マンション管理士の過去問
令和4年度(2022年)
問34
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問題
マンション管理士試験 令和4年度(2022年) 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
甲マンション管理組合の令和2年度と令和3年度の管理費会計比較収支報告書(会計年度は4月から翌年3月まで)は下表のとおりである。これに関し、会計担当理事が理事会で行った次の説明のうち、適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収入金、前払金、未払金、前受金とする。(表中の×××は、金額を表す。)
- 令和3年度の支払保険料が令和2年度より10,000円減少した理由は、令和2年度に令和3年度分の保険料10,000円を前払いしていたためです。
- 令和2年度の水道光熱費は、80,000円でした。
- 令和2年度には組合員Aの管理費の未収が10,000円ありましたが、令和3年度に回収されたため、管理費は10,000円増加しました。
- 令和2年度の次期繰越収支差額は、580,000円でした。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、甲マンション管理組合の令和2年度と令和3年度の管理費会計比較収支報告書のデータを元に、会計担当理事が理事会で行った説明のうち、適切なものを選ぶ問題です。
適切でない
令和3年度の支払保険料が令和2年度より10,000円減少した理由を、令和2年度に令和3年度分の保険料を10,000円前払いしていたためと述べています。
仕訳から見ると、以下の点が確認できます。
令和2年度の仕訳:前払金10,000/支払保険料10,000
これは、令和2年度に令和3年度分の保険料10,000円を前払いしたことを示しています。この場合、前払金(資産)が増加し、支払保険料(費用)も同額増加します。
令和3年度の仕訳:現金預金10,000/前払金10,000
これは、令和3年度に前払いしていた保険料10,000円が実際に支払われたことを示しています。この場合、前払金(資産)は減少し、現金預金(資産)も同額減少します。
この仕訳から、選択肢1の記述は令和2年度に令和3年度分の保険料が前払いされ、令和3年度にこれが現金預金から支払われた場合の会計処理を正確に捉えています。
しかし、これだけでは令和3年度の支払保険料が令和2年度より10,000円減少した理由が説明できていないことがわかります。前払いによる会計処理は、支払保険料(費用)自体の額に直接の影響を与えないためです。
したがって「適切でない」と判断できます。
適切
① 令和3年度前期繰越収支差額の計算
令和3年度前期繰越収支差額=630,000円(次期繰越収支差額)−70,000円(当期収支差額)=560,000円
② 令和2年度次期繰越収支差額の確認
令和2年度次期繰越収支差額=560,000円(令和3年度前期繰越収支差額)
③ 令和2年度当期収支差額の計算
令和2年度当期収支差額=560,000円(次期繰越収支差額)−510,000円(前期繰越収支差額)=50,000円
④ 令和2年度支出合計の計算
令和2年度支出合計=400,000円(収入合計)−50,000円(当期収支差額)=350,000円
⑤ 令和2年度水道光熱費の計算
令和2年度水道光熱費=350,000円(支出合計)−230,000円(委託業務費)−40,000円(支払保険料)=80,000円
この計算結果から「令和2年度の水道光熱費は、80,000円でした」は適切であると判断できます。
適切でない
仕訳を用いてこの選択肢の妥当性を考えてみます。
令和2年度の仕訳:未収入金10,000/管理費10,000
これは、組合員Aからの管理費が未収であることを示しています。この場合、管理費収入は増加しますが、未収入金(資産)も増加します。
令和3年度の仕訳:現金預金10,000/未収入金10,000
これは、組合員Aから未収であった管理費10,000円が回収されたことを示しています。この場合、未収入金(資産)は減少し、現金預金(資産)は増加します。
この仕訳から、記述は組合員Aの未収管理費が回収された場合の会計処理を正確に捉えています。しかし、この処理は管理費の増加を説明していません。未収管理費が回収された場合、現金預金は増加しますが、管理費自体(収益)の額には影響を与えません。
したがって「適切でない」と判断できます。
適切でない
① 令和3年度前期繰越収支差額の計算
令和3年度前期繰越収支差額=630,000円(次期繰越収支差額)−70,000円(当期収支差額)=560,000円
② 令和2年度次期繰越収支差額の確認
令和2年度当期収支差額=560,000円(次期繰越収支差額)−510,000円(前期繰越収支差額)=50,000円
「令和2年度の次期繰越収支差額は、580,000円でした」と述べていますが、計算結果から見ると、令和2年度の次期繰越収支差額は560,000円であることが確認できます。
したがって「580,000円」という値は不正確であり「適切でない」と判断できます。
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02
管理組合の会計に関する出題です。簿記の知識があれば得点源になる分野ですので、本試験前に、簿記について勉強をすると良いと思います。
以下の仕訳になるため、適切ではありません。
令和2年度 前払金10,000/支払保険料10,000
令和3年度 現金預金10,000/前払金10,000
適切です。以下、問題文の「×××」を埋めていきます。
①令和3年度前期繰越収支差額560,000=次期繰越収支差額630,000-当期収支差額70,000
➁令和2年度次期繰越収支差額560,000=令和3年度前期繰越収支差額
③令和2年度当期収支差額50,000=次期繰越収支差額560,000-前期繰越収支差額510,000
④令和2年度支出合計350,000=収入合計400,000-当期収支差額50,000
⑤令和2年度水道光熱費80,000=350,000-委託業務費230,000-支払保険料40,000
以下の仕訳になるため、適切ではありません。
令和2年度 未収入金10,000/管理費10,000
令和3年度 現金預金10,000/未収入金10,000
適切ではありません。以下、問題文の「×××」を埋めていきます。
①令和3年度前期繰越収支差額560,000=次期繰越収支差額630,000-当期収支差額70,000
➁令和2年度次期繰越収支差額560,000=令和3年度前期繰越収支差額
③令和2年度当期収支差額50,000=次期繰越収支差額560,000-前期繰越収支差額510,000
④令和2年度支出合計350,000=収入合計400,000-当期収支差額50,000
⑤令和2年度水道光熱費80,000=350,000-委託業務費230,000-支払保険料40,000
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