公立学校教員の過去問
令和元年度(令和2年度採用)
共通問題 問15

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和元年度(R2年度採用) 共通問題 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

人権課題に関する記述として、「東京都人権施策推進指針〜誰もが幸せを実感できる「世界一の都市・東京」を目指して〜」(東京都 平成27年8月)に照らして適切なものは、次の1〜5のうちのどれか。
  • 人権課題「子供」では、児童虐待や子供たちのいじめ、教師による体罰等が依然として問題となっている。こうした現状に対して、「個人情報保護法」が全面施行され、学校教育を通じて豊かな人間性を育むとともに、「東京都いじめ防止対策推進条例」や「体罰根絶に向けた総合的な対策」に基づいた取組を推進していくとしている。
  • 人権課題「高齢者」では、高齢者への虐待が問題となっているが、虐待を受けた高齢者の中には認知症の症状がみられる場合もあり、介護者への合理的な配慮が求められている。こうした現状に対して、学校教育においては、高齢化の進展を踏まえて、高齢社会に関する基本的な知識、介護、福祉等の課題に関する理解を深める教育を推進していくとしている。
  • 人権課題「障害者」では、物理的なバリア、制度・慣行的なバリア、情報面のバリアを取り除くことが義務付けられている。こうした現状に対して、障害者を含めた全ての人が安全、安心、快適に暮らすことができるよう、ユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを進めていくとしている。
  • 人権課題「インターネットによる人権侵害」では、プライバシーの侵害や、特定の個人を対象とした誹謗・中傷、差別的な表現の書き込み等が深刻な問題となっている。こうした現状に対して、学校教育においては、情報の収集・発信における個人の責任やモラルについて理解させるとともに、インターネットを利用しないよう指導するとしている。
  • 人権課題「ハラスメント」では、職場など様々な場面での、相手を不快にさせる、尊厳を傷付ける、不利益を与えるといった発言や行動が問題となっている。こうした現状に対して、ハラスメントへの対応は組織で取り組むことが大切であり、企業等に対して、職場での相談窓口の設置や研修を行うなど、職場での取組を促すとしている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は5です。

1:人権課題「子供」では「個人情報保護法」についての説明はなされていないため、1は誤りです。

2:人権課題「高齢者」では「介護者への合理的配慮」についての説明はなされていないため、2は誤りです。

3:人権課題「障害者」では、「障害のある人から何らかの配慮を求められた場合、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁(バリア)を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことを求めています」と示されています。
バリアを取り除くことが義務付けられているわけではないため、3は誤りです。

4:人権課題「インターネットによる人権侵害」では、「学校教育においては、インターネットの適切な利用や、情報の収集・発信における個人の責任やモラルについて理解させるとともに、有害情報から子供を守るため学校非公式サイト等の監視等を行い、啓発・指導の充実を図ります」と示されています。
インタネットを利用しないように指導するわけではないため、4は誤りです。

5:人権課題「ハラスメント」にそのように示されているため、5は正解です。

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02

1. 同指針「子供」の章には、「個人情報保護法」の記述はありません。「個人情報保護法」については、「個人情報の流出やプライバシー侵害」という別の人権課題において言及されています。よって、選択肢1は誤りとなります。

2. 同指針「高齢者」の章には、「介護者への合理的配慮」の記述はありません。しかしながら、「介護者を支援していくことが必要」であることについては言及されており、合理的配慮と区別することがポイントとなります。よって、選択肢2は誤りとなります。

3. 「物理的なバリア、制度・慣行的なバリア、情報面のバリアを取り除くことが義務付けられている」ではなく、正しくはこれらのバリアを「取り除くために必要で合理的な配慮を行うことを求めている」となります。よって、選択肢3は誤りとなります。

4. 「インターネットを利用しないよう指導するとしている」ではなく、正しくは「有害情報から子供を守るため学校非公式サイト等の監視等を行い、啓発・指導の充実を図る」が正しい記述となります。よって、選択肢4は誤りとなります。

5. 同指針「ハラスメント」の章より、正しい記述となります。

よって、正答は5となります。

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03

正答は5です。

1:問題文の後半部分は正しいですが、人権課題「子供」において「個人情報保護法」に関する文言は無いため、1は誤りです。

2:問題文の後半部分は正しいですが、人権課題「高齢者」において、「介護者への合理的配慮」に関する文言は無いため、2は誤りです。

3:人権課題「障害者」に、「障害のある人から何らかの配慮を求められた場合、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁(バリア)を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことを求めています」と記載されています。

問題文の後半部分は正しいですが、バリアを取り除くことが義務付けられているのではなく、バリアを取り除くための合理的な配慮が求められているため、3は誤りです。

4:人権課題「インターネットによる人権侵害」に、
「学校教育においては、インターネットの適切な利用や、情報の収集・発信における個人の責任やモラルについて理解させるとともに、有害情報から子供を守るため学校非公式サイト等の監視等を行い、啓発・指導の充実を図ります」と記載されています。

問題文の前半部分は正しいですが、インターネットを利用しないように指導するのではなく、他者の人権への配慮に心がけること、適切な情報セキュリティ対策をとること、情報モラルの遵守などを啓発していくという施策であるため、4は誤りです。

5:人権課題「ハラスメント」の内容に合致するため、5は正答です。

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