2級建築施工管理技士の過去問
令和3年(2021年)後期
3 問24
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問題
2級 建築施工管理技術検定試験 令和3年(2021年)後期 3 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
金属製折板葺の工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 嵌合形折板は、折板を仮葺せずに本締めを行う。
- はぜ締め形折板は、本締めの前にタイトフレームの間を1m程度の間隔で部分締めを行う。
- けらばの変形防止材には、折板の3山ピッチ以上の長さのものを用いる。
- タイトフレームと下地材との接合は、スポット溶接とする。
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この過去問の解説 (2件)
01
金属板葺きの工法の種類や施工上の留意点を理解しましょう。
設問の通りです。
嵌合形折板は、仮葺やボルト締めの必要がありません。
設問の通りです。
設問の通りです。
ケラバとは屋根の妻側の端部のことです。
誤りです。
タイトフレームと下地材との接合は、隅肉溶接とします。
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02
金属製折板葺の取付け方には、はぜ締め・重ね・嵌合(かんごう)があります。
施工方法が違っても、部材は基本同じです。
取付け方の特徴と部材をしっかり覚えましょう。
正しい記述です。
嵌合(かんごう)形とは、屋根材とタイトフレーム接合部分のボルトにキャップをかぶせることで、屋根面にボルトが全く出ない見た目になる工法です。
施工方法ですが、タイトフレームには剣先ボルトという尖ったボルトが付いており、タイトフレームを梁に取付後、屋根材を敷き、工具を使って剣先ボルトを屋根材に貫通させます。
貫通した剣先ボルトの先にナットを取付けて固定し、最後にキャップをかぶせ、ボルトを隠します。
仮葺とは、一般的に折板屋根を施工する際、屋根材を1枚ずつ敷いて固定すると効率が悪いので、一気に屋根材を敷いてから、次に固定・締め付け作業する方法があり、先に屋根材を敷き詰めておくことを仮葺と言います。
施工方法から、嵌合形は穴を空けて固定するので、敷いたタイミングで位置決め・剣先ボルトを貫通させて固定することができます。
逆に、仮葺せずに本締めを行う方が良いということです。
正しい記述です。
折板屋根の山折り部分で2枚の屋根材が重なって噛み合うようになっており、その部分を「はぜ」と呼んでいます。
はぜ締め形とは、タイトフレームに付いている吊子という緊定金具で屋根材2枚を固定し、締め機で屋根材を挟むように締め留める工法です。
特徴として、嵌合や重ねと違い、はぜ締めは屋根材を吊子で固定するので穴を開けませんし、はぜ締めを行うと隙間も出来ないので、雨漏りの心配がありません。
はぜ締めの場合、屋根材を仮葺してから、仮締め・本締めの作業に移行します。
本締めの前に1m程度の間隔で部分締めを行うことで締める位置のズレ、締めの偏りなどを防ぎ、全体を均一に固定することができます。
正しい記述です。
折板屋根におけるけらばとは、タイトフレームの付いていない方向・雨樋の付いていない端部あたりを指します。
タイトフレームが見える側・雨樋の付いている端部あたりは軒(のき)と呼ばれます。
端部の先端をけらば・軒と呼ぶのでなく、端部周辺を指します。(軒先は軒の先端を指す言葉なので、その違いをイメージしてください)
タイトフレームの付いている梁を母屋と呼びますが、折板屋根が大きい為に母屋の間隔が広かったり、風や雪などの荷重が大きくなったりする際に、折板屋根のけらばに変形防止材を取付けます。
屋根の上に、屋根材の流れる方向と垂直になるように変形防止材を取付けることで、たわみ防止になります。
短すぎると変形防止の意味を成さない為、折板の3山ピッチ以上の長さを用いるように定められています。
間違った記述です。
タイトフレームと下地材の接合は原則アーク溶接による隅肉溶接です。
スポット溶接は電極で重ねた母材(下地材)2枚を挟み、加圧しながら短時間で電圧をかけて一点を溶かして接続する方法で、母材を大きく溶かすことがないので母材の歪みが小さいですが、タイトフレームに求める荷重耐力を満たせません。
タイトフレームは屋根材を支えるだけでなく、風や雪の荷重にも耐える必要があります。
強度計算に応じて、タイトフレームは一定長さ以上の隅肉溶接で接合しなければなりません。
金属製折板葺には屋根葺きの種類があって覚えるのが大変かと思いますが、タイトフレームなどの基本的部材は共通しています。
過去問に出てくる重要な用語が部材を指すのか、屋根葺きの種類・違いに関することなのか、区別を付けて覚えていきましょう。
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