ケアマネジャー(介護支援専門員) 過去問
令和6年度(第27回)
問24 (介護支援分野 問24)
問題文
その通所介護事業所の職員から、入浴時にAさんの体に直径3cmくらいのあざが数か所あることを見つけ、Aさんが「長男に怒鳴られて、叩かれた」と話していたことについての相談があった。
高齢者虐待防止法を踏まえた介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
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問題
ケアマネジャー(介護支援専門員)試験 令和6年度(第27回) 問24(介護支援分野 問24) (訂正依頼・報告はこちら)
その通所介護事業所の職員から、入浴時にAさんの体に直径3cmくらいのあざが数か所あることを見つけ、Aさんが「長男に怒鳴られて、叩かれた」と話していたことについての相談があった。
高齢者虐待防止法を踏まえた介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。
- 一時的なものと考え、しばらく様子を見ることにする。
- 速やかに市町村に通報する。
- 直ちにAさんが長期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を決める。
- 長男がいない場で、Aさんと今後の介護サービスや対応について話をする機会を設ける。
- 長男に対し、なぜ怒鳴ったり叩いたりしたのかを厳しく問いただす。
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この過去問の解説 (2件)
01
事例から介護支援専門員の対応の正誤を問う問題です。高齢者虐待防止法を踏まえたというところが重要です。
誤り
Aさん本人が「長男に怒鳴られて、叩かれた」と主張していることから、事実確認と本人の安全の確保が最優先事項となります。
そのため、「しばらく様子を見る」という対応は適切ではありません。
正しい
虐待の発見者は速やかに市町村に通報しなければならない、通報の義務があります。
誤り
介護支援専門員が措置を決めることはできません。
虐待の事実確認の後、丁寧かつ迅速な協議を重ねて必要な措置を決めるのは市町村の役割です。
正しい
長男と離れたところでAさんに安心、安全の保障をしたうえで介護サービスや対応を検討することが必要です。
誤り
高齢者虐待防止法では「虐待者への支援」も重要な対応とされています。虐待者を叱責することで更なる虐待発生も想定されます。虐待者を断罪することではなく、虐待の予防、解決、虐待者への支援といった法律の目的と合致していない対応のため適切ではありません。
高齢者虐待防止に関しては事業所に対しても対策を講じることを義務付けています。事業所内での研修の実施や外部研修の受講、虐待対応担当者や責任者の選定も義務付けられているため虐待防止法だけでなく、介護保険法での指定基準や運営基準についてもおさえておきましょう。
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02
80歳の女性であるAさんは、
利用事業所で体のあざを発見され、
長男に叩かれたなどの相談をしていました。
高齢者虐待防止法は、「高齢者虐待の防止、
高齢者の養護者に対する支援等に
関する法律」のことであり、
高齢者虐待の防止や養護者に対する支援等に
関する施策を促進し、
高齢者の権利利益を擁護することを
目的としています。
高齢者虐待防止法第7条によると、
生命又は身体に重大な危険が
生じている場合は、
速やかに市町村に通報しなければなりません。
また、生命又は身体に重大な危険が
生じていない場合も、
速やかに市町村に通報するよう
努めなければなりません
一時的なものと考え、
しばらく様子を見ることは
適切ではないと考えられます。
高齢者虐待防止法第7条によると、
生命又は身体に重大な危険が
生じている場合は、
速やかに市町村に通報しなければなりません。
また、生命又は身体に重大な危険が
生じていない場合も、
速やかに市町村に通報するよう
努めなければなりませんので、
これは適切であると考えられます。
高齢者虐待防止法第10条によると、
市町村は、養護者による高齢者虐待を
受けた高齢者について、
養護を受けるために必要となる居室を
確保するための措置を
講ずるものとなっています。
また同法第14条により、
養護者の支援として必要な場合は
短期間養護を受けるために
必要となる居室を確保するための措置を
講ずるものとなっています。
介護支援専門員が
直ちにAさんが長期間養護を受けるために
必要となる居室を確保するための措置を
決めることは適切ではないと考えられます。
Aさんは、認知機能が低下しておらず、
長男に怒鳴られて、
叩かれたことを自ら相談していることから、
自身のサービスなどについて
判断が可能な状態であると想定されます。
長男がいない場で、
Aさんと今後の介護サービスや対応について
話をする機会を設けることは
適切な対応であると考えられます。
高齢者虐待防止法第6条、第14条によると、
市町村は養護者に対し相談、指導等を
行うこととなっています。
養護者である長男に対する相談援助の過程で、
なぜ怒鳴ったり叩いたりしたのかを
確認する場面が想定されます。
しかし、厳しく問いただすことにより、
効果的な相談援助を
行うことができなくなる可能性があり、
適切ではないと考えられます。
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