2級建築施工管理技士 過去問
令和6年(2024年)前期
問8 (ユニットB 問4)
問題文
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問題
2級建築施工管理技士試験 令和6年(2024年)前期 問8(ユニットB 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
- 柱と梁を接合する接合部に設ける通しダイアフラムは、梁のフランジ厚さと同じ板厚のものを用いる。
- 柱の形式には、形鋼等の単一材をそのまま用いた柱のほか、鋼板を組み合わせた溶接H形断面等の組立て柱がある。
- 合成梁に用いる頭付きスタッドは、鉄骨梁と鉄筋コンクリート床スラブが一体となるように設ける部材である。
-
フィラープレートは、厚さの異なる板をボルト接合する際に、板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材である。
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この過去問の解説 (3件)
01
鉄骨構造に関する問題です!
誤った記述です。
キーワード: 通しダイアフラム、板厚、梁のフランジ
説明: 通しダイアフラムの設計は、梁のフランジ厚さに合わせる必要があるとは限りません。
構造全体の剛性や接合部の力の伝達を考慮し、適切な板厚が選定されます。
正しい記述です。
キーワード: 柱の形式、単一材、組立て柱
説明: 鉄骨構造では、形鋼などの単一材を用いた柱だけでなく、鋼板を組み合わせた溶接H形断面等の組立て柱も用いられています。
正しい記述です。
キーワード: 合成梁、頭付きスタッド
説明: 合成梁では、頭付きスタッドが鉄骨梁と鉄筋コンクリート床スラブを一体にするために配置され、構造の一体性を確保する役割を担っています。
フィラープレートは、厚さの異なる板をボルト接合する際に、板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材である。
正しい記述です。
キーワード: フィラープレート、板厚の差、ボルト接合
説明: フィラープレートは、厚さの異なる板同士をボルト接合する際に、板厚の差による隙間を補正するために用いられる部材です。
各部材の名称と特徴を併せて覚えましょう!
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02
鉄骨構造に関する部材の役割と、設計根拠(考え方)を理解することが大切です。
通しダイアフラムは「柱のウェブ面全体に通す鋼板」で、
梁から柱へ力をしっかり伝えるための部材です。
通しダイアフラムの板厚は、必ずしも梁のフランジの厚さに合わせる必要はありません。
構造全体の強さや接合部にかかる力の流れを考えて、適切な厚さが設計されます。
よって誤った記述となります。
鉄骨の柱には、H形鋼や角形鋼管などの単一部材のほか、
鋼板を溶接して作る組立て柱(溶接H形や箱形など)があります。
よって正しい記述となります。
頭付きスタッドは、鉄骨とコンクリートをしっかり一体化させるための部材で、合成梁の基本構成要素です。
よって正しい記述となります。
フィラープレートは、厚さの異なる板をボルト接合する際に、板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材である。
フィラープレートは、厚さの違う部材をボルトで接合する際の段差を調整する部材です。
ズレやすき間を防ぐために使用されます。
よって正しい記述となります。
「〜と同じ厚さにする」など、決めつける表現には注意しましょう。
構造設計では力に応じて柔軟に設計されます。
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03
鉄骨構造はダイヤフラムやフィラープレート、ガセットプレートなど一般的には聞き慣れない言葉が多いですが、それぞれどんな部分でどのような役割があるかを知ることが大切です。一つずつ確認していきましょう。
不適当な記述です。
少し難しくなるのですが、日本建築学会の鋼構造設計基準の解説の中には、「柱が矩形中空断面で通しダイアフラム形式および内ダイアフラム形式の場合については、はりフランジからの集中力によって生じるダイアフラムのせん断応力度が許容せん断応力度に達しないようにダイアフラムの板厚を選定しなければならない。」(14.13終盤)とあります。フランジからのせん断応力に関して、通常は同じ板厚以上であれば許容せん断応力度に達しないはずですが、問題の記述は「梁のフランジ厚さと同じ板厚のものを用いる」と言い切る形となっていることが不適切と読み取れます。
また、鋼構造設計基準には、「通常は現場では製作上の理由の理由から、はりフランジより1〜2サイズ厚い板厚のダイアフラムが用いられているので前述の条件を満たす場合が多いが、ダイアフラムのせん断断面積が小さい場合、例えば角型鋼管柱においてダイアフラムのスカラップによる断面欠損がある場合などには注意が必要です。」と続いており、同じ板厚のものを用いていれば良いわけではないことがわかります。
試験対策としては通しダイアフラムの板厚は最低でも同じかそれ以上(1〜2サイズ)厚くすると覚えておきましょう。
正しい記述です。
記述の通り、柱の断面が大きくなると「ビルドH」などと呼ばれる鋼板を組み合わせた溶接H形断面の組み立て柱があります
正しい記述です。
合成梁頭付きスタッドは、鉄骨梁に溶接されており、それをコンクリート内に打設することで鉄骨梁と鉄筋コンクリート床スラブが一体(一緒に動く状態)となります。最近ではスタッドではなく焼抜き栓溶接を使うことも多くなりました。
フィラープレートは、厚さの異なる板をボルト接合する際に、板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材である。
正しい記述です。
フィラープレートは厚さの異なる板をボルト接合する際に薄い方の板に添えて、隙間を埋める部材です。英語のfill(満たす、埋める)に由来しています。
学会指針「鋼構造設計基準」や各専門書には用語の定義がないことがほとんどで、各部材名を知っている前提で書かれています。日本建築学会の「構造用教材」に図があったりしますが、部材名は入門書やテキストで確認するのが確実だと思います
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