マンション管理士の過去問
平成29年度（2017年）
問37

　マンション管理適正化法103条1項により、「宅地建物取引業者は、自ら売主として人の居住の用に供する独立部分がある建物（新たに建設された建物で人の居住の用に供したことがないものに限る。）を分譲した場合においては、国土交通省令で定める期間内に当該建物又はその附属施設の管理を行う管理組合の管理者等が選任されたときは、速やかに、当該管理者等に対し、当該建物又はその附属施設の設計に関する図書で国土交通省令で定めるものを交付しなければならない。」とされ、同法施行規則102条により、「法103条1項の国土交通省令で定める図書は、①付近見取図、➁配置図、③仕様書（仕上げ表を含む。）、④各階平面図、⑤二面以上の立面図、⑥断面図又は矩計図、⑦基礎伏図、⑧各階床伏図、⑨小屋伏図、⑩構造詳細図、⑪構造計算書である、工事が完了した時点の同項の建物及びその附属施設（駐車場、公園、緑地及び広場並びに電気設備及び機械設備を含む。）に係る図書とする。」とされます。

　つまり、「建築基準法第６条に規定される確認申請に用いた設計図書を交付しなければならない」という部分が、誤りです。

　建築基準法8条2項により、「①特殊建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの、➁①の特殊建築物以外の特殊建築物その他政令で定める建築物で、特定行政庁が指定するもののいずれかに該当する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。ただし、国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する建築物については、この限りでない。」とされ、同条3項により、「国土交通大臣は、前項①又は➁のいずれかに該当する建築物の所有者又は管理者による同項の準則又は計画の適確な作成に資するため、必要な指針を定めることができる。」とされ、建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針により、維持保全の実施体制や資金計画等を定めることとされているので、正しいです。

　長期優良住宅の普及の促進に関する法律6条1項5号ロにより、「所管行政庁は、長期優良住宅建築等計画等の中で一定の認定の申請があった場合において、当該申請に係る長期優良住宅建築等計画又は長期優良住宅維持保全計画が建築後の住宅の維持保全の期間が30年以上であるという基準に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。」とされるので、正しいです。

　住宅の品質確保の促進等に関する法律3条1項により、「国土交通大臣及び内閣総理大臣は、住宅の性能に関する表示の適正化を図るため、日本住宅性能表示基準を定めなければならない。」とされ、日本住宅性能表示基準の評価方法基準により、鉄筋コンクリート造の既存住宅の劣化対策等級の評価基準には、コンクリートの中性化深さ及びコンクリート中の塩化物イオン量が含まれているので、正しいです。