給水装置工事主任技術者 過去問
令和2年度(2020年)
問27 (給水装置の構造及び性能 問28)
問題文
ア 末端部が行き止まりとなる配管が生じたため、その末端部に排水機構を設置した。
イ シアンを扱う施設に近接した場所であったため、ライニング鋼管を用いて配管した。
ウ 有機溶剤が浸透するおそれのある場所であったため、硬質ポリ塩化ビニル管を使用した。
エ 配管接合用シール材又は接着剤は、これらの物質が水道水に混入し、油臭、薬品臭等が発生する場合があるので、必要最小限の量を使用した。
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問題
給水装置工事主任技術者試験 令和2年度(2020年) 問27(給水装置の構造及び性能 問28) (訂正依頼・報告はこちら)
ア 末端部が行き止まりとなる配管が生じたため、その末端部に排水機構を設置した。
イ シアンを扱う施設に近接した場所であったため、ライニング鋼管を用いて配管した。
ウ 有機溶剤が浸透するおそれのある場所であったため、硬質ポリ塩化ビニル管を使用した。
エ 配管接合用シール材又は接着剤は、これらの物質が水道水に混入し、油臭、薬品臭等が発生する場合があるので、必要最小限の量を使用した。
- ア:誤 イ:誤 ウ:正 エ:誤
- ア:誤 イ:正 ウ:正 エ:誤
- ア:正 イ:誤 ウ:正 エ:正
- ア:正 イ:誤 ウ:誤 エ:正
- ア:正 イ:正 ウ:誤 エ:正
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この過去問の解説 (2件)
01
それぞれの文章の正誤を考え、その組み合わせを答える問題です。
以下の文章の正誤を考えていきましょう。
ア 末端部が行き止まりとなる配管が生じたため、その末端部に排水機構を設置した。
これは「正しい」記述です。
行き止まり配管だと、水が停滞する構造になってしまうため、そうならないように、末端部に排水機構を設置するようになっています。
イ シアンを扱う施設に近接した場所であったため、ライニング鋼管を用いて配管した。
この記述は「誤り」です。
シアンや六価クロムなど、水を汚染する可能性がある物を貯めておいたり、取り扱う施設には、飲用のための水を供給する給水管や給水用具は設置しないことになっています。
ウ 有機溶剤が浸透するおそれのある場所であったため、硬質ポリ塩化ビニル管を使用した。
この記述は「誤り」です。
「硬質ポリ塩化ビニル管」は、合成樹脂管であり、有機溶剤などに侵されやすい配管です。
なので、有機溶剤が浸透するおそれのある場所には使用できません。
こういう箇所には、金属管(鋼管やステンレス鋼管など)を使用することが推奨されています。
ここでいうところの「有機溶剤が浸透するおそれのある場所」とは、例えば、ガソリンスタンドや自動車整備工場、有機溶剤取り扱い事務所や倉庫などが当たります。
エ 配管接合用シール材又は接着剤は、これらの物質が水道水に混入し、油臭、薬品臭等が発生する場合があるので、必要最小限の量を使用した。
この記述は「正しい」です。
接合用シール材や接着剤は、水道用途に適したものを使用するように言われています。
接着剤、切削油、シール材等が多すぎると、管内に押し込まれ、水道水に混入してしまい、油のにおいや薬品のにおいの原因になります。
本肢が正解です。
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02
適当な組み合わせを選択する問題です。
ア:正
配管の末端部が行き止まりになっていると、その部分で水の流れが滞り、残留塩素の減少や水質の悪化(細菌の増殖、さびの発生など)の原因となります。
これを防ぎ、水質を保持するためには行き止まりの末端部に排水弁などの排水機構を設置し、定期的に滞留水を排出することが望ましいです。
イ:誤
シアン化合物は毒物であり、施設の近接地での漏出や浸透による水道水の汚染を防ぐためには、配管の選定に特に注意が必要です。
ライニング鋼管は内面を腐食から保護するために用いられますが外面に傷がつくと鋼管部分が腐食する可能性があり、周囲のシアンなどの有害物質が配管の外面を浸透したり、接合部から侵入したりする可能性があります。
このような場合は耐食性・耐浸透性に優れるステンレス鋼管など、周囲の汚染物質が浸透しにくい材質の管を使用することが推奨されています。
ウ:誤
硬質ポリ塩化ビニル管は酸やアルカリに対しては強い耐性がありますが、ベンゼン、トルエン、アセトンなどの有機溶剤に対しては材質が侵されやすく、膨潤したり軟化・溶解したりする性質があります。
したがって、有機溶剤が浸透するおそれのある場所で水道水配管として使用することは管自体の劣化や溶剤の浸透による水質汚染のリスクを高めるため、不適当です。
エ:正
配管の接合に使用されるシール材や接着剤には、有機溶剤などが含まれている場合があり、これらが過剰に使用されたり、乾燥が不十分であったりすると、水道水に溶出して油臭、薬品臭(異臭味)を発生させ、水質を悪化させる可能性があります。
そのため、水質汚染を防止する観点からこれらは必要最小限の量を、製造者の指示に従って適切に使用する必要があります。
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