理容師 過去問
第50回
問36 (香粧品化学 問1)

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問題

理容師試験 第50回 問36(香粧品化学 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

香粧品に配合される油性原料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 高級アルコールは、炭素数の多いアルコールである。
  • 炭化水素は、石油から得られるもので、動植物からは得られない。
  • 油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することを、酸敗という。
  • ロウ類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、香粧品に配合される油性原料に関する記述で誤っているものを選びます。

選択肢1. 高級アルコールは、炭素数の多いアルコールである。

正しい記述です。

高級アルコールとは、炭素数6以上の一価アルコールの総称で、さらに天然油脂を原料とする脂肪アルコールと石油化学製品を原料とする合成アルコールから作られます。

また、炭素数6以下のものを低級アルコールといいます。

選択肢2. 炭化水素は、石油から得られるもので、動植物からは得られない。

誤った記述です。

炭化水素は、炭素と水素を組み合わせた化合物です。

石油から得られるので一般に鉱物油といわれます。

動植物からも採取でき、採取される炭化水素の代表的なものには、スクワランがあります。

 

選択肢3. 油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することを、酸敗という。

正しい記述です。

酸敗とは、油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することをいいます。

酸敗によって生じる過酸化物は代表的な皮膚刺激物質であり、人体に悪影響を及ぼすことが知られています。

 

 

選択肢4. ロウ類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

正しい記述です。

ロウ類とは、高級アルコールと高級脂肪酸が反応してできる、エステルという種類の化合物です。

ロウ類は口紅、軟膏、クリームや乳液の大切な原料となっています。

 

まとめ

この問題のポイントは、

高級アルコールとは、炭素数6以上の一価アルコールの総称であり、炭素数6以下のものを低級アルコールといいます。

炭化水素は、石油から得られるので一般に鉱物油といわれ、動植物からも採取できます。

酸敗とは、油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することをいいます。

ロウ類とは、高級アルコールと高級脂肪酸が反応してできる、エステルという種類の化合物です。

この4点を覚えておきましょう。

参考になった数3

02

香粧品の油性原料は、肌の保湿やバリア機能の強化、さらには香りの保持や製品の感触を向上させるために使用されます。

これらの油性原料は以下のように分類されることが多いです:

 

1. 高級アルコール

  炭素数の多いアルコールで、乳化剤や保湿成分として使用されます。

  例えば、ステアリルアルコールやセチルアルコールなどがよく使用されます。 

  これらは皮膚に柔らかさを与え、クリームや乳液のテクスチャーを良くします。

2. 炭化水素

  炭化水素は、石油由来のもの(パラフィン、ミネラルオイルなど)や

  植物由来のもの(ホホバオイル、シアバターなど)があります。

  これらは保湿剤やエモリエント剤として使用され、肌の乾燥を防ぎ、

     滑らかさを提供します。

3. ロウ類

  ロウは、植物や動物由来の高級アルコールと脂肪酸が結びついてできるエステルです。

  例えば、ミツロウ(蜂の巣から採れるロウ)やカルナウバロウ(ブラジルのカルナウバの木から得られるロウ)があります。

  ロウは製品に厚みを加え、保湿効果や皮膚を保護する役割を果たします。

4. 油脂

  油脂は、植物や動物の脂肪から得られます。これには、オリーブオイル、アーモンドオイル、

  ココナッツオイルなどが含まれ、肌に栄養を与え、保湿成分として役立ちます。

 

香粧品に配合される油性原料は、製品の目的に応じて慎重に選ばれ、肌に優しい製品づくりに貢献しています。

選択肢1. 高級アルコールは、炭素数の多いアルコールである。

正しい 

 

高級アルコールは、炭素数の多いアルコールである。

 

高級アルコールとは、炭素数が12個以上の長鎖アルコールのことを指します。

例えば、ドデカノール(C12)やステアリルアルコール(C18)などが含まれます。

 

選択肢2. 炭化水素は、石油から得られるもので、動植物からは得られない。

誤り  

 

炭化水素は、石油から得られるもので、動植物からは得られない。

 

炭化水素は確かに石油から得られますが、動植物からも得ることができます。

例えば、動植物由来の植物油や動物油は炭化水素を多く含んでいます。

選択肢3. 油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することを、酸敗という。

正しい

 

油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することを、酸敗という。

 

油脂が酸化や加水分解により変質する現象を酸敗(酸化腐敗)といいます。

酸敗が進むと、臭いや品質の低下が生じます。

選択肢4. ロウ類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

正しい

 

ロウ類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

 

ロウ類は、長鎖の高級アルコールと高級脂肪酸がエステル結合してできた化合物です。

たとえば、ミツバチの巣から得られるミツロウなどが該当します。

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03

油性原料は皮膚に直接触れるので皮脂に近いものが望まれます。

油性原料の種類と特徴を理解しましょう。


 


 

選択肢1. 高級アルコールは、炭素数の多いアルコールである。

正しい


高級とは有機化合物の構造で炭素数が多いものです。(油溶性の液体、個体)

【高級→高価な、値段が高い】の意味ではありません。

 

高級アルコールは、香商品の油性原料として配合されています。 

 

セタノール、ステアリルアルコール→クリーム、乳液に配合

オレイルアルコール→口紅の染料溶解剤、保湿剤


 

選択肢2. 炭化水素は、石油から得られるもので、動植物からは得られない。

誤り


炭化水素は炭素と水素だけの化合物です。

 

鉱物性→石油から得られ油性感が強い。(流動パラフィン、ワセリン、セレシン)


動・植物性→動植物性油脂より得られ、使いやすい。(スクワラン、プリスタン)

 

選択肢3. 油脂が酸素や微生物等の作用で酸化したり加水分解したりして変質することを、酸敗という。

正しい

 

具体的には、古い口紅やアロマオイルに含まれる油脂成分が酸化し、古い油臭が発生します。


 


 

選択肢4. ロウ類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステルである。

正しい

 

ロウ類には動物性、植物性、石油由来があります。

 

エステルとは酸とアルコールから得られる化合物です。

例 果物の甘い香り


 

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