側頭型認知症は、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症とならび、
神経変性疾患による認知症に分類されます。
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02
介護支援専門員として、認知症軽度~重度の方の支援は実務として多く出てきます。認知症の症状を理解し、本人の意向を尊重した支援を行います。
適切です。認知症の発症を遅らせることや進行を緩やかにすることを目指しています。
不適切です。運動不足を改善することにより認知症予防につながりますので、体操やウォーキングなどをすることが重要です。
適切です。認知症になっても本人が意思決定をできるように支援をすることが大切です。
不適切です。軽度の段階で治療や予防を行うことで、認知症に移行することを防ぐこともできます。
適切です。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など認知症の種類によって症状は異なりますので、それぞれ覚えておきましょう。
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03
認知症支援では、以下の視点が特に重要です。
・疾患理解(種類・症状の違い)
・発症予防・進行予防(運動・生活習慣・社会参加)
・本人の尊厳の保持と自己決定支援
・MCIの段階での早期介入の重要性
認知症施策推進大綱や、MCI・FTDといった知識は重要になりますので、基本用語とその意味をしっかり整理しておきましょう。
「認知症施策推進大綱(令和元年6月)」は、「共生」と「予防」の2本柱を掲げた国の基本方針です。予防の観点では、「発症そのものの予防または発症を遅らせること」を目指しています。なお、大綱では特に生活習慣の改善・社会参加・運動習慣の重要性が強調されています。
運動習慣の獲得は、認知症予防のエビデンスに基づいた有効な方法の一つです。
・脳血流の促進
・認知機能の維持
・フレイル・うつ・孤立の予防
といった効果があり、MCIからの進行抑制にも有効であると報告されています。
「認知症の人の尊厳の保持と自己決定の尊重」という支援の基本理念にあたります。認知症があっても、わかりやすい説明や環境整備により、本人の意思表明は可能です。ケアマネジャーも、「本人の意向を最優先に支援する」という姿勢が求められます。これは「パーソン・センタード・ケア」の実践でもあります。
MCI(Mild Cognitive Impairment)は、日常生活に大きな支障はないが、加齢に伴う物忘れ以上の認知機能低下がみられる状態です。確かに一部は認知症に移行しますが、全員が移行するわけではありません。
・一部は改善・回復することもある
・生活習慣の改善・社会参加・運動・適切な支援で進行を予防可能とされています。
前頭側頭型認知症(FTD)は、前頭葉や側頭葉が萎縮することで行動・言語の異常を伴う認知症です。側頭葉の萎縮により、語義記憶の障害(意味記憶障害)=意味性認知症(semantic dementia)が生じ、物品の名前が出てこない(失名詞)という症状が現れます。また、行動障害型(人格変化、反社会的行動など)も特徴的です。アルツハイマー型とは異なる進行様式を示すため、鑑別が重要です。
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