精神保健福祉士の過去問
第16回(平成25年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問32

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問題

第16回(平成25年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Aさん(23歳、男性)は、幼いころから友達ができず、大学時代も人に合わせるのがとても苦手で、友達との会話では何を話してよいのか、相手が何を求めているかも分からず、次第に話の輪に入れなくなっていった。
Aさんは、大学を卒業し広告会社に就職したが、職場でのコミュニケーションが上手くいかず、「自分はダメな人間だ」と自分を低く評価して、気分が落ち込んだ状態が続くようになった。しかし、自分ではどうすればよいのか分からず、また誰にも相談せず1人で悩んでいた。このような様子を見てAさんのことを心配したB上司は、会社が契約しているプログラムを利用することを考えた。
B上司の勧めによりプログラムのカウンセリングを利用する中で、Aさんは、自分が発達障害かもしれないと思うようになった。その後、精神科医の診察の結果、アスペルガー症候群という診断を受け障害に関する詳しい説明を聞いて、それまで訳が分からず苦しんでいたことの原因が、障害によるものであると分かりほっとした。そして、プログラムを提供している事業所のC精神保健福祉士に相談するうちに、自分自身が対処する方法を身につけたいと考えるようになった。
相談を受けたC精神保健福祉士は、Aさんが取り組むプログラムに関する相談に乗るだけでなく、他の専門職や機関との支援体制を作るために連携を行った。さらに、Aさんの今後を考え、専門職がかかわるだけではなく、 B上司や同僚が職場でできるサポートをAさんに提案して実施することとした。
その後、 C精神保健福祉士の支援を受けたAさんは、少しずつではあるが職場で同僚とも世間話ができるようになった。その結果、仕事を辞めることなく継続して働くことができている。

次のうち、そのサポートとして、適切なものを1つ選びなさい。
  • コンサルテーション
  • ピアサポート
  • ケアマネジメント
  • フォーマルケア
  • ナチュラルサポート

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は5です。

「上司や同僚が職場でできるサポート」について適切なものを選ぶ問題です。

1.コンサルテーションは、異なる専門性をもつ人に対して、情報や知識の提供を行うことです。利用者やその職場に対する情報提供はコンサルテーションではありません。

2.ピアサポートは、同じような境遇にある人が対等に行う支援です。事例から同じような境遇にある人は読み取れないため、適切ではありません。

3.ケアマネジメントは、介護分野でよく使われる言葉ですが、障害者分野でも地域の社会資源を使って総合的に援助する意味で使われます。「他の専門職や機関との支援体制を作るために連携を行った」とありますが、ここでは「職場でできるサポート」が問われていることから適切ではありません。

4.フォーマルケアは、自治体や専門機関などの公式な制度に基づいて提供される支援です。会社でできるサポートは、制度に基づかないインフォーマルなケアといえます。

5.ナチュラルサポートとは、職場の中で自然な関わりをすることをいいます。上司や同僚が職場でできるサポートとして適切です。

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02

正解は5です。

ナチュラルサポートとは、職場の従業員が障害のある人に代わって、障害のある人の就労継続に必要な様々な支援を自然または計画的に提供するものです。

他の用語については以下のとおりです。

コンサルテーション
異なる専門性をもつ複数の者が、援助対象である問題状況 について検討し、よりよい援助の在り方について話し合うプロセスのことです。

ピアサポート
 同じような立場の人による支援のことです。

ケアマネジメント
 福祉や医療などのサービスと、それを 必要とする人のニーズからどういった支援をするかをコーディネートすることです。

フォーマルケア
 公的機関の行う制度に基づいた社会福祉サービスのことです。

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