管理組合の会計に関する出題です。本試験前に、簿記について勉強をすると良いと思います。
以下が、適切ではないものになります。
ア 令和3年度の収支予算案は、通常総会で承認を得なければなりませんが、年度途中における収支予算の変更は、理事会限りで承認することができます。
イ 令和3年2月の大雪による修繕費を令和2年度の決算処理で未払金に計上しましたが、実際の支払は令和3年4月になるため、この修繕費は令和3年度の収支予算案に入れることになります。
ウ 令和2年度に組合員Aの管理費が未納であったため未収金に計上しましたが、将来不足が生じないように令和3年度の収支予算案に令和2年度未収分を上乗せして管理費を予算化しています。
エ 令和2年度に大規模修繕工事が完了し、今後十数年は大規模修繕が見込まれないため、修繕積立金会計から生じる予定の余剰金を管理費会計の令和3年度収支予算案に繰り入れます。
≪詳細解説≫
ア 令和3年度の収支予算案は、通常総会で承認を得なければなりませんが、年度途中における収支予算の変更は、理事会限りで承認することができます。
標準管理規約(単棟型)58条1項により、「理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。」とされ、同条2項により、「収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。」とされるます。
つまり、「年度途中における収支予算の変更は、理事会限りで承認することができます。」という部分が、適切ではありません。
イ 令和3年2月の大雪による修繕費を令和2年度の決算処理で未払金に計上しましたが、実際の支払は令和3年4月になるため、この修繕費は令和3年度の収支予算案に入れることになります。
以下の仕訳になるため、適切ではありません。
令和2年度 修繕費〇〇〇/未払金〇〇〇
令和3年度 未払金〇〇〇/現金預金〇〇〇
ウ 令和2年度に組合員Aの管理費が未納であったため未収金に計上しましたが、将来不足が生じないように令和3年度の収支予算案に令和2年度未収分を上乗せして管理費を予算化しています。
以下の仕訳になるため、適切ではありません。
令和2年度 未収金〇〇〇/管理費〇〇〇
令和3年度 現金預金〇〇〇/未収金〇〇〇
エ 令和2年度に大規模修繕工事が完了し、今後十数年は大規模修繕が見込まれないため、修繕積立金会計から生じる予定の余剰金を管理費会計の令和3年度収支予算案に繰り入れます。
標準管理規約(単棟型)28条5項により、「修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。」とされます。
つまり、「修繕積立金会計から生じる予定の余剰金を管理費会計の令和3年度収支予算案に繰り入れます。」という部分が、適切ではありません。