公立学校教員の過去問
令和元年度(令和2年度採用)
共通問題 問9

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和元年度(R2年度採用) 共通問題 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述ア・イは、学習指導法に関するものである。ア・イと、その名称A〜Eとの組合せとして適切なものは、下の1〜5のうちのどれか。

ア  児童・生徒の自発的、合目的的な活動を中軸に学習を組織する方法である。キルパトリックによって、付随学習の概念も採り入れられたことにより、実験主義的経験教育の方法原理にまで高められた。我が国へは大正後期に導入され、当時の自由主義を基調とする新教育運動に影響を与えた。
イ  ヘルバルトの展開した理論を根拠として、ツィラーとラインが構築した指導法で、19世紀後半の欧米の初等学校における教授上の一大思潮となった。機械的暗記中心の方法に対して心理学に立脚した方法で、実際の授業に一定の規範を与えた。我が国へは明治20年代に導入され、明治30年頃には我が国の教育界に影響を与えた。

A:開発教授法
B:プロジェクト・メソッド
C:五段階教授法
D:モンテッソーリ法
E:ティーム・ティーチング

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は3(ア:B イ:C)です。

ア:プロジェクト・メソッドの説明です。
「児童・生徒の自発的、合目的的な活動を中軸に学習を組織する方法」や提唱者である「キルパトリック」が注目すべきキーワードです。

イ:五段階教授法の説明です。
「ヘルバルトの展開した理論を根拠として、ツィラーとラインが構築した指導法」が注目すべきキーワードです。


A:開発教授法は、ペスタロッチの考えと方法を基にしている、知識や技術を一方的に与えるのではなく、児童の自発性を重んじ生まれつき持っている能力や心性を開発しようとする教育方法です。

B:プロジェクト・メソッドは、20世紀初頭のアメリカの教育学者であるキルパトリックが提唱した、児童・生徒が自ら計画を立て、現実生活の中で問題を解決する実践的活動を重視する学習指導形態です。

C: 五段階教授法は、ヘルバルトの4段階説をもとにツィラーが唱えた、学習の過程は①分析②総合③連合④系統⑤方法の5段階を経て成立するというものです。 ラインは①予備②提示③比較④総括⑤応用の5段階へと改良しました。

D:モンテッソーリ法は、20世紀はじめにモンテッソーリが実践した教育法です。もともと障害児教育の現場で実践されていた教育方法が健常児にも応用され、「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」という考え方に基づいています。

E:ティーム・ティーチングは、ケッペルが教員養成計画の改革案の一つとして考案した、一対多の教授法ではなく複数の教師がそれぞれの専門性を生かしながら授業を実施するという教育方法です。

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02

正答は3(ア:B イ:C)です。

ア:プロジェクト・メソッドの説明です。

イ:五段階教授法の説明です。

補足:
A:開発教授法は、ペスタロッチ主義の考えに基づくものです。子どもの直接経験や学習活動に重きを置く教授法です。

D:モンテッソーリ法は、20世紀はじめにモンテッソーリが実践した教育法です。もともと障害児教育の現場で実践されていたものが、健常児にも応用されるようになりました。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」という考え方に基づいて考案されました。

E:ティーム・ティーチングは、ケッペルが教員養成計画の改革案の一つとして考案した教授法です。従来の一対多の教授法ではなく、複数の教師がそれぞれの専門性を生かしながら授業を行うものです。

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03

A:開発教授法とは、問題や課題を与え、あるいは対話を通じて学習者が自発的にその能力や知的活動を発展させるよう指導する方法になります。

B:プロジェクト・メソッドとは、子どもの自発的、能動的な学習を促すために、子どもが自ら目標設定を行い、計画を立て、実行、評価を行わせる教育方法の一つです。アメリカの W.H.キルパトリックによって提唱され、日本には大正後期に導入されました。

C:五段階教授法とは、教える過程は「分析」「総合」「連合」「系統」「方法」の5段階であると分類した考え方です。ヘルバルト派のツィラーによって提唱され、日本には明治中期に導入されました。

D:モンテッソーリ法とは、子ども達は生まれながらにして自発的に学び始める力を持っており、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意することによって自発的活動を促そうとする教育方法となります。

E:ティーム・ティーチングとは、複数の教師が協力して行う授業方式の1つとなります。それぞれの教師が能力を生かし、必要に応じて学級を解体して協力し合うなど、教師の協力組織による教育方法を言います。

以上より、アはB、イはCとなるため、正答は3となります。

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