精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問31

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(23歳、男性)は、幼いころから友達ができず、大学時代も人に合わせるのがとても苦手で、友達との会話では何を話してよいのか、相手が何を求めているかも分からず、次第に話の輪に入れなくなっていった。
Aさんは、大学を卒業し広告会社に就職したが、職場でのコミュニケーションが上手くいかず、「自分はダメな人間だ」と自分を低く評価して、気分が落ち込んだ状態が続くようになった。しかし、自分ではどうすればよいのか分からず、また誰にも相談せず1人で悩んでいた。このような様子を見てAさんのことを心配したB上司は、会社が契約しているプログラムを利用することを考えた。
B上司の勧めによりプログラムのカウンセリングを利用する中で、Aさんは、自分が発達障害かもしれないと思うようになった。その後、精神科医の診察の結果、アスペルガー症候群という診断を受け障害に関する詳しい説明を聞いて、それまで訳が分からず苦しんでいたことの原因が、障害によるものであると分かりほっとした。そして、プログラムを提供している事業所のC精神保健福祉士に相談するうちに、自分自身が対処する方法を身につけたいと考えるようになった。

次の記述のうち、Aさんに対するC精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。
  • コミュニケーション面の課題を指摘して、改善を求める。
  • 相手に合わせられないことが問題だと伝え、相手に合わせるように指示する。
  • B上司の指示を守ることの重要性を伝え、その指示に従うように言う。
  • 質問や確認の方法を一緒に考え、可能な方法を探す。
  • 今の会社を辞めて、就労継続支援事業を利用するように勧める。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は4です。

精神保健福祉士の基本的な対応として、Aさん自身が自己決定することを支える関わりが大切です。

1.「指摘して、改善を求める」ことは適切ではありません。一緒に課題を考え、克服する方法を考えることが大切です。

2.「問題を伝え、指示する」ことは適切ではありません。一緒に問題を考え、克服する方法を考えることが大切です。

3.「重要性を伝え、従うように言う」ことは適切ではありません。指示を守ることの重要性に気づいてもらい、自発的に指示に従おうと思ってもらえる関わりが大切です。

4.質問や確認の方法を一緒に考え、可能な方法を探すことが大切です。他の選択肢は、この視点が欠けています。

5.会社を辞めるような大きな決定を勧めることは適切ではありません。仮にAさんがそのようなことを希望してきたとしても、安易に辞めないようにする働きかけが必要です。

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02

正解は4です。

アスペルガー症候群の方の特徴として、
①あいまい、抽象的なものに対して理解することが苦手。
②一度にたくさんの処理ができない
③対人関係において、相手の気持ちを考えることができない。

といったことが挙げられます。

選択肢1~3に関しては、アスペルガー症候群の方の特徴でもあるので、具体的な訓練のような対処法を示すことが先決です。
選択肢5については、事例の文からはAさんは仕事を辞めたいという情報や上司もAさんのことを心配はしていてもAさんを辞めさせたいという情報は書かれていません。よって、適切ではありません。

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