マンション管理士の過去問
令和4年度(2022年)
問7

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問題

マンション管理士試験 令和4年度(2022年) 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

甲マンション101号室の所有者Aが死亡し、Aの相続人である妻Bと子Cは、遺産分割協議中である。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
  • BとCが集会において議決権を行使すべき者一人を定めていないときは、集会を開催するに当たって、集会の招集者は、BとCのいずれか一方に集会の招集通知をすれば足りる。
  • Cが未成年の高校生であったとしても、BとCが合意をすれば、Cを議決権を行使すべき者と定めることができる。
  • BとCが、Bを議決権行使者と定める旨の合意をし、管理組合に議決権行使者をBとする旨の通知をしていない場合であっても、Bは議決権行使者の指定を受けたことを証明することにより、議決権を行使することができる。
  • Cは甲マンション101号室に居住しておらず、Bが同号室に居住している場合で、BとCが、Cを議決権行使者と定める合意をし、Cの住所を記載して書面で通知した場合であっても、規約に特別の定めがあるときは、集会の招集の通知は、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、甲マンション101号室の所有者Aが死亡し、Aの相続人である妻Bと子Cが遺産分割協議中である場合に関する記述の中で、区分所有法及び民法の規定並びに判例により、誤っているものを選ぶものです。それぞれの選択肢について解説します。

選択肢1. BとCが集会において議決権を行使すべき者一人を定めていないときは、集会を開催するに当たって、集会の招集者は、BとCのいずれか一方に集会の招集通知をすれば足りる。

正しい

区分所有法35条2項により、「専有部分が数人の共有に属するときは、集会の招集の通知は、議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の1人)にすれば足りる。」とされています。

選択肢2. Cが未成年の高校生であったとしても、BとCが合意をすれば、Cを議決権を行使すべき者と定めることができる。

正しい

民法5条1項により、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」とされます。この場合、Cが未成年であっても、B(法定代理人)とCが合意をすれば、Cを議決権を行使すべき者と定めることができます。

選択肢3. BとCが、Bを議決権行使者と定める旨の合意をし、管理組合に議決権行使者をBとする旨の通知をしていない場合であっても、Bは議決権行使者の指定を受けたことを証明することにより、議決権を行使することができる。

正しい

区分所有法40条により、「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。」とされます。この場合、BとCがBを議決権行使者と定める旨の合意をし、管理組合に議決権行使者をBとする旨の通知をしていない場合であっても、Bは議決権行使者の指定を受けたことを証明することにより、議決権を行使することができます。

選択肢4. Cは甲マンション101号室に居住しておらず、Bが同号室に居住している場合で、BとCが、Cを議決権行使者と定める合意をし、Cの住所を記載して書面で通知した場合であっても、規約に特別の定めがあるときは、集会の招集の通知は、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。

誤り

区分所有法35条4項により、「建物内に住所を有する区分所有者又は集会の招集の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する集会の招集の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。」とされます。この場合、「Cの住所を記載して書面で通知した」場合は、35条3項により、通知を受けるべき場所にあてて通知をする必要があります。したがって、規約に特別の定めがある場合にも、Cの住所に対して書面で通知する必要があります。

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02

 区分所有法及び民法に関する出題になります。応用的な問題になりますが、事例に即して法律の解釈を問う良問だと思います。

選択肢1. BとCが集会において議決権を行使すべき者一人を定めていないときは、集会を開催するに当たって、集会の招集者は、BとCのいずれか一方に集会の招集通知をすれば足りる。

 区分所有法35条2項により、「専有部分が数人の共有に属するときは、集会の招集の通知は、議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の1人)にすれば足りる。」とされるので、正しいです。

選択肢2. Cが未成年の高校生であったとしても、BとCが合意をすれば、Cを議決権を行使すべき者と定めることができる。

 民法5条1項により、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」とされます。

 つまり、「Cが未成年の高校生であったとしても、BとCが合意をすれば、Cを議決権を行使すべき者と定めることができる。」ということは、正しいです。

選択肢3. BとCが、Bを議決権行使者と定める旨の合意をし、管理組合に議決権行使者をBとする旨の通知をしていない場合であっても、Bは議決権行使者の指定を受けたことを証明することにより、議決権を行使することができる。

 区分所有法40条により、「専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、議決権を行使すべき者1人を定めなければならない。」とされます。

 つまり、「BとCが、Bを議決権行使者と定める旨の合意をし、管理組合に議決権行使者をBとする旨の通知をしていない場合であっても、Bは議決権行使者の指定を受けたことを証明することにより、議決権を行使することができる。」ということは、正しいです。

選択肢4. Cは甲マンション101号室に居住しておらず、Bが同号室に居住している場合で、BとCが、Cを議決権行使者と定める合意をし、Cの住所を記載して書面で通知した場合であっても、規約に特別の定めがあるときは、集会の招集の通知は、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。

 区分所有法35条4項により、「建物内に住所を有する区分所有者又は集会の招集の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する集会の招集の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、集会の招集の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。」とされます。

 つまり、「Cの住所を記載して書面で通知した」場合は、同条3項により、「集会の招集の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、集会の招集の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。」とされるので、誤りになります。

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