理容師 過去問
第50回
問33 (皮膚科学 問3)

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問題

理容師試験 第50回 問33(皮膚科学 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

皮膚と皮膚付属器官の生理機能に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。
  • 皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。
  • 手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。
  • 爪は、爪母が取り除かれると再生しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

皮膚は、外界からの刺激や病原体から体を守るだけでなく、体温調節や感覚の受容、代謝などの重要な役割を果たします。また、皮膚付属器官(毛、爪、汗腺、皮脂腺など)も皮膚の生理機能に関与しています。

 

皮膚の主な生理機能は以下の通りです。

 

保護機能

 ・物理的な刺激、病原体、紫外線、有害物質などから体を守る。

 ・角質層がバリア機能を担い、水分の蒸発を防ぐ。

 

体温調節機能

 ・汗腺からの発汗により、体温を調整する。

 ・血管の拡張や収縮によって熱の放出を調節する。

 

知覚機能(感覚機能)

 ・痛覚、温覚、冷覚、触覚、圧覚を受容する。

 ・痛覚が最も敏感で、温覚が最も鈍い。

 

分泌・排泄機能

 ・皮脂腺から皮脂を分泌し、皮膚を保護する。

 ・汗腺から汗を分泌し、老廃物を排泄する。

 

代謝機能

 ・日光を浴びることでビタミンDを合成する。

 ・ターンオーバー(肌の新陳代謝)により、古い角質を排出する。

選択肢1. 皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。

正しい 皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。

 

痛覚は、皮膚感覚の中で最も敏感で、わずかな刺激にも反応します。

逆に、温覚(温度を感じる感覚)は鈍く、細かい温度変化には鈍感です。

選択肢2. 皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。

誤り 皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。

 

皮脂の分泌は思春期に最も活発になり、20代以降は徐々に減少していきます。

加齢とともに皮脂の分泌量は減少し、高齢になるほど皮膚は乾燥しやすくなります。

選択肢3. 手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。

正しい 手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。

 

これは「精神性発汗」と呼ばれ、特に手のひらや足の裏、脇の下で起こります。

緊張したときに手汗をかくのが典型的な例です

 

選択肢4. 爪は、爪母が取り除かれると再生しない。

正しい 爪は、爪母が取り除かれると再生しない。

 

爪は「爪母(そうぼ)」という部分で作られるため、ここが損傷すると再生しません。

爪母が健康であれば、爪は切っても再生します。

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02

この問題は、皮膚と皮膚付属器官の生理機能に関する記述で誤っているものを選びます。

選択肢1. 皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。

正しい記述です。

皮膚には、「触覚」「圧覚」「痛覚」「温覚」「冷覚」の受容器があります。

その中で「痛覚」は生体にとって最も危険な刺激の情報を伝えるので、最も鋭敏です。

逆に「温覚」は生体にとって危険度が低いため最も鈍くなります。

選択肢2. 皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。

誤った記述です。

皮脂の分泌量は、思春期頃から急速に増加し、女性は20代、男性は30代でピークを迎えます。

その後、高齢になるほど皮脂の分泌量は減少していきます。

選択肢3. 手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。

正しい記述です。

温度と関係なく精神的ストレスへの反応で、手掌、足底、腋窩(えきか)から汗が出ることを「精神性発汗」といいます。

選択肢4. 爪は、爪母が取り除かれると再生しない。

正しい記述です。

私たちが「爪」と呼んでいるものは、「爪甲」という部分です。

爪の付け根から奥は「爪根」と呼ばれ、ここには爪の元になる大事な「爪母」あります。

爪母傷ついたり取れてしまったりすると再生は難しくなります。

まとめ

この問題のポイントは、

皮膚には「触覚」「圧覚」「痛覚」「温覚」「冷覚」があり、最も鋭敏なのが「痛覚」最も鈍いのが「温覚」です。

皮脂の分泌量思春期頃から急速に増加し、20代30代でピークを迎え、その後高齢になるにつれ減少していきます。

温度と関係なく精神的ストレスへの反応で手掌、足底、腋窩(えきか)から汗が出ることを「精神性発汗」といいます。

爪の爪母が傷ついたり取れてしまったりすると、再生は難しい

この4点を覚えておきましょう。

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03

痛い、冷たいなどの皮膚感覚の種類と分布の特徴を覚えましょう。

 

皮膚付属器官である脂腺、汗腺、爪の基礎知識はおさえておきましょう。

選択肢1. 皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。

皮膚では、痛覚が最も鋭敏で、温覚が最も鈍い。 →正しい

 

皮膚には、痛みを感じる点(痛点)、触れたと感じる点(触点)、温かさを感じる点(温点)、冷たさを感じる点(冷点)がある。

                   

 

 

皮膚1㎠

 

  痛点触点冷点温点
100~200 25 121~2

 

感覚点の分布割合は身体の部位によって違います。

 

表より、痛点が最も多く、鋭敏です。

温点は最も少なく鈍感です。

選択肢2. 皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。

皮脂の分泌は20〜25歳頃から増え始め、高齢になるほど増加する。 

→ 11~13 減少

 

皮脂分泌の年齢的変化は、11~13歳頃から増加し、20~25歳は皮脂の分泌が最高となり、以後は変化がなく、高齢になるとしだいに減少する。

選択肢3. 手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。

手掌、足底、腋窩(えきか)から、温度と関係なく精神的な感動によって急激に汗が出ることがある。 → 正しい

 

興奮や緊張したとき、突発的に現れる汗を精神性発汗といいます。

 

「手に汗を握る」がまさに精神性発汗です。

 

 

 

選択肢4. 爪は、爪母が取り除かれると再生しない。

爪は、爪母が取り除かれると再生しない。 → 正しい

 

爪母は爪の中で最も大切な部分です。爪母で爪はつくられます。

 

爪が皮膚に入り込んでいる部分を爪根 爪根の基部に爪母があります。

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