ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和5年度(第26回)
問36 (保健医療サービスの知識等 問11)

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問題

ケアマネジャー試験 令和5年度(第26回) 問36(保健医療サービスの知識等 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち適切なものはどれか。2つ選べ。
  • 重症の糖尿病性ケトアシドーシスの患者では、異常な呼吸がみられることがある。
  • 起座呼吸は、気管支喘息の患者にもみられる。
  • 高齢者の肺活量の低下の一因として、肺の残気量の低下がある。
  • 在宅酸素療法において、携帯用酸素ボンベの使用に慣れれば、介護支援専門員の判断で酸素流量を設定してよい。
  • 簡易酸素マスクで酸素流量が不足する場合は、鼻カニューレに交換する。

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この過去問の解説 (3件)

01

高齢者に多くみられる呼吸器疾患には、

肺炎や喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがあります。

選択肢1. 重症の糖尿病性ケトアシドーシスの患者では、異常な呼吸がみられることがある。

糖尿病性ケトアシドーシスは、

インスリン不足のため脂肪の分解が進み、体内にケトン体が増えることで生じます。

 

重症になると、クスマウル呼吸と呼ばれる、深く浅い呼吸がみられるようになります。

 

これは異常呼吸のひとつですので、適切であると考えられます。

選択肢2. 起座呼吸は、気管支喘息の患者にもみられる。

起座呼吸では、

臥位で増強する呼吸困難が起座位など上半身を起こした状態になると軽減します。

 

左心不全などのほか、気管支喘息の患者にもみられますので、

これは適切であると考えられます。

選択肢3. 高齢者の肺活量の低下の一因として、肺の残気量の低下がある。

高齢者の肺活量低下の原因には、

呼吸筋の筋力低下などのほか、肺胞の拡張に伴う残気量の増加があります。

選択肢4. 在宅酸素療法において、携帯用酸素ボンベの使用に慣れれば、介護支援専門員の判断で酸素流量を設定してよい。

在宅酸素療法では、自宅で酸素吸入を行いますが、

酸素流量は、医師が患者の状態に合わせて設定、指示します。

選択肢5. 簡易酸素マスクで酸素流量が不足する場合は、鼻カニューレに交換する。

簡易酸素マスクは、40%前後の酸素濃度が必要な際に用います。

 

鼻カニューレは、さらに低い酸素濃度で対応可能な場合に用います。

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02

自宅で在宅酸素療法を行い、暮らしている方もいます。専用の機器を使用しますので、注意点等をおさえておきましょう。

選択肢1. 重症の糖尿病性ケトアシドーシスの患者では、異常な呼吸がみられることがある。

適切です。他に、脱水、意識障害なども見られます。

選択肢2. 起座呼吸は、気管支喘息の患者にもみられる。

適切です。起座呼吸では、息苦しさにより横になるよりも起座状態の方が楽になります。

選択肢3. 高齢者の肺活量の低下の一因として、肺の残気量の低下がある。

不適切です。肺の残気量の低下ではなく、呼吸筋力の低下などがあります。

選択肢4. 在宅酸素療法において、携帯用酸素ボンベの使用に慣れれば、介護支援専門員の判断で酸素流量を設定してよい。

不適切です。酸素流量は医師が判断します。

選択肢5. 簡易酸素マスクで酸素流量が不足する場合は、鼻カニューレに交換する。

不適切です。酸素流量が不足している方には、鼻カニューレより酸素マスクの方が有効です。

参考になった数6

03

高齢者では、肺炎や喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患が多くみられます。

選択肢1. 重症の糖尿病性ケトアシドーシスの患者では、異常な呼吸がみられることがある。

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、インスリンの不足によって脂肪の分解が進み、血中にケトン体が蓄積することで生じます。この状態になると、体内の酸性度が高まり(代謝性アシドーシス)、これを補正しようとしてクスマウル呼吸という深く速い呼吸が現れます。これは明らかな異常呼吸であり、DKAの重症度を示す重要な所見です。

選択肢2. 起座呼吸は、気管支喘息の患者にもみられる。

起座呼吸とは、横になると呼吸が苦しくなり、上体を起こすと楽になる症状のことです。主に左心不全でみられる症状ですが、重度の気管支喘息やCOPDの患者でも、呼吸困難の軽減を図るために自然と起座位をとることがあります。したがって、この選択肢も正しいといえます。

選択肢3. 高齢者の肺活量の低下の一因として、肺の残気量の低下がある。

高齢になると、呼吸筋の衰えや肺の弾力性の低下により、息を吐き切れずに肺に残る空気(残気量)はむしろ増加します。この残気量の増加が、結果的に肺活量の低下につながるため、「残気量の低下が原因」という記述は誤りです。

選択肢4. 在宅酸素療法において、携帯用酸素ボンベの使用に慣れれば、介護支援専門員の判断で酸素流量を設定してよい。

在宅酸素療法では、酸素の流量は医師の指示に基づいて厳密に管理されます。たとえ使用に慣れていたとしても、ケアマネージャー(介護支援専門員)が独自の判断で酸素流量を変更することは許されていません。

選択肢5. 簡易酸素マスクで酸素流量が不足する場合は、鼻カニューレに交換する。

簡易酸素マスクは、比較的高い酸素濃度(約40%)を必要とする場合に用いられます。一方、鼻カニューレは酸素濃度が20~30%程度の軽度な酸素投与に適した方法です。酸素流量が不足しているときに、より低濃度の鼻カニューレに変更するのは適切ではなく、逆にリザーバーマスクなど、より高濃度の酸素投与が可能な器具に切り替えることが必要です。

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