理容師 過去問
第50回
問34 (皮膚科学 問4)

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問題

理容師試験 第50回 問34(皮膚科学 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

皮膚と皮膚付属器官の保健に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。
  • 肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。
  • 更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。
  • 貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。

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この過去問の解説 (3件)

01

皮膚とその付属器官(毛・爪・皮脂腺・汗腺など)は、健康状態を反映する重要な器官です。

皮膚の状態は、全身の健康状態に大きく影響されます。

 

特に、以下の疾患や栄養状態は皮膚のトラブルを引き起こす可能性があります。

 

糖尿病 → 細菌・真菌感染症にかかりやすい(皮膚のバリア機能低下)

肝臓疾患 → 皮膚の黄疸や強いかゆみ(胆汁の代謝異常)

腎臓疾患 → 皮膚の乾燥やかゆみ(老廃物の排出障害)

貧血 → 皮膚の蒼白(赤血球不足による酸素供給低下)

ホルモンバランスの変化(更年期など) → 皮脂の分泌変化、フケの増加、ひげの発育

選択肢1. 糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。

正しい  糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。

 

糖尿病患者は免疫機能が低下し、皮膚のバリア機能も弱まるため、

細菌や真菌(カンジダ症・白癬など)による皮膚感染症にかかりやすくなります。

選択肢2. 肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。

正しい  肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。 

 

肝機能が低下すると、胆汁酸が皮膚に沈着し、

強いかゆみを引き起こすことがあります(肝性そう痒)。

 

選択肢3. 更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。

正しい  更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。 

 

更年期には女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、

皮脂分泌の変化や男性ホルモンの影響が強くなり、

フケの増加や口周りのうぶ毛・ひげが目立つことがあります。

選択肢4. 貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。

誤り 貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。 

 

貧血では皮膚は青紫色(チアノーゼ)にはならず、むしろ青白く(蒼白)なります。

チアノーゼ は、血液中の酸素が不足し、還元ヘモグロビンが増加することで起こります(呼吸器疾患や心疾患などが原因)。

一方で、貧血 は血液中の赤血球やヘモグロビンの減少によって起こるため、皮膚が蒼白になります。

 

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02

この問題は、皮膚と皮膚付属器官の保険に関する記述で、誤っているものを選びます。

選択肢1. 糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。

正しい記述です。

糖尿病があると免疫器官が低下し、細菌や真菌による皮膚疾患を起こしやすくなります。

選択肢2. 肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。

正しい記述です。

肝臓障害により胆汁の流れが悪くなることで、胆汁の成分が皮膚に過剰に蓄積することで、強いかゆみを生じると考えられています。

選択肢3. 更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。

正しい記述です。

更年期の女性ホルモンバランスの変化により、頭皮のかゆみやフケが起こることがあります。

また女性ホルモンが減ることで、ひげが濃くなったと感じることがあります。

選択肢4. 貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。

誤った記述です。

貧血は血液の赤みの源であるヘモグロビンが減るため、皮膚は赤みがなくなり黄色っぽくくすんだ色になります。

皮膚などが青紫色になるチアノーゼには、ヘモグロビン量が少ないため出現しにくいと考えられています。

まとめ

この問題のポイントは、

糖尿病があると免疫器官低下により皮膚疾患を起こしやすい。

肝臓障害により皮膚に強いかゆみを生じる。

更年期の女性はホルモンバランスの変化により、フケやひげの発育がみられることがある。

貧血はヘモグロビン量が減るため、チアノーゼにはなりにくい。

この4点を覚えておきましょう。

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03

皮膚は体内の健康状態に影響を受けます。

皮膚の変化と疾患を覚えておきましょう。

 

選択肢1. 糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。

糖尿病があると、細菌や真菌による皮膚疾患にかかりやすい。 → 正しい

 

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足、あるいは利用の障害によって起こる疾患です。

病変の特徴は

・免疫力が低下し、皮膚の抵抗力が弱くなり化膿菌や真菌による感染症が起こりやすくなり、重症の場合は全身に感染症が起こり、死に至ることもあります。

・全身の細小血管が侵されて動脈硬化が起こり、腎不全、失明、足の潰瘍、知覚が鈍くなります。

     ⇣

動脈や静脈が枝分かれして網目状に広がっている細い血管

選択肢2. 肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。

肝臓障害により、皮膚に強いかゆみを生じることがある。 → 正しい

 

かゆみを生じる原因は黄疸(おうだん)です。

 

黄疸(おうだん)は皮膚が黄色になります。

原因は血液中のビリルビン(黄色の色素)が増加することで、皮膚の末梢神経を刺激するので痒みが起きます。

 

選択肢3. 更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。

更年期の女性では、フケの増加やひげの発育がみられることがある。 → 正しい

 

更年期の女性は卵巣機能が停止し、周期的な女性ホルモンの分泌が悪くなります。

一方、男性ホルモンの分泌は急激に減少せず、バランスが乱れます。

そのため、女性に男性的皮膚の変化が現れます。

選択肢4. 貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。

貧血があるとチアノーゼの状態になり、皮膚は紫色を帯びる。 → 心臓病

 

チアノーゼは皮膚や粘膜が青っぽくなっている状態。血液中の酸素低下が原因です。

チアノーゼは心臓が悪い時に起こる特徴的な状態です。

 

貧血は皮膚が青白くなり、栄養失調の場合は痩せ細り、皮膚はむくみます。

 

 

 

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