公立学校教員の過去問
平成29年度(H30年度採用)
共通問題 問10

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成29年度(H30年度採用) 共通問題 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

近代から現代における我が国の教育制度に関する記述として最も適切なものは、次の1~5のうちではどれか。
  • 1872年に、「学事奨励に関する被仰出書」が太政官から布告され、次いで文部省から、中央集権的なフランスの教育制度を参考にし、一般行政区から独立した学区制を採用した近代的教育法規である「学制」が頒布された。
  • 1879年に、既に施行されていたイギリスの義務教育制度を模範として、田中不二麿によって起草された「日本教育令」を基に、中央集権的・画一的な教育制度を打破して、地方分権的な教育制度を採用した、「教育令」が制定公布された。
  • 1886年に、初代文部大臣の森有礼の教育改革構想により、オランダ王国憲章に掲げられている教育の自由の精神を取り入れた、小学校令・中学校令・師範学校令・帝国大学令といった「諸学校令」が制定され、日本の教育の発展の基盤となった。
  • 1941年に、戦時体制に即応するように小学校令から改変された「国民学校令」が制定公布され、小学校の名称を国民学校に変更し、ドイツ国内で統一して設置されていた8年制のギムナジウムに倣い、初等科6年、高等科2年の8年間が義務就学期間とされた。
  • 1947年に、アメリカの第一次米国教育使節団の指示の下、地方分権、独立性の原理を実現するための学制改革を行い、「学校教育法」が公布施行され、教育の機会均等や教科用図書の無償措置の制度化が図られた。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は 1 です。

1:正しい
問題文の通りです。また、教育制度はフランスを参考にしていますが、教授法はアメリカのスコットによる一斉教授法を広めていきました。

2:誤り
「日本教育令」はイギリスではなくアメリカのマレーによるものなので誤りです。

3:誤り
「諸学校令」において森有礼は、教育の自由の精神ではなく、国家による統制を強めているものであるので誤りです。オランダ王国憲章はこの時代のものではないため一致しません。

4:誤り
ギムナジウムとは、ドイツにおける大学進学を前提とした中等教育機関であり、7年制または9年制であり、「国民学校令」で倣ったものではないため誤りです。

5:誤り
第一次米国教育使節団は、調査、勧告を行った程度であり、「学校教育法」を指示していたわけではないので誤りです。

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02

正答は1です。

1:教育制度はフランスを参考にしています。

2:1879年に「日本教育令」が制定されました。アメリカのマレーによる立案です。

3:1886年「諸学校令」が初代文部大臣の森有礼により制定されました。教育の改革は「国家将来ノ治安ヲ図ルノ大主意」に基づくべきであって、そのためには教育のなかに強力な国家目的を貫徹させなければならないというものであり、主に師範教育(教員養成)の改革を最も重視していました。

オランダ王国憲章は1954年で年代も一致せず、関係ないため誤りです。

4:ギムナジウムとは、ドイツにおける大学進学を前提とした中等教育機関です。これは大学教育に接続するためのエリート中等教育で、7年制または9年制があります。「国民学校令」とは関係ないため誤りです。

5:国教育教育使節団は、GHQの要請に基づき、教育改革について勧告するため派遣されました。第一次派遣では「6・3制」と「教育委員会」について勧告をしていますが、「学校教育法」を指示していたわけではないので誤りです。

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03

1.正しい
なぜフランスの教育制度を参考にしたのかは、さまざまな国のさまざまな制度を研究した結果、当時のフランス制度が一番望ましいとしたといわれています。

2.誤り
この教育令はアメリカの影響を強く受けたものです。

3.誤り
初代文部大臣となった森有礼は、日本独自の国体を基本として国家の富強をはかることを目標とし、来るべき立憲体制に即応した国家思想の涵養を国民教育の中核と位置づけ、諸学校令を制定しました。

4.誤り
当時の同盟国であったドイツのフォルクスシューレに倣ったもの。ギムナジウムは大学教育に接続するエリート中等教育機関です。

5.誤り
米国教育教育使節団とは、第二次世界大戦後、占領下日本の教育再建のため、連合国最高司令部(GHQ)の要請に基づいて、アメリカ政府から派遣された使節団です。義務教育諸学校(小学校、中学校、中等教育学校の前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部)においてのみ、教科書用図書の無償措置の制度化が図られました。

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